2009/03/25 23:20 | サブプライム | コメント(20)
祝 WBC あんたはえらい♪ ついでに政府版CDOだったりする
いや、疲れきって声もでないです。
仕事でも疲れきって、その上これじゃ、ストレス解消にもなんにもならんですな(笑)。
いやね、ダル君が同点にされたとき、この試合はやられたような気がしました。しかし、ダル君がもう一回投げる、最後は三振で仕上げ・・・もちろんイチローもあるんだけどさ、ダル君はこれでさらに飛躍しそうですね。いや、疲れたけどよかった♪
で、バッドバンク、というより政府版CDOと名づけたほうがいいですね、
久々に真剣に解説しましょうや。
後日暇だったら図もつくりますけど、今日は文章で我慢してくださいね。
相変わらず、金融機関は安いと売らないから一緒だとか、効果がないとか解説しているおばかエコノミストがたくさんいますね。こちらの読者はしっかりおわかりかと存じますが・・・
まず、CDOのおさらいをしつつ。
要はいろいろなローンをたくさん買い集めて箱を作る。
それを担保に債券と株を発行しましたね。これが証券化商品。
で、この分散による倒産確率の減少とエクイティー(株)という劣後のクッションのおかげでこの債券は中身の資産のクオリティーを無視してAAA などというすごい格付けがついちゃった。
中身を無視するので当然サブプライムみたいなもんがはいっちゃった訳ですね。 こりゃー、腐ったもんがはいっている・・・とわかった時は時すでに遅し・・・・
で、それを原債権、つまり担保にして出している債券はたとえAAAがついていようとも、ゴールドマンが評価は100だと言い張っても、20とかでしか買い手がいなくなってしまった・・・
その価格ですべてを評価するととんでもない債務超過に陥るので金融機関同士がクレジットラインを絞り始めた・・・・・
ということでその腐った資産を担保にしている債券を早く売ろう、ということになったときはときすでに遅し。ゼロでもトレードできないわけ。
なんでゼロでもトレードできないか。
これはかんぽの宿と同じ理屈です。買手が買った後余計コストがかかるから。
バランスシートに乗せているだけでクレジットを毀損するので、ただでも引き取れないわけですね。 こういう毀損が一切関係ないのは・・・・政府しかいません。
ですから、はやく政府が買い取ってしまえと、ぐっちーは1年以上ぶーぶー言い続けていました。
例え買い取り機関ができても安い値段ではだれも売りたくないし・・・・ということでウルトラC。
つまり買取機関そのものをCDOにして、一番下のエクイティーをその張本人の金融機関にとらせ、残りを政府が出す。
そうするとどうなるか??
100で買ったものを仮に20で買い取ってもらうとすると・・・・まず、金融機関はバランスシートからはずれてめでたしめでたし。
金融機関から見るとは確かに5分の1で売ることになるのだが、政府から、つまり国民から見ると、はもともと100のものを20で買う、つまりうまくいくと5倍になるかもしれない優良資産をたくさん買うことができる。
大元のローンは実はインカム(利払い)は毀損していないものがほとんどなので、税金投入した債券部分の金利は払い続けられ、20以下に下がらなければ将来的に元本は確定。安全じゃん。
万が一にも値上がりすると・・・・・そう、あーら不思議、一番劣後しているエクイティーを買った金融機関にキャピタルゲインが戻る可能性がある・・・・という話になるわけです。
今は5分の1で売却しても将来はとんでもない利益をもたらすかもしれないので、その意味ではあまり高く売ってしまうとレバレッジがかからず、逆にうまみが少ない。
当面の経営が公的資金で担保されるとなればここは逆に思い切り安く売ってしまい、将来もし値上がりしたら丸儲け、というのはかなりおいしいスキームです。
したがって、これによって金融機関はかなりのものを二束三文ですが将来の利益を担保にバランスシートから一度エスケープされることができる。こうなれば・・・
あっという間にバランスシートは改善します。
また、もともとCDOのレバレッジが原因で被害が拡大したので、この政府版CDOを同じ比率でレバレッジをかければ「アラジンの魔法のランプ」のようにすべて吸収できる筈、です。
さらにいうと、金融機関が債券を保有してもともとの原債権を取り立てに行くのは大変だと思いますが、政府なら・・・・さまざまな強制力を働かせることができる・・・かもしれないですね。FBIも投入できるかもしれないし。
問題はむしろこれを買い支えきれるだけアメリカ政府の資金調達が間に合うか、ということになりますね。 アメリカ国債には注意が必要ですが、根本的にはこれはかなり大きな改善策になることは間違いありません。
って、あくまでもすべて上手くいったら、という条件つきですから。ここまできれいに絵が書ければ、ってことですから・・・、って最近ここまで書かないとほれ、間違ったとかいろんなこと言われるからね。正直、疲れます・・・・・・
って、やっぱ図がいる・・・・よねー。
で、最後に・・・
ついに出ましたよ。これが。
待ちに待った・・・・・
昭和83年度 ひとり紅白歌合戦 桑田佳祐 !!
くわたさん・・・・あんた、やっぱり天才ですぜ。
歌うま。大体みんなもとの人より上手いもん。鳥肌もんです、これ。
ただし・・・・
平日に見ると間違いなく寝不足になりますので、土日に見てくださいね!
では!
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20 comments on “祝 WBC あんたはえらい♪ ついでに政府版CDOだったりする”
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日本勢は米国債買わされるより、政府版CDOに乗るか、消毒済みの米銀資本増強に一役かった方が良いと言うことでしょうか?
資本増強の方が安全ですかね。後々一緒に仕事ができそうですし。
> 金融機関はバランスシートからはずれてめでたしめでたし
政府が圧力をかけるとしても、追加支援に繋がりかねない手法に金融機関は従うのでしょうか?
国債はFRBが引き受ける!!として、公的資金が議会の理解を得られるくらいで収まるのか…
でもかなり大きな進展ですね。
でもでも輸出入半減の日本は一人恐慌の中に置いていかれそうで、売りの呪縛から逃れられそうにありません。
昔昔
クワタ、好きで好きでたまらん女の子が居て・・
嫌いでたまらん男が居て・・
結婚したら、どうなるか?
ずーーと男は耐えに耐えて、家でも、ドライブでも、桑田サゥンドをずっーとずぅーと、聴かされる羽目になる。バント解散と聞いて、神の存在を信じられた。
だがソロでやるって・・神の存在は消えた。
クワタと聞いただけで、もぅ発狂しそうになる。発狂しているかもしれない。クワタを好きになり始めたから・・何10年かかったのだろう?!
この構想が有効とはとても思えませんね。
7000億ドルの資金を使ったTARPと根本的には何も変わらない。不良債権を抱える金融機関は売却をすると莫大な損失を計上する必要がある。追加の資本注入が必要だが、7000億ドルでは限界があった。
という経緯ですが、公的買い取りの額が足りなかっただけの話で、根本解決する為には「単に資本注入額を(無際限に)増やせば良い」だけの話です。今回は最大1兆ドルまで買い取り額が増えたそうで、一定の効果はあるでしょうが、とても全額には足りないでしょう。
要するに、対応策が、TARPだろうがCDO構想だろうが問題は幾ら資本注入可能か?がポイントなのです。今のアメリカにそんな金がありますか?議会の承認が必要ないと言っても、結局はFDIC保証なので国のお金が必要なのですよ。
以上が私の理解ですが、何分素人なもので『この政府版CDOを同じ比率でレバレッジをかければ「アラジンの魔法のランプ」のようにすべて吸収できる』という内容を是非、図解等の詳細な説明を頂ければ幸いです。
CDSの不良債権処理が始まりましたが・・・
確かに買取をしてもらうのでバランスシートからは外れますけれども、その後価格が上がるか?
今の米国の経済を見ていると非常に疑問です。
もう前みたいな狂乱株価はないでしょうし・・・
それにご指摘の通り、米国の資金がいつまで続くのか?
日本が援助なんて間違ってもごめんです。
麻生には断固突き放して欲しい。
と成るとやはりやばいかも?
金融機関の不良資産オークションはややこしくてよくわからんところがありますが、ガイトナーは本当は助けたいんじゃなくて潰したい?
大半は売れないだろうし売れても二束三文、不良資産の時価会計が明確になれば、保たないんじゃないかと。
>100で買ったものを仮に20で買い取ってもらうとすると・・・・まず、金融機関はバランスシートからはずれてめでたしめでたし。
とコメントされていますが、金融機関は80の損失は引当済みなのでしょうか?
債務超過になってしまいませんか?
なんとなくわかるのですが、図解があればと思います。忙しいでしょうがおねがいします。
アエラ本買いました。ぐっちーさんの図表は改めて復習になりました。ありがとうございます。
ただま水野さんの解説は「初めにイデオロギーありき」でいただけない部分が少々。世代のせいですかね?滝クリも「日本のバブルが世界に伝播した」との前提のようですけど世界バブルに貢献したのはバブル崩壊の方ですからちょっと???
さて素人質問です。不良資産を証券化商品の体裁のまま買い取るんでしょうか?その場合万が一格付け惨禍がまた起きると奇妙なことになる気がします。一旦バラして原債権を買い取るなら問題なさげですが。。。
いつも素晴らしい解説ありがとうございます。
今回初めて書き込ませてもらいます。
金融機関が買い取ったエクイティは、時価評価されるんですよね?(どう時価評価するのかはわかりませんし、流動性があるのかもわかりませんが。)
金融機関(銀行、証券、保険等)にとって、短中期の資産下落のリスクが残るとするなら、長期的に資産価値上昇が見込まれるとしても、エクイティを持つインセンティブは低いんじゃないでしょうか。
(今でも、長期的には格安だと一部投資家に言われていますし実際そうだと思われますが、金融機関による売買はほぼ枯渇しているようです。)
個人的には、金融機関ではなく、時価評価に一喜一憂しなくてよいHFや長期投資に耐えられる投資家が中心になってエクイティを買うんだと思ってました。
そして、それにより政府の購入資金が安上がりになり、短期的にも安全性が高いと説明できる点がポイントなのではないかと。
あと、現状の時価で金融機関から資産を買い取ると、最終的には多額の資本注入の必要性がでてくるかもしれませんね。
結局、お金と債券を発行しまくり、米債・米ドルの資産価値の下落を恐れる日本と中国に依存するという状況になるようです。
金遣いが荒く国中で消費できるだけ消費したら、今度はお金を刷りまくり海外から低利で借金してやりすごし、自国の価値は下がりませんというのは、非常にご都合主義のような気がしてあまり楽しい気分はしません。
でもこの方法は、基軸通貨である米国以外では、国債価格と通貨の下落を通常伴うため、実現は難しそうですね(日本のように国債が国内のみでほぼ完結できるなら別ですが)。
今後は景気を浮揚する必要がありますが、当面はそれもまた難題のような気がします。
多分また何か新たなバブルを起こすんでしょう(過去のIT、住宅等)。
日本ももっと何か知恵を出して、大きな対策を打って景気を刺激してほしいものです。
『アエラ』増刊号、私も買いました
私には難しすぎてわからない記事もありますが、水野和夫さんの顔と名前がやっと一致しました。 以前たまたまテレビの番組で、一度だけ拝見したことがありましたが、淡々と話されていたのが印象に残っています。 ご著書を是非拝読したいと思います。
ぐっちーさんのオススメ、
桑田さんのDVDすごく人気がありますね。 私も観たくなりました
外資は狂ってるとしか思えないですね。
ブラックホールはブラックホールですよ。
JAL123です。どんなにプルアップしても
墜落しますよ。
損失を取り返すためのレバレッジは
多くのバクチうちたちがやられてきたやられのパターン。
勝って取り戻すことを前提に考えた希望的
ディールで失敗は確実。
つらくても損失を確定して、裸一貫歩いて帰るべきでしょう。
宝くじはバラで買っても期待値は変わらないよね
ホームランで同点の時は「あちゃー」
9回に同点にされた時は「やべー!やべー!」
10回にイチローが決勝打「やったー!やったー!」
見応えのある試合内容でしたが、正直心臓に
良くなかったですね。
しかしアメリカでのWBCの視聴率2%だったそうで
人気無いのですかね、だからアメリカのチーム
はやる気が無いのかな?
いずれにせよ、侍ジャパンWBC連覇おめでとう!
バラ色の世界のようですが、上手く行くことを前提にしていて上手くいかなかった場合はどうなるんでしょう。
そっちのほうもご説明していただけると助かります。
モルスタ日本法人&三菱UFJ合併の件お願いします。。日興コーディアルはどうなるの。。
いきなり米国債の入札、利率上昇してたりするけど、まぁやっぱうまくいってほしいですよねぇ
入札不調な割りに、ダウもドルも案外強かったんで、まぁ期待というか祈りつつ。
>分散による倒産確率の減少 (けろよん)
>2009-03-26 19:04:28
>宝くじはバラで買っても期待値は変わらないよね
バラで買っても当選番号という共通の因子で支配されとるだろうが
コメントにコメントするのは野暮
それにコメントする私は馬鹿
分散による倒産確率の減少があったとしても
分散したものを全部買ったら意味がなくなる
と言う事は、はじめから
分散による倒産確率の減少と言う事は無いのでは
それを宝くじのバラ売りにたとえたのです
やっぱり私は馬鹿なのでしょうか?