2009/03/16 23:52 | サブプライム | コメント(13)
すべての道はシチリアへ・・・
G20は全校集会のようなものなのであまり期待をしてもかわいそうですが、アメリカから具体案が出てこないのはどういうことだ、ガイトナーは何をしているなど、不満の声が本家のアメリカから出てきました。(実務レベルの人選が終わっていないのが原因ですね。相当な身体検査がなされているようで、これは難航しますね)
さらにドイツ主導でヘッジファンドに規制をかけるというようなアイデアまで出てくる始末・・・いやはや。
何度でも言いますが、今回の金融危機はヘッジファンドは無縁。無関係とはいいませんがまあ、脇役です。
実際、問題を起こしたのは彼らの武器であるデリバティブではなく、証券化商品の、しかも格付けつき債券という優良アセットの毀損が原因。いまになってまたぞろCDSが悪者にされていますがCDSはクレジットリスクのヘッジに有効であったものの、アセットそのものに損害を与えたということは一切ない。
アメリカでは数名の「倒産したくせに!ノーベル経済学者」があちこちでCDSが犯人だとか、CDSをいますべて清算しろとか騒いでいるのですが見当違いもはなはだしい。
彼らはリーマンショック以降CDSは価格を喪失し機能していないと主張しているようなのですが、CDSそのものは十二分に取引されているわけです、それ以降も現在も。
機能が制限されているのはCDSそのものではなくそれを受けるカウンターパーティーリスク。つまりオプションを売却した相手が履行したときにリーマンのように潰れていたら困るので相手を選んでいるだけであって、ソニーやトヨタのCDSが取引不能になったわけでもなんでもない。
その意味ではJGBオプションでも相手がぼろければその相手には怖くて売れないわけであり、それはカウンターパーティーリスクの問題でCDSの問題ではない、って何回言ったらわかるんだ、おい!
で、そういう意味でのカウンターパーティーリスクは今現在も残っていてさらに悪化しているのが現状。
日銀も金融機関(インターバンク)とマーケット(CPオペなど)については完璧に押さえ込んだけど、企業体企業の資金のやり取りについては手が出せない。
で、当然最後は企業による企業に対する金融からほころんでくることになりますね。 で、この世界はもともと危ない訳で、伝統的に手形なんかをアングラで割り引いていたわけですね。
普通5割のところを7割で引き取るやつらがいる。それはまさに「しのぎ」であってここから仁義なき戦いが始まる、って訳わかんないですか? でもホントです。
つまり手形など企業間金融の債権取引(期日前に現金化する)というのは現実には裏社会の仕事です、ということでみんな知っているのにやばいから書かないわけだけど、商工ファンドも大島さんもいなくなっちゃえばいよいよ資金が詰まってどうするんでしょう、という、これ以上書けません、てな終わり方になるんですが、まあ、要するに企業間金融がピンチなんですよ、という話。
もっと言うと日本の金融機関は10年前にこのしのぎの世界から足を洗おうとした訳でそこに外資が入ってきた。危ない闇金に近いようなところのファイナンスを外資がやる、なんていう話が横行して日本も危うくコルレオーネファミリーにのっとられる所だった、とも言えるのです。
そう、コルレオーネファミリーだ。
入ってみたかったりする(笑)。
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13 comments on “すべての道はシチリアへ・・・”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
成る程、
風俗店に百回以上通った顔と、観られるわけだ。
本当は
九九回で止め、今では半年に一回でもセックス依存症ではないかと悩んでいる・・・ぐっちーさん・・?
ワシントンの人口の三パーセントはエイズと報道されたが、
相手がエイズかなのか判らない、となればこれまた深刻で・・・
悩みに悩んでいる間に、
やり手バァさんが・・と
国際金融なんてカタイこと言わないで、
風俗に転換しましょう、判りやすいし、ぐっちーさまが生き生きしてくるんだけど・・
ダメでありますか?
一ヶ月に一度は依存症の範疇であります・・
σ(・・。)はてっきりNYがバックグラウンドのエルサレムへの道かと思っていました。
今日の話も示唆に富んでいておもしろいです。
ただの信用収縮ですよね
>入ってみたかったりする(笑)。
同じ穴の狢だったくせに(笑)
それにぐっちー先生ともあろうお方が、
CDSという金融システムに問題が無いとでもいうの?
資金繰りの忙しいところから何か買ったりした際に振り出した手形が割り引かれて怪しいところに渡ったとして、期日までに現金が用意できれば問題ないと思いますが・・・・
それとも自己振出や相互振出に手を染めている企業がそんなに増えているのでしょうか?
なんとなく古典的な商社金融(売り買い両方に入って債権債務を相殺する売買契約を元に信用リスクをヘッジする)の必要性が出てきているような気がします
効率は非常に悪いですけどね・・・・
それと永年の慣習だった『帳尻が合っていれば資金尻は合わせますよ』ということで、最終的に銀行に不必要に金利収入が落ちるというナガーイ支払い条件は無くなるべきなんでしょうね
売上が小さいのに売掛金買掛金とも膨らむので信用不安が生じた際のマイナスの影響が大きいので。
雨が降ったら傘を取り上げる銀行が平時に金利収入を得ていた部分もなくなるので銀行の淘汰も必要となるため現状では得失の見積もりは難しいですが・・・
今は悲観論は控えて、また相場の下落が始まったら悲観論をぶつんでしょうな。
相場の調子が良いときに悲観論述べなさいよ。
「手形など企業間金融の債権取引(期日前に現金化する)というのは現実には裏社会の仕事」というのは、銀行などのが商業手形割引による融資のお付き合いができない企業の場合、ということですよね。
基本的な質問で申し訳ありません。
JGBオプションのCDSとは、JGBがデフォルト(?)すると支払が発生するということでしょうか?
暇だったら教えてください。
貴社の場合どうなんですか?
格付け会社ではないでしょうか?
結局各種金融商品の価格をきちんと計算できる事無く格付けをどんどんしてしまった。
結果それがとんでもない出鱈目だと分かり、金融市場の混乱を更に招いてしまった。
CDSも問題があったと思うのですが。
考え方自体は良いのですが、実際に上記理由によりCDSが機能する段階になると資金ショートで機能不全になりました。
うむうむ、諸々の原因で金融危機が加速したと思います。
でも今回の記事も良く分らない所が・・・
勉強します。
うーんCDSはノミ行為といったほうが早いじゃない。
かけるものは中央競馬でも、うけるほうがやくざじゃなって、わかりやすい表現でしょ。
>暇だったら教えてください。
暇なわけないと思うw
正直すぎる聞き方だなww
そもそも3ヶ月程度のサイトしかないのだから、割り引くことになる手形は受け取る時点で大部分予想が付く。
つまり、普通なら取引停止になる状態なのに、敢えて取引を継続しちゃってるわけ。
そういう状況になる原因は色々とあるだろうけど、危ない手形を受け取った上で、少しでも確実に現金化したいと考えれば必然的に裏社会の出番になっちゃう。
(もはや銀行は割り引いてくれないから)
表で処理できる相手ならそもそも取引停止してる。