2010/11/10 18:48 | マーケット | コメント(12)
日本プロ野球を斬る!
しかし、全国放送がないシリーズなんて驚きでした。野球はすでにコンテンツとしては人気がない、などとしたり顔でしゃべっている人もいますが、はたしてそうでしょうかね。
要するに日本のプロ野球を経営している人、プロ野球機構が不真面目なだけだと私は思います。
最終戦も名古屋では30%もの視聴率があった訳ですし、全国でも最終戦は今年の野球中継最高の20.3%という視聴率を叩き出しています。
高校野球の視聴率も上がっているし、野球全体のパイはむしろ増えている位でしょう。
問題はプロ野球、もっといえばその中の「巨人」というビジネスモデルに問題があるだけだ、と私は思います。
ただ、このプロ野球問題、今のビジネスと共通することがすごく多いので以下備忘録的に書いておきます。
だいたい、メジャーの試合は全試合、日本にいながらネットで見られる訳です。私も会員ですが、確か100ドルそこそこで、全試合、すべてのチームの試合が見られる。なぜ、日本でこれをしないのか?? 普通のビジネスセンスではないですね。
読売が嫌がるなら、パリーグだけでも全試合ネットで中継が見られるようにしたらどうでしょうね。
来年はダルビッシュ、ハンカチ王子の継投なんてのが見られるかもしれないし、まー君との投げ合いも楽しみでしょ? 値段の高い放映権でテレビ局ともめてるより末端のファンを大事にするべきでしょう。
それから音楽でもCDが売れなくなっているんだけどむしろその逆にライブでの集客が増えているという現象をご存知ですか。(もちろん実力のあるバンドという条件はつきます。)
つまり野球も恐らくライブ、球場に足を運ばせるというのが第一のテーマで、いずれテレビで見る人はいなくなるかもしれない。野球というコンテンツがだめなのではなく、テレビというコンテンツを提供する媒体がだめ、ということに尽きるのではないですか?
見たい人はネットでいつでも見られてあとは球場に足を運んでもらえるというビジネスモデルが勝ちでしょう。
2.巨人ブランドからの脱却〜
「常勝」というビジネスモデルの崩壊
今年の全国放送で視聴率10%を超えた巨人戦の試合は1試合もない、とゲンダイで読んでちょっとびっくりしました。
巨人人気の凋落は良く言われます。僕らの子供のころは巨人戦しか見られなかったのでそれに比べればファンが減るのは当たり前。
ただひとつ言うと、「常勝」、つまり常に勝ち続ける、「巨人大鵬卵焼き」というビジネスモデル自体が成立しなくなっている、ということに早く気がつなければいけないということです。
だから常に「勝ち続ける」水戸黄門も視聴率が落ちる。ステレオタイプの勝ちパターンで拍手喝さい、というおめでたい人々が最早減ってきてしまったのです。商品と同じでテレビや野球を見ている人々の嗜好自体が「ロングテール」なのです。
負けたってライブで必死になってやっている所を生で見るのが最高の贅沢、ってことになれば今の巨人にあまり魅力が無く、それこそ放映権に何億なんて価値が本当にあるのかね、とだれでも思いますよね。
3.ローカライゼーション
前にも書きましたが、ビジネスモデルとしては成立しうるのは「常勝」ではなく、「地元」です。
スポーツにおいてもローカライゼイションがテーマなので、北海道も福岡も、そして昨日の名古屋も盛り上がりますし、もともとローカルが基盤の高校野球はますます盛り上がる、という単純な話です。
ここさえ間違えなければ野球はまだまだ有望なコンテンツ。
ですから相対的にローカルな人が少ない東京をフランチャイズにする巨人が人を集められなくなるのは当然です。
如何にローカルな(悪い意味ではないですよ)人間を集めて楽しんでもらうか、と言う点ではインターネットによる全試合放送とライブ、つまり球場の充実という方向性が見えてくる訳です。
これはいま現在うまくいっているビジネスとまったく同じ方向だと断言できますね。
これは選手を筆頭に日本のプロ野球に参加する人々が自由に行き来ができるようにする・・・ということに尽きるのです。
こういう話をすると多くの人がすぐ選手流出とか言いだしますが、実際アメリカで活躍できる日本人選手はほんの一握りしかいないのが現実です。
それよりはるかにガッツがあって上昇志向の強い外人選手を日本の野球に自由に参入させれば今より余程おもしろい野球が見られるでしょう。日本には日本の野球がありその経験者が監督などであれだけアメリカで活躍している。
日本からいい選手がいって、向こうからもいい選手が来る。完全にウィンウィンの関係ではないですか?
それをより拡大して、行き来を自由にすればそれこそ世界中の優秀な野球選手が手に汗を握る真剣勝負を繰り広げる「最高の」コンテンツになり得るわけです。
もちろん韓国、中国などのアジア勢、オーストラリア勢、アメリカで大活躍する南米勢などを流入させメジャーリーグと対抗できるものにしてしまえばいい。
そうすれば優秀な日本の選手でも日本に残りたがるようになるし、アメリカのドラフト一位選手がむしろ日本に来るかもしれない。
アメリカではメジャーリーグの有線放送による広告収入は英語によるものより、スペイン語によるものの方が大きいという話もあるくらいで、そうやって世界中の人が日本プロ野球を見るようになればそのことがイコール日本企業の宣伝にもなる訳です。
日本プロ野球のスペイン語放送ができ、そこにスポンサーが参加できるとなれば電通は困るでしょうが、これほど企業にとって魅力的な広告媒体はないのではないですか?
というようにちょっと考えればまだ何でもある訳ですよね、この市場は。
日本から出て行かれることばかり心配せずに早く門戸を開放して参入してもらったほうがはるかにメリットが大きい、ということにそろそろプロ野球も気がつかねばなりません。
ジャイアンツにいるラミレス選手はメジャーでも十分な契約が取れる選手ですが、日本の生活が気に入っていて、安全で楽しい日本を「職場」として選んでいる、という話を本人から聞いたことがあります。
安全で子供の教育に心配のない日本に来たがるメジャーリーガーは想像以上に多いのです。
そして日本からもやる気のある奴は海を渡る。
そうやって切磋琢磨していればこのコンテンツは絶対廃れることはないと確信しているのですが・・・・
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12 comments on “日本プロ野球を斬る!”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
高校から・・スペイン語・・
英語より・・楽!
神の言葉・・西班牙人語る・・
世界一・・悪態つける・・言語・・
審判に・・スペイン語で・・罵倒する・・日本選手を・・見たい・・聞きたい・・
The Gucci Post・・スペイン語が・・社内言語・・!!!
いやに力が入っているコメントやな。日本のBBなんてどうでもいいんだけど・・・。
ところで、アムバックは何処へいったんだろう?期待してたのに・・・。
まあ仰るとおりですね。当方は福岡在住ですがやっぱりホークスの人気は圧倒的なものがあります、何ていったってドームで女子高生といい歳したおっちゃんたちが選手の事でかなり盛り上がって話をしている光景をよく目にしますからね。地元密着と言うのはこれから大事になるのではないかな。
え、日本シリーズ?ホークスの出ない日本シリーズなんて…、何で負けたんだよorz
揚げ足を取るようで申し訳ありませんが、Yahooのパ・リーグライブTVで、パ・リーグ全試合ライブ配信が視聴可能ですのでご参考まで。
キューバから亡命した
メジャーリーガーコントレラス投手
の息子も九州の全寮制の
高校に入ったみたいですね。
私もライブ派です。が、試合の流れを無視したあの鳴り物応援に辟易しています。あれも日本人の分化なんでしょうか。
いつも大変参考にさせて頂いており、ありがとうございます。金融の業界で長く勤めておりグッチーさんの慧眼にはいつも驚きの連続です。今回のグッチーさんのご見識についても全く同感です。一度、東京駅真上の弊社ビルにお越しいただけたらこんなうれしいことはないんですが、お忙しいですものね。。
どうぞご自愛いただき、今後もご活躍されることを祈っております。 西岡
ほ〜
100ドルでメジャー全試合見られるんですか〜
オイラはNHKとスカパー両方見てるんだけどな、そういうのあったんだ?
ネットだとTVとは違うから迫力イマイチかな。
前置きはこのへんで
メジャーはベースボール、日本のは野球、かつて助っ人が野球のようなものとのたまわりましたがね(笑)
一番嫌いなのは日本の球場での応援!
あんな応援団組織なんて廃止すべきで応援は自主性に任せるべきでしょ?
試合中のべつ幕なしにうるさくてゲーム楽しむ余裕なんかありゃしない。
日頃のうっぷんばらしかなんかしらないが声張り上げて歌うわ踊るはやじるわ。
あれじゃ球場に行く気も失せます。
身贔屓な応援ばかりで相手チームの良いプレーも無視。
選手も乗せられてるんだかすぐガッツポーズ、たまにゃいいけどしょっちゅうじゃなえ〜
しょうがないからTV中継見ると、自己主張というかしゃべらないと金がもらえないみたいにひっきりなし喋るアナウンサーと解説者。(笑)
解説も応援もいらんわ、静かな雰囲気で野球を楽しみたいもんです。
それとNHKさん
みんながイチロー見たいと思ったら大間違いでっせ、後半なんでイチローの試合ばっか放送するの?
あんな最下位独走チームでなんぼシコシコヒット積み上げるのだけ見ても面白くもなんともないわ。
近所の五十歳以上の方でネットを遣られている方はごくわずかです、タイピングから遣り始めるんですから、そりぁー、無理ですよ、米国の様にタイプライターが普及している国じゃなかったわけですから、テレビも面白くないようで、暇で暇でのたうち回ってますよ、十年も経てば世界の日本の経済社会が劇的に変化しているのは明らかなのが分っていても、なかなか順応出来ないのが現実のようです、だったら、自由に楽しく暮らせばいいんだと気付けばいいだけの話だと思います。
WBCは別にして、日本のプロ野球は既に国民みんなが熱狂するようなスポーツではない、ということではないでしょうか。
サッカーの日本代表のようにみんなが見て話題にするような、視聴率40%を超えるようなことは、もうないのです。
野球は年代別に見ると50代以上の男性が主に見るスポーツとつい先日日経に出てました。実感としてその通りではないかと思います。仰るとおり、Jリーグのように地域に根ざしたスポーツクラブになれるかどうかというのが分かれ目になると思いますが、マスコミ、広告会社、TV、球団と古き良き時代に戻りたいだけで、変革は望めないと思います。このままどんどん衰退していくでしょうね。
横浜ベイスターズとか、アルビレックスが買って新潟に根ざしたら復活すると思いますけど、まあ無理ですね。
日本のプロ野球は会社名を入れる事のできるプロリーグです。ブランド力を高めたい外資にとっては非常に魅力的だと思います。
セリーグの下位三チームは金もなく優勝する気がありません。だったら金持ちの外資に売ればいい。三年連続Bクラスで年棒がBクラスな球団はリーグが球団保有権を強制的に取り上げ身売りすればいいのです。
グーグルでもサムスンでも日本でブランド力を高めたい企業が野球に参加すれば、選手の年棒も上がり、アメリカからいい選手も来るようになります。
先日も日本シリーズ第6戦をナゴヤドームで観戦してきましたが、やはり野球はまだまだおもしろいです。(ちょっと長すぎでしたけどね)
すでにパリーグは携帯向けですがこんなことやってますよ。
http://www.proyakyu24.com/pc/index.html