2011/10/11 05:55 | マーケット | コメント(8)
今週のメルマガなど・・・欧州の銀行は国では救えない
大変失礼いたしました。
これなら競馬をやっている方がましですね(笑)。
まあ、ネタとしては今回ワタクシが使用したモデルは某アメリカの有名教授のお使いの物を試しに使わせて頂いて、あまりにも雇用者数が少なすぎたので、個人的にかなり鯖読んでみたら・・・やっぱり少なすぎた、という代物です。あくまでも私の予測がタコな訳ですが、改めてこういうモデルを使って経済統計を見ている人たちはこれから大変だろうな、と思うしかありません。
もう少しクルーグマンやバーナンキさんのいう事を本気にするべきでした。最早数学的モデルは適用できない状況なのでしょうね。
いずれにせよ、結果はご覧の通りで、メルマガでどれだけ酷いか、細かく解説させて頂きまして、ご参考までにいつものCRさんのグラフを貼っておきます。
次のページには長期失業者の数字もグラフで出しておきました。
これらの数字を見ますと、今回起きている雇用調整が、一時的な問題ではなく、アメリカ企業の抱えている抜本的問題であることを示していると言っていいでしょう。
仮に企業収益が上がって、株価が上昇したとしても、それはアメリカの従業員のクビ切りや史上最低レートで調達できる借金で、自社株を買い戻しているだけであり、アメリカの大企業は設備投資も雇用もアメリカ国内で増やす気はさらさらない、という事を示している事は間違いありません。
銀行も今更ヘッジファンドなぞに融資できませんし、そもそも彼ら(ヘッジファンド)の調達方法であるCDOそのものに対する投資なぞ、最早できる筈が無いのです。実際そういう融資が出た問う話は全く聞きません。
(何も知らずに今でもヘッジファンドがどうしたこうした、と書いているジャーナリストがいますがちゃんと取材をしろ、と言うしかありませんね。ばかも休み休み言え、と言う事です。)
そうすると、金融機関にとっては、それがたとえ自社株の買い戻しに使われようともJ&Jやコカコーラなどの優良企業に貸し出した方がいいに決まってます。
日本でも同じようなことが起こった訳ですが、銀行に対して極端なROEを求める株主もあまりいないので、何とかやってきましたが、アメリカはそうはいかない。コカコーラに融資ばかりして儲かる訳もなく(極めてスプレッドが薄い)さまざまなリスクを取りに行く訳ですが、その一つが欧州だった・・・・となれば最早アメリカの金融業と欧州は一蓮托生でしょう。今回のギリシアを読み違えたモルガンスタンレーのように本当にギリシアごとぶっ飛ぶ可能性すら否定できません。
更にいえば、欧州の銀行が過剰に投資してきた新興国から資金を引き揚げれば危機はたちどころに世界中に広まります。
今週のメルマガではそのあたりについても詳しく書かせて頂きましたが、サルコジーメルケルによる自国銀行の自己資本充実の話は話としてはあり、ですが、一体だれが彼らに資金を提供するんでしょうか??
まして資本、つまり株式ですよね。
ドイツ銀行と言えども相当なプレミアムを出さない限り、資本金または劣後債で資金を調達することなぞ最早不可能でしょう。
公的資金と言っても、他の欧州の国そのものの救済で四苦八苦しているドイツ、フランスがそういうお金を出す余裕があるのか? 極めて疑問ですよね。
(次ページに続く)
つまりあまりに内容がひどく、国有化するしか道がなかった・・・ということです。
ベルギーのような小さい国ですらそういうことであり、遥かにグローバルな活動をして、桁違いの債権をPIIGS向けに保有する欧州の大銀行を今のドイツ、フランス政府に支えられるとはどうにも思えないのです。
日本をよく引き合いに出す方がいますが、あれは日本国内の不良債権を日本政府が片づけに行った訳ですから、大分状況が違います。
欧州の金融機関の場合、不良債権が国境をまたいで、更に国そのものに対する与信が不良債権化している訳でですからその意味では前代未聞。完全にニューワールドです。
そのあたりをお分かりの方があまりいないようですが、これは間違いなく、ドイツやフランスの息の根を止める可能性があります。
何度も言いますが、国の倒産は金融機関から始まるものです。
国がある日突然倒産することはありません。
長い戦乱の経験がある欧州の人々にとっては預金の移動など、そんなに難しいことではない。日本を基準に考えてはいけません。
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8 comments on “今週のメルマガなど・・・欧州の銀行は国では救えない”
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で、どうなるのか?
昨晩、よく寝ておいてよかった…。
今晩から寝れない…。
腐ったリンゴが・・一個でない・・なら・・手遅れなら・・廃棄処分以外ない・・
捨て値で・・買い取ってくれる・・奇特な方が・・いるのか・・?
中国・・財布の中身を読めないので・・分からない・・?黄禍論も出てくるだろう・・!
デフォルトと国有化の大ツナミ・・
欧州は・・現物大に戻れるか・・?老化で縮むか・・?
元のモザイク諸国に・・回帰するか・・?一つの・・巨大な混血国家になるか・・?
日本への影響は・・アメリカへの影響は・・白装束を着て・・待つ以外ないか・・・
とうとうヨーロッパの銀行が潰れ始めましたね。
ヨーロッパもアメリカも不良債権の塊に様な銀行は、遅かれ早かれ消えて行く運命です。
気になるのは庶民の預金。
グッチーさんも書かれている様に、中堅規模の銀行であれば、個人資産は国家が保護するでしょうが、大銀行が潰れた日には、いったいどうなる事やら。
シャッターの閉まった銀行の前に列を成す預金者の映像でも流れたら、いったいどれだけの人が、銀行預金を信用し続けられるでしょうか?
危機は一瞬で発生し、瞬く間に世界に伝播するでしょう。
崩壊が、いつもの事ながら日本時間の金曜日の夜に発生すれば、私達は成すすべも無く不安な土日を過ごし、そして審判の月曜日の朝を迎えるのでしょう。
金融機関が破綻すると言っても、既に利益はどこかオフショアにでも引き揚げられていて、負債の塊と化した銀行が消えてしまう訳ですから、極論すれば個人資産が収奪されるだけの事です。
どうせ金利の付かない預金ならば、今のうちに全額引き出して、タンスにでも仕舞っておくのが一番安全です。(これとて、新券が発行されてしまえば、一網打尽ですが)
多くの人がこの事実に気付いた時、金融機関が破綻して行きます。金融資本家達もバカではありませんから、預金が引き出される前に、さっさと銀行を破綻させて利益を確定させるでしょう。
ついでに個人と国家の負債もキレイに整理出来れば、後は次の基軸通貨と金融システムを速やかにスタートさせるだけ。
とまあ、「最悪の危機」は容易に想像が付くのですが、「程々の危機」がイメージ出来ません。きっと2006年頃に抜本的な対策を打てば、「程々」で収まったのかも知れませんが、2008年以降の世界はむしろ危機を巨大化させる事に専念していました。
うーん、そうですか。銀行から破綻がくるんじゃ、庶民には防ぎようがないなあ。
まず円は大丈夫だろうけど、預金封鎖に、新券切り替えの非常事態が起きても、クレジット決済と、外貨預金までは手が及ぶまいぐらいに考えていたけど、もっとひどい事になるのだろうか。豪ドルはマイナーだから、なにかあっても見逃されるのではないかとあわてて定期を作ったのは、やはり早計であったか。とりあえず、魚釣りのテクニックでも磨くか…
話しとしては面白い、いや、怖いが、さて、実現性は?
例えば株、為替、証券口座に入れてたらどうなる?
ぐっちーさん、来週月曜、解説を…。
>ま、所詮、欧州はわれわれにとっては他人事ですからね。
どなたの発言か?
こんなこと言ってていいんでしょうか?(笑)
日本の国債うんぬんは今さらいいませんが、
東電の社債が下がりましたね!金融機関が持つ東電社債の含み損が6800億円。電力株全ての含み損をも考えると楽に1兆円!
Gucciさんの信頼の無いN社の記事では、大手銀行だけで不良債権予備群が44兆円。
文科省発表の高濃度放射性物質の地図を
見ると非常に恐ろしい。3月11日以前だったら法律では住めない地域が非常に広い。
世田谷も凄い。土地の暴落が怖いですね!?
日本で高級腕時計、外車、宝石、億ションなど高額商品が中心に売れているとか。。 百貨店もおかげで増益です。
驚くことに20歳代後半〜40歳台の若い人達が買っているんだそうです。
金持ち老人が買ってるんじゃないのよね〜
う〜ん、でもその金の出所は。。?
相続、株、FX。。 何なのだろう?
いずれにせよ国が貧乏でも、株が下がってもお金を持ってる人は持ってるし儲けてる。
アメリカなんぞ国家が破綻しても株が上がればOKみたいなところがありますね(笑)
この所、欧州危機の一服を受けて相場は持ち直し、明日13日も上げそうです。
あ〜なかなか安値では拾えないもんです。
あの時買ってればな〜 いつもタラ、レバばっか。。。。ダメなワタシ