ブログ記者によるオンライン新聞 グッチーポスト

The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2007/01/17 09:14  | 中央銀行 |  コメント(4)

利上げをめぐって・・・

今回の一連のどたばた劇を見ていればやはりあほな上司を持つほど不幸な事はない、とつくづく思う訳です。それに低脳な報道機関が火に油を注ぎますのでまあ、一般の方、特に運用に携わる方は本当にご苦労様です。


大体、皆様よくご存知の通り、「利上げ」といっても短期金利(O/N及びロンバート)をどうするかという話でありまして純粋無垢にこれは日銀の専管事項な訳です。


一方、昨今の経済統計の客観的数字から見れば上げる必要がないのは一目瞭然。ところが権威がお好きで面子にこだわる「おしゃべり好きな総裁」と一部の審議委員が元来しゃべってはいけないタイミングでべらべらしゃべる・・・・


あたかも俺が決めるんだからね、という具合に・・・


それを真に受けてそっくりそのままヘッドラインで新聞が流す、という構図ですから新聞をみて反応する上司をもっている現場の人間はそれこそたまったもんじゃない。


更に、それに輪をかけて官邸まで介入してくるので訳がわからなくなります。


大筋をおいかけても・・・


昨年12月、一連の総裁発言、一部審議委員の無責任発言を元に利上げとのヘッドラインが走る


 本年になり財務省サイドの(冷静な)対応・・・客観的事実のみ述べる・・・により、現実的には利上げする水準に経済はない、という認識が広まる。


 しかし、先週週末にまたまた日銀サイドの一部審議委員発言に基づき利上げ決定、というヘッドラインが主要紙におどる。


これに反発した中川幹事長が拒否権発動をほのめかす。


更に尾身財務大臣というほんとうに変なオヤジが昨日になって利上げは容認する、と発言。


 しかし、夜になって、ロイター、共同が一斉に利上げ見送りと報道。


今日の朝刊・・・ご覧の通り。
朝日がいい例でつい2.3日前、利上げと報道した手前、「見送り」とは書けず、利上げへ最後の詰め、とヘッドラインを付け、政府にも容認論とサブタイトルをつけた。どっちにもころべる体制。


如何ですか、ここまでの流れをご覧になって・・・


だれかがべらべらしゃべるからどうでもいいことがこうやって取り上げられ混乱を引き起こす訳です。


私の知る限り、合格点は唯一大田大臣くらいでしょうか、しっかりされていますよね。サンプロで田原さんに何度も突っ込まれてましたが事実はこうですが・・・とにっこりしていたのはご立派でしょう。数字をみればあんたわかるでしょ?? そうですね。田原さんも当然確信犯ですから、失言を誘った訳ですが乗らなかった。


福井総裁、尾身大臣、中川幹事長、一部の審議委員プラス能力の低い報道機関。

一方、この影で財務省、日銀の現場レベルはできるだけ客観的事実をそろえ、あとは冷静にご判断を、と極めて地道な作業をしてきているわけです。それをサル山のさるがぐちゃぐちゃにしているという構図・・・・にしか私には見えません。


利上げをしたい日銀。それを阻止したい財務省プラス官邸 という構図があるとして・・・


財務省は数字を見てご判断をとダマテンを決めた。これは当然。


また、日銀も現場レベルは時期が来るまで(面子などにこだわらず)見送ればよいという判断が明らかに出ていた。


この判断を尊重し政治サイドは黙っている。


これで全てが終わった筈なのにみんなでかき回してしまった訳です。


もし官邸サイドが本気で阻止するなら日銀の面子を潰して物事が進む訳はありません。そのためには「沈黙」という無言のプレッシャーが必要でしょう。反対に皆様の言い訳アリバイづくりに利用されてしまい、報道機関までもがいっしょに踊ってしまったのが本当に無念でなりません。これじゃ、ワイドショーでしょう。


こうやって現場はいつも苦労させられるのです。
まずは日銀にきちんとしたスポークスマン(広報といっても良い)を置くべきです。
妙な予想記事をかけないようにきちんと情報をコントロールする。べらべら変なことをしゃべる審議委員は即刻首にする。中央銀行なんですからそのくらいのことは当然するべきなんです。情報管理というと聞こえは悪いかもしれませんが、きちんとした情報を整理してマーケットに出す、これこそ日銀の行っている「マーケットとの対話」の原点だ、ということを改めて考えて頂きたいと思います。 


ここ数日の一連の円安は今回の日銀の迷走に端を発しているということをはっきり申し上げておきましょう。「日銀発円安」、は笑えないでしょう、さすがに。

当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
尚、このレポートは情報提供を目的としており、投資の最終判断は投資家自身でなさるようお願い致します。

グッチーポストの有料コンテンツをお読み頂くにはご登録のお手続きが必要です。
既にお手続き済みの方はこちらからログインしてください。

お申込みについてはこちらをご参照ください。

4 comments on “利上げをめぐって・・・
  1. ペルドン より:
    利上げ・・・

    ですから、

    ぐっちーさんのお喋りが意味ある、闇夜に懐中電灯となりませんかね。提灯でしたけぇ?

    もっとも、

    喋らないという理由だけで、

    そんなに太田大臣を褒め称えるのは、ぐっちーさんの年増好みを露呈したのか、胡麻擂りなのかと分かりかねますが・・・はい

  2. とおりすがりですが より:
    Unknown

     で、誰が今回の騒動で責任を負うべきでしょう?

  3. ゴゲゲ丸 より:
    Unknown

    アホな大将、敵より恐い

    責任と言っても、マスコミも大衆も説明責任は求めても結果責任を求めないんですから、一緒です

    沈む船に乗ってる感がする今後10年と申し上げましょう

  4. 恩田川 鴨次郎 より:
    日銀とマスコミ

    何となくこのブログまで来た者です。

    日銀を含むお役人は権限を握って行使するのが使命です。故に、上げる必要のない環境でも、上げる上げると言うのが仕事です。言うことにより、マスコミも寄って来るし、将にお役人の晴れ舞台です。マスコミは日銀の専管事項である金利政策に悪代官の政府が口を出すのはけしからんという構図で決め打ちしはやし立てる。

    財務省は為替介入を2004年3月以降行なってないためにマスコミにも載らず、今、誰が財務官かを知る人は少ない。MR.円と呼ばれた榊原さんとはえらい違いです。

    今後も日銀の審議員はぽろぽろと観測球を上げ、マスコミもそれを取り上げるでしょう。私の予想では、8月の選挙まで上げられないと見てます。

    お役人の権限欲と自己保身の心理を考えれば、行動が読み易くなると思います。

コメントを残す

* が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。