2008/11/11 23:47 | サブプライム | コメント(16)
AIGは止まらない・・・・
マジで忙しいんですが、新聞、どこも書いてくれないし。テレビに期待するだけ無駄だしね?。えーい、書いちゃいましょう。 結構重要なことなので走り書きですがそのうち詳細を書きますのでいまは皆さんの想像力を使ってくださいね、超能力じゃあ、ありませんよ(笑)
さて、今何が重要か。
昨日のニューヨークの下げは注目です。
質的にはこれまでとはっきり異なったサインがでました。これまでも怒涛の下げも上げもあった訳です。
ダウ、SPを見ている限りはそうですね。ただひとつ、一番重要かつ注目の金融セクターでは…
連日さまざまなベイルアウトが発表され、もちろん今現在は、「GMこけたらみなこける」という環境ではあるものの、あの9月の公的資金注入やモルスタ、ゴールドマン普通銀行化発表後リバウンドしてからずーっと、上がらねばならぬのにじわじわ下がり続ける金融セクター。 なぜだ!? とお思いの方は多いはず。
昨日のSPはついに「その他金融」、「投資銀行」セクターが値下がり1,2位を独占。その中であのAIGのニュースですね。
日経の見出しはトップではなく、しかも
AIG資本注入4兆円
、ときた。
もおー、勉強しなさい! よく人の話を聞いてらっしゃい! 現代国語の入試なら零点だよ、君たち!! 大事なのは資本注入4兆円ではない。
私がデスクなら
AIG,政府融資枠850億ドル機能せず、追加対策迫られる、
となる。 その証拠に今回使われている資金の使途を見てみよう。
CDSの信用補完のために保有していた債券やその他の資産の買取のためにAIG50億ドル出資、政府300億ドル融資のCDOを組成。
さらにバランスシートに乗っかっているその他の債券(売れないで残っているんだからCDOの債券ということでしょう)の買取のために同じくAIG10億、政府225億のCDOを組成する。
CDO危機を救うCDO買取のために、CDOを作らざるを得ないという現実。そしてそもそもエクイティーに投入したAIGの資金そのものも公的資金であるよ・・・
細かい話だが当初の融資に対する金利もいつの間にか引き下げられている(払えないとみたのでしょうね・・・・)
政府当局の当初の発表どおり、これら、棄損したCDOが本当に売れる債券で、かつTARPで十分な量があるならCDOなんて作らずにフルエクイティーで政府が取りに行けばよい。わざわざクッションを作ってレバレッジを効かせている理由は現債権の回収に不安があることと、レバレッジを効かせなければ資金が足りない(あの、70兆円でAIGたった一社さえ救済できない可能性があるのだ!)事に尽きるわけ。
CDOで出た損失をCDOで救済するなど、ジョーク以外の何物でもないですね。
つまりこのやり方では、資金は足りないし、CDOを使う以外にないのです。「CDOの孫」を作り出してどうするのか・・・
この、AIG1社救えないテイタラクで本当にGMだ来たらそうなるか。もう考えたくもないですよね。 ですから、中途半端に資本注入したり、融資枠をつけてもだめですよ、と散々ここでも言ってきた訳ですが、処方箋は簡単で、すべてを明らかにする時間稼ぎのために、期間限定で全金融機関の決済を保証する、のが第一段階。
そして、とにかく全部、全部ですよ、一度政府の買取機構で買い取って、これは税金を使ったのだからしっかりディスクロさせて、ほとんどのCDOが実際にほとんどゼロバリューだという判定をし(中には多少の価値はあるでしょうが)、それを組成した会社別のランキングでも作ってそれぞれの販売責任を明確にした上で、さらに政府資金を投入する。
投入する是非を問うて神学論争をしている場合ではなく、投入するから投入する!ただし、海の深さを測らずに投入しても無駄ですよ、ということです。さもなくばいつまでたってもお互いの信用は回復しないのです。この状況でいくら資金を投入しても資金回収をしておしまい、になるのです。
ということで、今回のAIGの状況は、ここで政策を、それこそ「CHANGE」できるのか、最後の賭けになるかもしれませんね。 GM, 株価はゼロなんていまさら発表しても遅い。とっくにゼロですって。
結局、その他コスト、年金負担だとか、さまざまな組合コストなどをどれだけカットできるかにかかっているわけで、その意味ではこれはすでに政治マター。更なる介入が必要になっている訳ですね。こうなるとジョークです。
上場してはいけない企業を上場させたり(日本にもたくさんあります)、民間に任せてはいけないものを散々民間に任せると(社会保障や医療関連は間違いなくそうでしょう)ろくなことは無い訳ですが、一方で民間で完結できるものは完結しなければならない、という当たり前のテーマをオバマ大統領は考える必要があります。GMはその意味で試金石ということになりますね。
モラルハザードにならぬよう、ここはしっかり抑える必要があるのです。
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16 comments on “AIGは止まらない・・・・”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
今回は、どこのマスコミも事の重大さを正しく伝えていない事を確信しました。
この時代、ブログのほうが正しい情報が早い。実感を強くしました。ぐっちーさんだからですが・・・
これからもまだまだ乱世のようです。われわれ庶民の為に正しくお伝えください。
ありがとうございます。
億の値の単位はドルだと常識的にはわかるのだが読み易さのためにもドル、円の単位はほしいです。
日本人は税金投入というと、国民の血税とか言って猛反対しますが、アメリカは違うでしょうね。所得配分が全然違ってて、多国籍企業(ふるいですが)や一部大金持ちの金はとっくの昔に無国籍化しているので、血税にはならん。で国とまじめなアメリカ人と貧乏人だけがバカを見るというわけのわからん国です。
だってリーマンの幹部社員の何人がアメリカ人でかつ税金なんて納めてるかなんてわからんでしょ。でもこいつらのおかげで連邦政府は財政支出するのです。
なので、オバマさんが当選したのですが、こういった奴らのマネロンなり、租税回避をとりしまらんとアメリカの行く末はないでしょう。
というか彼らは既にアメリカを見捨てはじめているのかも知れませね。まさに今回の選挙結果がなんて思いたくもないですが。それは異性人の謀略だったなんてね。
止まらない
って、首相に教えてください。折角のお話だから。
ただ
アニメ
にしない・・・
オバマの一期目はブッシュの事後処理になるでしょう、しかしビジョンを掲げた上での事後処理でないと中途半端になります、オバマの演説から窺えるのは金融はウオール街だけを富まし経済全体に波及しない、その上インチキ商品で経済を滅茶苦茶にした、金融立国戦略は国の取る戦略ではない、物づくり国家の再生の戦略を取って行くと言うビジョンを掲げて事後処理を行って行く様に思います。
もちろん一国主義を捨て、国際協調主義で軍事費を減らして行く政策に変えて行くだろうと思います。
正直 アメリカが本当にやる気があるのか分かりません。多分アメリカは馬鹿じゃないから今どうするべきか分かっていると思います。では何故やらないのか?そもそも軍隊派遣してる場合ではない筈だし… 全力で取り組むとか言ってた割には中途半端だし… 年越せるのか心配な程です。 やる気が無いとすればそれはぐっちーさんが以前言っていたゲームオーバーに向かうしか無いのかもしれません。 ひとつ気になるのが 金やプラチナ等の貴金属の需要が高まり、資金が集まっている筈なのに、相場はあまり反応していないところです。買われている分だけ売られているという事なんでしょうが一体誰がそれだけの量を売っているのでしょうか? その辺も余裕があればご教授お願いします。
どうでしょうか?
オバマ新大統領はわかってそうですか?
ABCテレビでやっってマスタ。AIGの役員が豪華リゾートホテルで顧客や取引先相手のセミナーを実施、夜には高級レストランで豪華な宴会。役員に飛び込みマイクを向けるもノーコメント。もう日本の奥様番組並みの突っ込み、笑わせてもらいますた。
もうすでにモラルハザード飛び越して、モラルゼロー度になっていますから、残念。
感心する
これからもガンバッテくれ
たまにロムすると、株価が下がっているから、
元気一杯、書き捲くっている。
投資家の心理を、理解していない。
トヨタもGMのために今のハイブリッドシステムを
タダ同然で供与してやればと思うのですが・・。
少しでも敵に塩を送っておけば・・・。
このままならいずれUSから目の敵に 怖い怖い
日本人であれば一度は聞かれた事がある、
信用はお金では買えない
は、ある意味今の状況にこそ当てはまると考えています。
既に世界中にCDOを初めとする、金融商品の大多数に対する信用が毀損した以上、もはや清算以外の方法は無意味なのですね・・・・。
しかし、清算後に待っているのは金自体の価値=通貨に対する不信では無いかと考えています。
「もおー、勉強しなさい! よく人の話を聞いてらっしゃい!」の口調がオカマバーのママみたいで大好きです。こんなに勉強できるバーがあったら、毎日ママに説教されに通いたいです。お忙しいと思いますが、これからも書き込み楽しみにしています!
日経の見出しは、婉曲、マイルド、読んでもすっきりしないモヤモヤした表現、安心させたいというバイアス、たとえ誤解を招くリスクを犯してでもストレートな表現を避けたい。読むと不快な気分になる新聞記事でした。
ぐっちーさんの解説のほうが よほどわかりやすい!!
こんなところで書かれています。
自分には、本当のように思いますが、専門家ではないので…