2008/10/30 23:32 | サブプライム | コメント(10)
余計な御世話
半分は解散を先送りにする口実だろう、と思っていたのであまり本気にしていなかったのだけれど、政権およびその周辺におられる方が「いや、本気だよ。」とおっしゃるものでちょっと焦っている。
世界第二位の経済大国として金融危機を克服したい日本が果たすべき役割があり、知識と経験を伝えていく義務があると思う。
という例のやつだ。(正確な文章ではない)
今回日本が果たせる役割があるとしたら、アメリカ国債の増発の引き受け以外には残念ながらないだろう(笑)。
それ以外日本が伝える経験も知識もない。なぜか。こちらの読者は百も承知でしょうが念の為に整理しておきましょう。
1.規模があまりにも違いすぎる
日本は多めに見積もっても200兆円というところでした。しかし、アメリカは下手をすると証券化商品の損失だけでこのくらい。全体でどのくらいになるか予想不能な金額であることは明らかです。
2.世界中の国を巻き込んだこと。グローバリズム。
日本のバブルは完全な国内問題にすぎなかった。不良債権はすべて国内で発生し、幸運にもその処理もすべて国内で処理できる能力がありました。未だに国の借金である国債の購入がほぼすべて国内で「自給」できているのは奇跡的です。
それに比べるとこの金融危機以前にすでに借金の7割を海外に頼っていたアメリカはこれ以上の借金をどうすればできるのか。ある種、意味不明だ。
3.見えない敵と戦っている。
日本の不良債権は大多数が不動産。
ああ、このビルが、この土地が・・・・・・と嘆きつつも不良債権は目に見えた。なんでこんな土地にこれだけの価値をつけたのかと・・・
しかし、アメリカ、欧州が抱えた今回の不良債権はどこにあるのかすらわからない。相手があれば対策の打ちようもあるのだが、細切れになっていて相手が見えない。ということはじっとしていても日本のように元に戻るということはあり得ない。
シンガポール政府が買ってくれることはない。
アメリカはひたすらドルをすればいいので韓国やアイスランドのように為替で通貨安になってたちまち国が倒産するリスクはない。
しかし、アメリカの場合、そのしわ寄せは金利に来る。
アメリカで借金を賄えない以上ドルをすり続ければアメリカという国そのものの価値が下がっていくしかない。ドルの過剰が通貨安を招くなら、金利を上げざるを得ない。
つまり、アメリカ国債の価値下落。
このブログで最後の爆弾といっているものがこれですね。
別件
おどろいた!!。
GMAC。
GMのファイナンス部門。
もともとは車を売るための自動車ローン会社だ。これを銀行とみなして、銀行と同じように公的資金を注入することで救済、間接的に親会社のGMを救おうというすさまじいあら業だ。GMにやるならフォードに認めない訳にはいかないだろうが・・・・
ここまでモラルハザードを引き起こすとなると。現行の資本注入策そのものがレゾンデートルを失い、経済の自律的規律そのものを失うという、一番恐ろしいことがおきるかもしれない。
最終的にこれを統制するのは国家しかあり得ず、考えてみると効率化を求めて巨大化した資本が最終的には適正な市場による調整能力を失うプロセスで過剰に非効率化し、国家による統分配、統制に任される、というマルクスの予言ははからずも当たっている、ということになりますね。
1981年、フランスは金融機関を国有化していたのですね。
これまた、おどろいた!
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
10 comments on “余計な御世話”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
マルクスの予言が頭を霞めた今日この頃 資本主義が長生きしたおかげで忘却の彼方にいたマルクスがまさか自分の時代で予言に向かう日が来るとは思いませんでした… やはり人間が不完全な分 人間が作り上げたものはどうしても不完全なのでしょうね…
米に借金返す気があるとは思えない…
アメリカのマスコミ様ではなく、市民活動が楽しみです。
全米で暴動発生は序の口として、どうなっていくのでしょうか?
『正確な文章ではない』
こんなのを前置詞にされると、考え込むんだなぁ。
何しろ
時代を遡り、奴隷市場があった頃に行くとする。
美女達が来ると、
真っ先に駆けつけ、最前列で、ありとあらゆる所を吟味して、
おまけに
厳しく値切る、
奴隷商人泣かせのぐっちーさんだからさ。
冗談だろ、
またぐっちーは・・と
軽く流したが、
マジでありましたか、読み返すと。
反物質の世界が理論的には存在するとか、
あっちの方のJAPANに命じて欲しいな。
ラーメン屋の大将、
本気でぶっ放す積もりか・・・下々は怒るぜ!!
オバマのバックグラウンドはマルクス主義だそうですね。
彼の登場は時代の要請ということなのでしょうか。
アメリカが社会主義化を選ぶとしたら、世界秩序はどのように変容するのでしょうか。興味深いです。
> シンガポール政府が買ってくれることはない。
なぜここでシンガポール?
ぐっちーさん、いつも情報ありがとうございます。
ところで、もしアメリカ的な資本主義モデルがなくなったあとには、何が待ってるんでしょうねー。
世界の中国化?だとしたらひどい世の中になるんでしょうねー。「ひどい」というか「えぐい」世の中ー。
最悪の時期から見ると債券価格倍ぐらいになりましたね。
昔 ジャガーも 英国政府の元で
国有化されていた時期がありましたね
傍目から見ても GMとGEとUSスチールはアメリカそのものだと思いますけど。
見落としてましたがマルクスそのものとレーニン主義を混同してませんか?
マルクスが資本論で展開したのはフリードマンからセーフティネットを取り去ったような完全な焼肉定食を資本主義の本質だとして、恐慌が繰り返されるたびに弱い資本が強い資本に吸収されていき、最後は最強な資本が残りそれが(国民)国家の役割に取って代わりますよ、という究極のコングロマリット論です。なので会社主義と言ってもいいくらいです(笑)
今起きていることとマルクスのロードマップはそれほどズレてはないですが、生憎独禁法の壁があり永遠にユートピアはやってこないことになっています。