プロが語る世界情勢・政治・経済金融の最前線!

The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2007/03/26 09:37  | サブプライム |  コメント(3)

アメリカらしい処方箋


こちらで注目してきたサブプライムローンですが、友人が送ってくれたビデオでこのブログを丸写ししたような番組を見てびっくり! ちょっと不用意に書いた内容があったのですが、まあ、ブログだからいいや、と放置していたら、その内容までそっくりぱくってあって、ありゃりゃ、とびっくり、というか呆れた、という感じです。


前から申し上げておりますが、もちろんできるだけ正確を期してはいるものの、朝、本業が始まるほんの10分前とか、ちょっと空いた時間にばたばたと書き込んでいる訳ですから、間違った数字を書くかもしれませんし、不用意な内容もある訳です。


これでお金を頂いていたら一大事ですが、そうでもないので、速さに免じて許して頂いているというのが現状。どこかでぱくるのはご自由ですが、数字などは今一度確かめてからぱくられたほうがよろしいかと存じますよ(笑)。勝手にぱくらずにご一報いただければその辺の確認作業もやってあげてもよろしいですよ(爆)。


 さて、そのサブプライムを含めた住宅ローンの現状。極めてアメリカらしいソリューションが出てきました。クレジットに不安のある先に対しては日本ならとりあえずとれる担保をとりつつ「おいがし」をしていく訳ですがアメリカはさにあらず。ローンの中身が厳しいのでさすがに無理かな、と思っていたらとんでもない、先週はサブプライムローンのバルクセールが始まったという訳で、さすがですな。「おいがし」ならぬ「追いはぎ」であります。


買い手はベアスターンズやリーマンなどのモーゲージを得意とする一流どころ。簡単にいうと、中身を精査している時間が無いので、仮に延滞率15%のプールがあるとすると「えいやっ!!」とばかりに、「じゃ、30%引きならとってやる」とか、「40%引きでビットしてやる」とか金に困ってる奴に迫る訳です。いくらなんでも延滞率が急に倍にはなりませんし、対数の法則を利用して、地域などを分散させて買えばこういう資産は急にゼロになる可能性は低い訳です。


つまり、日本の不良債権を買い叩いた時と同じ手法が使われました。良し悪しは別としてこれでとりあえずの資金繰りが出来た会社が多数ありますな。


しかし、これを長期保有していたら本当に延滞率が倍になるかもしれません。さて、ではどうするのか?俗にいう「CDO」というポートフォリオにぶちこむのです。


CLOと呼ばれるローンだけを集めたポートフォリオの証券化商品がありまして(通常は格付けの低い企業向けのレバレッジドローンが対象)、日本にもそれこそ怒涛の如く入り込んできているのですが、恐らく知らないうちにこういうところにぶち込まれる筈です。


40%引きで買ってますからこれに20%くらい載せて80%くらいの単価でもぐりこまされますな。証券会社はウハウハです。今後出てくるCLOにモーゲージローンが入っていないかどうか、よーくチェックする必要があるでしょうね。心ある一流どころのコラテラルマネージャーは間違いなく拒否する筈ですが、証券会社系のCLOは「ゴミ箱状態」になって危険が一杯ということになりそうです。


アメリカの投資銀行がこういうCLOのような証券化商品を日本に売り込むため、結局めぐりめぐってこういうサブプライムローンのリスクが日本に回ってくる訳ですからよーく注意してなきゃいけません。この種のCLOを大量保有している金融機関が日本にも多数ありまして、皆様にも決して無縁ではございませんよ。


ローンポートフォリオ自体、ボンドに比べると極めて割高で、ローンというだけで飛びついている日本の金融機関が食い物にされている訳ですが、この中にサブプライムなどを入れられたらもう目もあてられませんぜ。いつもこうなる・・・とは言え、今回はちょっと警笛をならしておきたいと思います。注意しましょう。


最後に昨日の大相撲・・・・見ました??


本割で横綱がとんで、決定戦では白鵬がはたいて、って、あんたね?・・・


結局ルールを破ってる訳じゃないからいいじゃん、となる訳ですよ。確かにルール通りですからね。しかし潔くないじゃんか、というのが日本人の美学な訳です。


よーく考えてみると世の中にも同じような事が蔓延しているわけですね。
別に法律に触れてないんだからいいじゃん!! って奴。どっかの都知事とかどっかの松岡大臣とかが平気でのたまわっている訳ですよ。世の中全体がこういう雰囲気で「潔しとしない」という考え方がもはや成立しない。


安倍さんも本気で教育改革をするなら「潔しとしない」ということを貫くべく、まずは国会でみっともない答弁を繰り返す事をやめるべきですよ。昨日の相撲を見ていてつくづく考えさせられた訳です。


ではまた!


 

メルマガの申し込みにはご登録のお手続きが必要です。

当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。

3 comments on “アメリカらしい処方箋
  1. ペルドン より
    アメリカらしい・・・

    日本の美学とプラグマティズムとの落差ですね。

    「美しい日本」とは、選ばれた委員から拝察するに、絵画の世界だったのかと、悩んでいた解答を得られて納得出来ましたが。日本画では、何を描いても美しい日本になる。首相の絵空事だったのですね。

    どこかの知事は作家だったそうですが、

    所詮直径以上のアナは開けられなかった、今じゃ障子紙も破れないでしょうが、赤字の大穴は開けられる、湘南の坊や達はあんなにみみちぃかったのかな、といっても、小役人然とした方では如何にも夢ないし、都民としては辛いところでしょう。

    パクリのテレビ、日本の?

    まさか元スチュワーデスのじゃないでしょうねぇ・・・

    潔い・・良い言葉、倫理ですね。日本人はこれで身を正してきた、何しろ明治まで聖徳太子の憲法以外なかったから。

    『御用である』

    と十手者が叫べば、逃げていたスリやら泥棒もピタリと足を止めたという権威は何処に行ったのでしょうか??

  2. K より
    Unknown

    モンゴル人に「潔く」なんて、美学があるのでしょうか?国際化してしまった以上、仕方のない事です。

    安倍首相の答弁も国内だけですむなら、「潔く」で良いと思います。しかし国益を考えるなら、英国ブレア首相のようにみっともない答弁をすべきなのでしょう。

    柔道の篠原ように、国内でしか評価されません。

  3. PK より
    Unknown

    モンゴル人に潔くという美学はあります

コメントを書く

* が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。