2008/08/15 09:28 | サブプライム | コメント(28)
USA
アーバンに続いてダヴィンチも来るか!! とうわさされましたが、まあ、とびはしなかったものの、結局ファンドで抱えた不動産が売却できず苦しんでいるという状況に変わりはありませんでした。ファンドからの売却による成功報酬が無い為にキャッシュが入らず。超過資産で倒産したアーバンと同様の会社がこれからも増え続けるでしょう。
私は、昨年の3月にすでにこの種のビジネスモデル、すなわち本業で不動産をしていたり確実なスポンサーの資金を確保して運用しているファンド以外の、所謂CDOを利用した(どこかで聞きましたね!)ファンドの売買収益で儲けている会社はやばいですよ、と書いていますね。
不動産自体も流動性が落ちるので借金をして買うのはやめましょう(余裕のある人はいいんですよ)ということも書きました。
サブプライム問題はアメリカ発の問題で、アメリカのサブプライムローンを担保にしたドル建ての債券をいくらもっているか、大騒ぎしている場合ではなく、日本の不動産はほとんどがアメリカと全く同じこのCDOの仕組みでファイナンスしているので、国内の銀行やらファンド会社やらが続々と購入している不動産担保CDO債券の整理を急ぐべき、これも一年前に書きましたが、さてどうなっているでしょうか。
こうなるともはやCDOを解体しても売れず、アーバンのように資産超過のまま倒産することになります。きっかけはノンリコースローンを大量に供給していた外銀の撤退には違いありませんが、CDOの概念自体が崩壊した時点で今回のことは十分予想されました。
これらの話を一生懸命延々50分もしゃべって、「アメリカのサブプライム問題は大変ですよ」、という発言だけを残し、これらの肝心の部分を全てカットされてしまった某放送局のWBSですが、ビデオまだ消去してなかったら流してもいいですよ、一年前のだけどね(笑)。
ということでまだ来ます、これ。 きっかけはサブプライム損失による外銀の撤退、というのが衆目の一致するところですが、個人的にはどうも北朝鮮制裁と重なってみえて仕方がない。安倍政権誕生後、急に厳しくなったのですよ、その筋の融資が。表面的にはもちろん金融庁が締め上げる訳です。
その結果、パチンコ、ラブホテルといったそちらの筋のビジネスが大打撃を受けた。所謂「反社」問題ですね。ばんばん倒産し、融資も引き上げ。当然それらを支えていたノンバンクが今度はやられる。
彼らはCDOのエクイティー、メザニンなどを積極的にとっていた連中ですから、ファンドの組成スピードが落ちてきたところに、その上の融資をノンリコースでとっていた外銀が撤退してファンド組成そのものが不可能になった。
当然、これらのファンドのクローズ、すなわちCDO担保不動産の売却による成功報酬で荒稼ぎをしていた、アーバンなどがピンチになる・・・
というプロセスで、妙に繋がるんですよね。勿論不動産価格の下落に結びつく、例の耐震偽造問題に拘わる役所の不手際なんてのもあるんですが、どうもおまけに過ぎないような気がします。
いづれにせよ、国内で発行された何兆円というCDOがアメリカのサブプライム問題と同じ展開になることは確実です。セカンダリーでは全く取引不能ですし、ロールできなかった場合、デフォルト扱いになるものもありますので、その時点で更に市場を圧迫します。当局は、仕組み債はかなり注意してみているようですが、まさか不動産担保のCDOにAAが付いているからと言って安全な債券だなんて考えてないですよね(笑)。
ということで流動性のない債券ははやく償却しましょうね!!
変動利付国債はどうするのかって!? うーん、その話はまた・・・
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28 comments on “USA”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
レイコフ、ゼファーにつぎアーバンコーポレイション…訃報が相次ぎますね。
アーバンコーポレーションは勢いのある会社だっただけに、急死はショックですね。
…CDOの概念自体が崩壊した時点で
あ?あ、チームの誰もがやりたがらなかったCDO絡みの事務仕事を引き受けて苦労してきたのに。
その私の元にやってきたのは底意地の悪い後輩(←個人のグチ)とマーケット自体の崩壊ですか。
とっても切ない話ですねえ。
>これらの肝心の部分を全てカットされてしまった某放送局のWBSですが
なんだ、そんな事があったんですか。
いっそその辺のデジカメ使って語りまくっている所を撮影、そしてそれをYouTubeあたりで配信!とかいうのも・・・・ってBlogで十分か・・。
ちなみに散々と「日経はアホ」言われとりますが、昨今は毎日新聞も「変態新聞」言われてて結構スゴイようですよ?
毎日さんによると、「ポケモン=だんせいき」だそーです。(w
ここの良さは、
エイズ対策で無償で配給される避妊具・・の役割を果たしている・・
この例えがマズければ、
鼻の先、明日の世界に突き込んで、危険な匂いを嗅いでいる、アバンチュールの世界、
としても
変動利子付国債等のぐっちーコメントは、
お腹が大きくなった愛人に詰め寄られた時の逃げ足の早さを感じさせるものであります。
念のため、CDOとCMBSの違いわかっています?日本にはCREのCDOってほとんどないんですよ。専門家の失笑を買っていますので、バカ丸出しの記事に見えますので、修正されては。
笑い者と言ってるあなたが笑い者
>まさか不動産担保のCDOにAAが付いているから
今回のサブプライム・ローンをはじめとするCDOの高格付けによって、ミスリードさせられた投資家は多い。もともとこうした仕組債の格付フィーは、プレンバニラに比べ高く設定されていることが多く、格付機関の判断を甘くさせていないか。
それとも仕組業者である投資銀行が格付機関に十分ディスクロージャーせずに、格付けさせた結果なのか定かではないが、格付機関もリーリースの最後につけるディスクレイマーだけで本当に間違った格付けの免責になると思っているのか、誰か訴訟を起こしてやりあわないとわからない。
こうしたことから、やはり市場原理にばかり委ねていては、必ずしもうまくいかないことが明らかになってきたのではないか。要は情報操作により市場をいかようにもなることが段々わかってきたような気がする。
「CRE CMBS CDO」でググッたら、こんな本が引っかかりました。
【さくっと読めてしっかりわかる「不動産証券化」(著者:永野良佑)】
以下、その書籍より抜粋。
「・・・既に述べた通りですが、欧米で「CREのCDO」と呼ばれている商品も、日本ではCMBSと分類されることが多いようです。」
以上、ご参考まで。
WBSでは、アーバンが韓国のコカコーラ社の土地を買って、今後もビジネスは伸びていくなんて放送してましたよ。ここでサブプライムの事を知っていたので、バカじゃないかなと思ってました。そしてWBSも信用できないことがわかりました。
今回のダヴィンチの決算についてなのですが、不動産市況の悪さが分りました。その反面、市況が悪くても、その損分を持ち合い比率に直せばマネージメントフィーで黒字に持っていける(倒産はしない)というものだったように思えるのですが違うのでしょうか?→経常赤で純益黒の部分で、言い換えれば仮にCDOによるノンリコがとんでも、本体はとばないってことかと。
そのような認識であったため、ぐっちーさんの「まあ、とびはしなかったものの」という書き方に驚いています。次期ファンドの組成には少し困っているようですがまだ時間がありますし、現在のファンドには昨年までで利が乗っているように見えます。決算書をみて、本体の財務状況も良く、とぶことはないなって思ったもので、間違っていたら識者の方、ご教授ください。(文章の流れでいうと、財務面というよりは、金融庁との仲が悪そうってことなら、あぁ、そうかなんですけど(笑))
「超過資産で倒産」とか「資産超過」って・・・WWW
アタマ大丈夫?
市場経済は人間に優しい
情報操作で積極的に市場を操るのが、アングロサクソン流の市場経済ですね。
情報公開で成り行きに任せるのが、そうであってほしい日本型の市場経済ですね。
市場経済はテキストの形成が重要です。
その前に、マルクス系が指導層から居なくならないと市場そのものが否定されますが。
日本の市場経済は流通経済・販路経済です。市場に見えるのは、販路や流通が錯綜しているだけのこと。
流動性のないものに投資するなら、現金で持っていたほうがよっぽどましだ。
何も不動産や債券に限ったことではない。
考えてみたら、昔はみんな箪笥に隠して持っていたんだから、けっこうその方が安全だったりして、、、
韓国・台湾などはパチンコ自体を禁止したが、大きく普及する前だったので影響が少なかったのかね?
借金させてパチンコをさせるというビジネスモデルは無理があり、早晩破綻したでしょう。
それより、従来のパチンコ顧客がFX取引などに移っているのではないかと、個人的には思っているのだけど。消費者金融からレバレッジに移行したと。
リサ・パートナーズの公募増資中止。
いよいよ不動産流動化ビジネスに個人もソッポを
向き、証券会社の巧みなセールストークにのって
来なくなったようですね。
>個人的にはどうも北朝鮮制裁と重なってみえて仕方がない。安倍政権誕生後、急に厳しくなったのですよ、その筋の融資が。表面的にはもちろん金融庁が締め上げる訳です。
その結果、パチンコ、ラブホテルといったそちらの筋のビジネスが大打撃を受けた。所謂「反社」問題ですね。ばんばん倒産し、融資も引き上げ。当然それらを支えていたノンバンクが今度はやられる。
グッチーさんの上記意見に賛成です。
今日本では、朝鮮資本がものすごい勢いで駆逐されています。
朝鮮系の毎日新聞も2chで猛攻撃されています。
破廉恥記事も何故このタイミングでもれたの?
陰謀論になりますが、何か大きな力を
感じます。
この調子でいくと、借金まみれの朝鮮系のソフトバンクもまずくなりますかね?
専門家気取りだがプロからすれば素人丸出しの記事で恥ずかし過ぎます。
専門家気取りだがプロからすれば素人丸出しの記事で恥ずかし過ぎます。
不動産+ファイナンスを仕事にしているものです。いつも興味深く拝見しております。
CMBSとCRE CDOについて指摘している方がいますが、日本でCRE CDOが組成されていないのは事実です(ちょっと前まで私がやりたいと思っていました)。
ただ、本質的な問題はぐっちーさんの指摘されている通りと感じます。
証券化市場が機能停止して買い手が極端に減る中、ローンの期間満了で大量の不動産が売りに出されて買い手が付かず、それを観てファイナンスする側も更に慎重になる、という悪循環。
ただし、日本ではSIVのような極端にレバレッジをかけて証券化商品に投資するスキームはなかったので、その意味で欧米より傷は浅く済むと思うのですが。。
ぐっち?さんって、隅田さんを髣髴させるねぇ。
不動産担保CDOで何兆円ということは、CMBSの事を指していらっしゃるのですね。
最近証券化前NRLや、TMKボンドがファンドに売り物として既に出されておりますが、今のところは額面の7割以上で取引されておりますね。
既に幾つかデフォルトも散見されてはおりますが、今後も続くことは間違いないでしょう。
リファイナンスが続かないという意味では、無秩序に貸し出がなされた、昨年前半あたりの多くのローンが満期を迎える再来年以降においても厳しい状況が続くのではないでしょうか。
それまでにレンディングが復活したとして、以前の基準で融資を行うことは不可能でしょう。
リファイナンスできないローンは数年間に渡って発生すると思われます。
投資家様はポートの中身を今一度確認されるべきかと思います。土地へのブリッジローンなんかが入っておりましたらまあ諦めましょう。ただ日本の不動産は4割なら処分できる(はず)なので、日本の投資家は殆ど1次MBSからしてある程度は元本は間違えなく還ってきます。
土地や地方物件、レジものローンを抱えているファンドは将来暗いでしょうね。
アーバンの新株予約権付社債とスワップ取引の隠蔽について、
お時間ありましたら記事にしていただけるとありがたいです。
今日のバロンズの記事より。
The Endgame Nears For Fannie and Freddie
ttp://online.barrons.com/article/SB121884860106946277.html?mod=b_hpp_9_0002_b_this_weeks_magazine_home_right
どうも,新興不動産業界ツブシの動きの
ような気がしていたいのですが
やはりつながってましたか。
ところで
記事に書かれているCDOとは
REITといっているもののことでしょうか?
USA、このタイトルの意味に気づいた人はどの位いるのでしょうね。Uはアーバン、Aはアセットマネージャーズでしょう。ただ、Sは分かりません。ぐっちーさんは答えられないでしょうから誰か教えてください。
・アーバンが逝ってしまったのはやや特殊事情もありますね。以下ご参照下さい。
・色々な意味でパリバのような金融機関とはビジネスしたくないです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080818-00000001-dol-bus_all
アーバンは7月に財務基盤を強化するためにフランスのBNPパリバに対して300億円の転換社債型新株予約権付き社債を発行し、資金調達に成功したとしていた。
だが実際には、アーバンにとって不利なスワップ契約を抱き合わせで締結しており、相殺すると300億円のうち約90億円しか資金調達できていなかった。さらにスワップ契約によって最終的に58億円の営業外損失まで発生しているのだから、あきれた話だ。
新興企業の倒産が続きますね。
不況に入ってきた日本では不動産関連は厳しいといわざるを得ない。
今度の不動産祭りはいつになることやら・・・。
私の実家マンションの前にアーバンの高層マンションがずらりと建ってるのですがまったく売れてないっぽいですね。前々から過剰な建設ラッシュでは?と思っていました。
ちなみに広島市の宇品です。今あそこは凄いです。
まるで別世界になってしまった。
ぐっちーさんのおかげで日々勉強させて頂いております。
個人投資家にとって、このような有益な情報が無料なんて「感謝、感謝」であります。
タイトルの「USA」ですが座布団10枚です。
USA、アメリカとかけて何と説くその心は…
http://www.data-max.co.jp/2008/08/post_2217.html