2010/04/13 10:38 | マーケット | コメント(8)
ユーロはすでに、「ナニワ金融道」だ
まあ、300億ユーロという金額も微妙ですが、びっくりしたのはその条件。
救済というより後ろから押している、って感じですね(笑)
http://www.reuters.com/article/idUSLDE63A0I720100411
見て頂ければわかりますが、なんじゃこりゃ!?
の内容です。
金額はまあ、おいておきましょう。7月までに必要な国債によるファイナンス(日本と異なりギリシア国内に応札余力がないのですべて海外に頼ることになる)がおよそ300億ユーロとみられていますので、国債発行必要額はカバーされていると考えているのでしょう。
しかし、メルマガで取り上げたようにキャピタルフライトが起き始めたギリシアにとってはこれでは足りないかもしれない。
そしてなんといっても凄いのはここ。
For the euro zone, variable rate loans would be made on the basis of three-month EURIBOR rates, while fixed-rate loans will be based upon the rates corresponding to EURIBOR swap rates for the relevant maturities.
On top of that, there will be a charge of 300 basis points. An additional 100 basis points will be charged for loans longer than three years. In conformity with IMF charges, a one-time service fee of maximum 50 basis points will be charged to cover operational costs.
The statement said that for a three-year loan to Greece as of April 9, the interest would be “around five percent.”
えー、条件をバリアブルレートでユーロスワップを基準に決めるというのはまあ普通。
しかし、そのスプレッドはプラス300BP、更にタームローンはそれに100BPをたした400BP、3年だと約5%になると書いてある・・・・
債務返済に困ったおっさんが高金利のサラ金に駆け込んだらどうなるか・・・
単なる多重債務者への道じゃないですか!
ユーロの言い分は
「それでもマーケットより安い」
ということなんでしょうが、これじゃ、救済にも何もならず、沈んでいくやつに漬物石をのっけてるようなもんでしょ(笑)。
アジア通貨危機(1998年)、リーマンショックの時、アジア通貨(特に韓国ウオン)が売られたときに日銀が何をやったか・・・・
ただで日本国債を貸しました。(担保に使える)
ほぼ無制限で日銀とのスワップラインを保障しました。
金利は円金利ベース。つまりほとんどただ。
これを救済というのです。
そして、いつでもお好きな時に使ってくださいね、と。
ここまで言われれば通貨危機もある程度は安定する訳です。それでもウォンは暴落し
そのおかげで日本人が韓国に怒涛の買い物ツアーが出かけているのはみなさんご存知の通り。
でも韓国経済は元気を取り戻したでしょ?
更にそのあとの
How to get it
を見るとまず、ギリシアが助けくれ、と先に言うこと。その時にユーロの連中がアセスメントをして認めれば(!)救済資金を出すという。
通常助けてくれ〜、と手を挙げた時点でキャピタルフライトは加速するので、そんな悠長なことを言っていたら間に合わない。
ですから先ほどの韓国の例のように、いつでも使っていいよ、という日銀方式じゃないと救済にも何もならんぜよ、というのが筋なのです。
日銀は意外にやるって??
あたりまえです。
ということで・・・・
ギリシアは資金に行き詰ってサラ金にかけこんだおねーちゃん状態で、あとは○○○に沈まされるだけ。
ユーロは遂に
ナニワ金融道の世界に入ってしまいました。
今後ユーロにどうしても投資しなきゃならん、というかたは、SPA! で新連載のナニワ金融道のご一読をお勧めします!
その他にこれをかかえるユーロそのものに対するプレッシャーなどの議論(つまりこれでドイツ国債そのものが売られたらどうするつもりなのか、という話)をしなければなりませんが、そちらはまたメルマガなどで取り上げてみたいと思います、はい。
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8 comments on “ユーロはすでに、「ナニワ金融道」だ”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
ハシシを回し飲んでいる・・
と、ぐっちーさんは唱える・・
すぐに
ハシシでは済まなくなるかも知れない・・
ブリテンは・・
ドルイドは・・
こんな場合・・人を生贄にした・・
選ばれたドルイド僧で・・ドルイド僧は高位の出だった・・
そし出来るだけ・・いたぶって・・神の身元に送り込んだ・・
その故事から鑑みると・・
今のブリテンでは
該当者は一人しかいない・・・
昔は日本も余裕がありましたネ。アジア通貨危機の時は日本もバブル崩壊で大手の証券会社や金融機関がバタバタと倒れていた時です。それでも隣国の救済に動ける余裕があったが、今ではそんな事をしようとしたら、国民から他国の心配より先ず自国民のことをしっかり面倒を見ろと突っ込まれるでしょうね。
ところで、韓国の一般国民はこのことをしっかりと心に刻んでくれているのでしょうか? 別に恩を売るわけではありませんが、戦前に植民地化しさんざん搾取していたので当然だと思っているのではありませんかね。某国のように最大のODA援助を受けながら、その国民がまったくその事を知らないどころか、その国の政府が極力その事を隠しているのではないでしょうか。
ちょっと寂しいことですね。
ギリシアが火事で、他のユーロ軒に延焼するイメージだったんですが、護送船団の一隻が座礁してどうにも修理できないので、未練がないように漬物石を投げ込んで沈めてしまって、後で乗組員をピックアップして救済しようと言う話になっているのでしょうか? 溺れて困っているのがおねーちゃんなら助けてもらえるかもしれませんね。でもおっさんだと助けて貰えないないんですね。よく分かります。で、結局ギリシアはどっちなんでしょうか?
職を失って金に困っているおっさんほど無価値な存在はありません。ねーちゃんは自分自身が担保になりますから、おっさんより資産価値は上ですね。いや、おかしいだろう。もっとおっさんの「潜在労働力」を評価してくれよって、これニートの「俺はやればできる」と同じで社会に全くアテにされてないんですよね。悲しすぎる。
ウォン安でサムスン電子とかLG電子が、日本の電機メーカーを尻目に半導体や液晶テレビなどのシェアを伸ばし、相当の利益を上げているとか。これって、日銀が日本製造業の足を引っ張っていることになるのかな?
もしそうだとすると、日本て何と気前の良いお人好しということになるが・・・。
ぐっちーさん教えて下さい。
ギリシャは財政再建の道筋を立てたのでしょうか、公務員給料も行政サービスも社会福祉も大幅にカットすればいいんでしょうが、それに慣れるまで自業自得とは言え大変でしょうね、返せない借金なんかしていたら最後はこういう目に遭うんですよ、日本も他山の石と肝に銘じて頂きたいものです。
民主党は早く公務員給与改革に手を付けないと支持率は落ちる一方でしょうね、名古屋市長の河村さんは市議会議員の定数と年収を半減さそうとしている、民主党もこれぐらい遣らないと国民に信じて貰えないかもしれません。
上に書き込みされた方の、韓国の反応で思い出しました。
日経朝刊連載小説「韃靼の馬」、ぐっちーさんがここのところ前面に押し出しておられる「ニッポン人すべてに自身の商品力として備わっているもの」と時折妙に深くつながるのは、ひょっとして結託しておられるのでしょうか(笑)。
’70年代に海外で販路を開拓した商社マンのキラーコンテンツも同じだったのではないかと夢想しています。
ユーロとは全然関係ないですね。失礼しました。
メルマガをクレジットカード以外の決済、WebMoneyとか使えるようにしてくれんかのー。
もちろん WMZ (WebMoney.ru) ですよね、わかります。