2011/05/16 10:31 | マーケット | コメント(37)
東京電力救済スキームは「泥棒に追い銭」だーII
浅草のホッピー通り、ほとんどのアルバイトが中国人や韓国人。オーナーも随分いるそうだ。ロスのリトルトーキョーみたいなもんでこりゃ、びっくりしました。
結果についてはSPA!5月24日号でぜひどうぞ!! 抱腹絶倒の一日でありました。
ぐっちー、あまりにもしょぼすぎる・・・・
さて、東京電力についてたくさんの書き込みやご意見を頂きました。ごもっとも・・・なものもたくさんありますが、ここははっきりしておかねばならないことがいくつかありますのでそれをまず明確にしましょう。
こちらの読者の方にも株主の方が多くおられるので心ぐるしいのですが、残念ながら株式会社である以上、補償金の支払い、及びその他設備投資に関して資金が足りなくなれば即刻倒産する訳で、その場合株式はゼロになります。
これは株式会社、というか資本主義のシステムの問題で、これが途中で崩れるとなるとじゃ、なぜJALは紙切れで東電は違うのか、という話をしなければならない。
恐らく政府が救済するであろう・・・という予測に基づいて株式購入をした人もたくさんいるでしょうが、それ自体が間違った予測、ということになります。
前にも書きましたが、アメリカの公的年金で日本株をかなり投資をしているところでさえ、東電をはじめとする日本の電力株についてはこの原子力問題があまりにも不透明、ということで投資を見送っている所が多数あるくらいで、この点は「想定外」とは言えません。
従ってまず、株式価値をゼロにすることがスタートでこれはGMでもどこでもそうなる訳です。(新会社の株式にある程度交換させて将来に期待をもたせると言う事はあり得ますが、それも全体のスキーム次第です)
2.銀行の融資
特に緊急的に融資した銀行の融資を一律債権放棄させるのはおかしい、というご意見を頂きました。私に言わせると何がおかしいのか?
また、金融機関は金融危機の時に株主価値を棄損させずに公的資金が入ったのになぜ、東電はだめなのか? というご質問もありました。
金融機関についても当時賛否両論あった訳ですが、日本の大手金融機関が破綻した場合その影響は世界中に及びます。おそらくニューヨーク、ロンドンはおろか、世界中の資本市場がマヒするかもしれない。
また、日本の輸出企業の輸出業務にも膨大な支障が出る訳です(日本の銀行のLCなぞだれも受けなくなりますね)。
したがって残念ながら大手金融機関は常に
too big too fail 的な議論が出てくることになります。
しかし、その中でもリーマンやベアは株主資本ごと破綻させることになりました。
一方東京電力は別に潰れても困る人は世界中に誰もいません。東京電力の電力を使っている人も、一時的に電力運営新会社を作って電力供給を続け、別に旧東電の資産管理整理会社を作る・・・たとえば国鉄方式・・・などが考えられますので、実際のオペレーションも問題はありません。国鉄清算事業団を作ったときも鉄道は止まりませんでしたよね。
つまり東京電力が潰れてもその被害は極めて限定的です。なのにそこに公的資金を入れてまして銀行融資も棄損がない、というのは論外です。しかも東京電力は極めて地域限定的な会社ですから、税金投入はもしかするとJALよりロジックがないかもしれない。
銀行融資の判断はあくまで個々の銀行によるべきで、東電はどうせ政府が救済するだろう、という考え方で融資を実行したとしたらそれは金融機関の責任、ということにしかなりません。日本航空の場合とまったく同じです。
その意味ではやはり一度きちんと倒産させて、中身をきちんと国民の前で吟味するべきでしょう。そのうえで税金投入を議論するべきだというのが大原則です。
3.社債
東電だけでおよそ5兆円の社債があります。法律上はこの償還は賠償金などより上位に来るものであり、これを曲げてはいけないというご指摘もありました。
法律的にはその通りです。ただし電力債は日本人しか持っていない。しかもほぼ金融機関に限定され、東電全部あわせてもせいぜい5兆円程度な訳です。
これだけの問題を起こしている訳ですからそれを法律上の問題だけで処理していいのかどうか、株式と違ってこちらには議論の余地があるというのが私の考え方です。
日本航空に対する融資について当時複数の金融機関が金融庁検査で「反社会的勢力」に対する融資ではないか、と指摘されたことがありました。
何が反社会的なのか、よくわからないのですが、金融庁によると「安全運航ルールをきちんと守らない会社は反社会的勢力」という判断だったとのことです。
この点からすると東京電力は完全な反社会的勢力になりますね。安全を守らなかっただけではなく、事故後も情報開示をせず、しかもうそのデータまで流していたことが明確になってきた。国民の健康と安全を脅かす完璧な「反社会的勢力」であり、むしろ国にはこういう企業を制裁的に取りつぶす権限すらあるのかもしれません。
したがってこの会社の社債についても別な側面からの取り扱いをすることも十分妥当だと思われます。
こうした一連のファイナンスが過去の経緯からして、絶対に政府救済があるという考え方が積み上がった結果だと言う事は明らかで、民間会社はそうではない、まして反社会的勢力である・・・と言う事をロジックとして貫いて、それでも足りなければ税金投入というのがやはり筋だと思います。
実際そういう観点から東京電力に対する融資を見送ってきた日本の金融機関も多くはありませんが事実あるのです。
貸し手として万が一の時に株主に対して責任がとれない、と考えて株式投資も融資も社債の保有も見送ってきた金融機関がある。
そういう判断ができた訳ですから、そうではなかった場合の結果については結果責任を問う、というのが資本主義の大原則でしょう。
その意味では東京電力だけではなく他の電力会社の株式、債券も同じ話であり、これらに対する投資見直しは急務だと私は考えますし政府の対応もそういった視点からクリアーにすることが大切だと思う訳です。
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37 comments on “東京電力救済スキームは「泥棒に追い銭」だーII”
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今日の予算委で、自民党の塩崎さんにその辺のことを激しくつっこまれてましたね。『東電のリストラは十分と思うか。株主の責任を問うのも筋じゃないか。債権カットはしないのか。』など。
例によって答える側の答弁は回答になってませんでしたが、『優先株を入れることになるので既存の株の価値が希釈する。配当も出ないだろう。』(私の印象記憶なので正確なところはプレスで確認を)など、これは東電株を持っている利害関係者が政府内にいると勘ぐられても仕方がない。
ただ予算委で明確になったことは、やっぱり「賠償金より社債のほうが償還順位が法的に高い」点で、これをクリアできるウルトラCなり、コンプライアンスなりが必要でしょう。今なら総理大臣が「自主的に判断してもらいたい」と債権者に「お願い」すれば法的に拘束力がなくても通るでしょうが、これはあんまりやるべきじゃない。まあ『賠償金として総額○○円用意しましたが、社債のほうが優先順位が上なので、「請求されたら」その分金額が減るので、誰がいくら請求したのかオープンにして国民に公開する」とかすればそうそう請求できるものではないでしょうが。債権者には申し訳ありませんが、権利を行使しない、権利を放棄するというのは現行法でも根拠があります。
私は面倒だし、専門知識があるわけでもないので、2つに分けてうまくいかないなら3つに分けて、インフラと、賠償と、債権を担う新会社をつくればいいじゃんと思うのですが、おそらく大変な暴論なのでしょう。債権の新会社をペーパーにするなんて、なんておそろしい…。
銀行が債権放棄ばかりで大丈夫かと思いましたがグッチーさんが書いてくださってある意味銀行の自己責任なんだなと判ったように思います。
とても真面目に解説有難うございます。
東電も心配ですがむしろ原発の方が心配です。
それからアメリカのプライム層の状況、遅いですが最近よくない話も聞くようになりました。
社債への解釈が・・
最高裁まで・・上がるか・・??
ぐっちーさんの解釈・・
理があるし・・納得・・
この世は・・法理だけではありません・・
最高裁判事は・・
二の腕に・・刺青・・怖いのであります・・・
ユーチューブで見たんですが、天災で生じた原発事故の賠償金は政府が払うことに電源三法でなっていると、日本はアメリカ型の資本主義経済は嫌いで、中国型の共産主義経済も嫌いで、中道である社会民主主義経済を模索しているのがよく分る、その考えには賛成するが、社会を一番大切なものにしようと考える社会民主主義の神髄は社会の公正公平なんだから、これを逸脱すればお仕舞いだ、原発を続けるのであれば電力事業は国有化して、jalのように徹底的に効率化し世界一安い電気料金にして、国際競争力を付けるぐらい遣ってもらわないと、とても納得できませんね。
原発事故については法律で免責事項(一定額以上の損害補償義務を免責するという)があるというのを聞いていますが、東電は開き直ると(追いつめると)、その免責事項を持ち出して裁判が可能なのではないでしょうか。たやすく倒産前提のスキームはそこらへんを確認しなしといけないのではないでしょうか。
メインなトピックとは関係ないですが、リトルトーキョーはもう既にリトル釜山になりつつあります。まだ色々残ってはいますが、メインだったミツワマーケットプレイス(旧ヤオハン)は既に韓国マーケットに・・・。
浅草ホッピー通りのアルバイトのほとんどが中国の方や韓国の方とはどちらの意味で捉えてよいのでしょうか?
リトル上海、リトルソウルが日本にできつつ有る
or
日本がLAのリトルトーキョーの様に力をなくして食べられつつ有る
株主責任は当たり前。
そして債券放棄ですが、あまり銀行に同情する気にもなれません。
なんせ絶対潰れないし、やばくなったら国民が救ってくれる、という恐ろしく美味しいポジションにいるのが銀行です。
その対価として、社会インフラを支える義務を負わされても、それほどおかしくない話だと思います。
じゃないと、あまりにも他の企業と比べて不公平でしょう…
銀行がヘマしたら国民が血を流して救うんだから、国民が血を流したら銀行も血を流せ!…って考えは変ですかねぇ。。。
ただ、仮にそうなったとしても、まずは「株主責任」のほうが重要です。
株主守って債券放棄、というのはおかしすぎる。
検討段階でそういう話がでるならまだしも、国民の前で堂々と話しちゃうあたりが、この政府どうかしてるぜ!
日本も法治国家であるからには、法律に基づいて動かなければならない。被災者への補償も哀れだからやるわけではない。民法709条や、原子力損害賠償法に基づく損害賠償請求権があるからやるのです。東電株式については、紙切れ。当然です。株ですから。しかし電力債は債権ですから、優先順位の違いはあるにせよ、損害賠償債権と並んで配当受けるべきです。カット率も損害賠償債権と同じでいいと思われます。
宮沢内閣不信任には「大義があった」と岡田氏(産経)
民主党も随分身勝手、手前ミソな政党ですね。菅内閣の不信任には大義がないというのか?それはどう贔屓目に見てもおかしいでしょ。
ぐっちーさんが、国会議員として、飯を食う、もとい、発言の機会を増やすことになりそうですね、マジで…。
ジョンレノンの最後にならないように気をつけて下さい。
やったのは、CIAの雇われ、操り人形ですよね。
住友銀行名古屋支店長をやった(殺した)鉄砲玉。
オウムのアレ(出てこん、名前が)をやった奴も鉄砲玉。
痴情のもつれを装って、やられんといて下さいね…(笑)
ぐっちーさんのおっしゃるように株主に責任を取らせるというのはよくわかります。
ただ、そうなると社債はおそらくデフォルトですよね?
過去にあったマイカルや新興不動産などの比ではない規模の。
日本最大の社債発行体のデフォルトの影響は計り知れません。
これと資本主義のルールとの天秤だと思うのですが、結論として現行案は相対的にはましかなと思います。
影響の回避はもちろん、より大きいのは東電社員のプライドです。
ここで上場廃止にしたら、誰が命を縮めて作業に携わるのか。
まともな企業であることの心理的な支えは大きいと思います。
加えて、ルールというのはいざとなればどこの国でも都合主義ですよね?
金融危機に見る欧米の行動(会計処理や空売り禁止)などなど。
福島原発は最初の報道から変でした。
明らかにとんでもない事態になっているのは
素人にもわかりましたよね。
汚染水にメルトダウン、汚染物質の飛散・・
マスコミ報道、政府の発表、安全保安院、東電、適当な会見、発表の連続で・・・
このやり方って私は戦前生まれではないですが日本軍の大本営発表なんて言う昔のニュース映像で見たやつと同じじゃないっすかね?
小さく発表して国民を馴らしてからやっぱり
大変でしたと・・・
まあ、国民は搾取対象くらいにしか思っていない国家公務員キャリア国家の支配下ならしょうがないのかなとか思ったりして・・・
ますますマスコミ発表は信じられないので
自分で探して考えるしかないですかね。。
東電の救済話、まず資産全部売却すれば。。
尾瀬だけだって相当の価値有るんじゃないですかね?国定公園は無理??
原発でコスト浮かせて儲けたものは全部出してもらって・・・
文章まとまらず申し訳ないです・・
なぜ国債に対してスプレッドがあるのかという話にもなりますからね。
わずか0.15%でもスプレッドがあるということはそれだけリスクがあるという意味でもあったと思います。
原子力云々については、災害賠償の限度規定があった筈。その上、常に政府の委員会が厳重な査定の元に、原子力を許可してきた筈。
だから、悪いのはルール無視の政府です。むしろ、株主利益を損なう総理要請(命令)を出した政府に対して、東電への過大賠償を不許可とする仮執行処分を出すべき。
当然、全ての株主に対して、政府は株価下落の補償をする義務がある。
ってのは、ダメなんでしょうね。ぢゃ、営利企業である全ての電力会社は、リスクを考えて即日原子力発電所を停止しないとイケナイ。供給責任の法律的賠償レベルを勘案して、利益がリスクを上回るなら、本当に即日停止する義務が民間電力会社にはあると思います。停電により企業が50%が潰れようが潰れまいが、電力会社自身の利益が、民間営利企業として最大目的なんだから当然です。
国営化のままだと非効率だし、民営化すると利益追求義務があるし、結局どっちがbetterなのか良く分からねーです(TT)
>本当に大丈夫だと思うならすべての政治家の子供を今すぐ福島に移住させてみ
て欲しい。
勝手に引用してスイマセン。ダメならブログUPしないで下さい。
でも、これは絶対に違います。本当に大丈夫と思うなら、官僚と大手マスコミと米国&中国外交官の、子供・孫を福島移住です(韓国もと言いたいけど、実質的影響力無いので無視)。
マスコミが、首相の漢字の読み間違いについては毎日報道する癖に、メルトダウン・放射能漏れについては詳細報道をしないことに対して、激怒しない国民性が諸悪の根源とも思いますが。
昔の朝日云々から変わらない話です。大多数の国民の意思だし、民主主義なんだからショーガナイ。
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
賠償問題そのものに矛盾があるのではないでしょうか?
過失割合から言えば国のほうが大きいと思います。
原子力発電所を作るには原子力安全・保安院の
認可が必要でその基準を作るのも保安院です。
福島ができた時はもっと古い組織ですが・・。
安全の基準を作るのは東電ではないのです。
その基準が間違っている、あるいは想定外の事態が
起こった場合責任が重いのはその基準を作ったものであり
使用者ではないのではないでしょうか?
一企業として国が定める安全基準をきちっと守って
運営していての事故においてすべて責任をとらされる
のは理不尽ではないでしょうか?しかも
設計したのはアメリカのGEであり施工したのは
日本の大手電機メーカーです。
本来、普通の家電などの製品での事故であれば
メーカーが取るべき責任であり、その基準を作り
安全をチェックする保安院の責任でしょう。
保安院はまして税金から高い給料をもらい
そのチェックだけのために設置された機関です。
GEの元社員は設計上過失があったと公表してるようですし
それを無視したのも保安院です。
国会で東電の社長が想定が甘かったと謝ってますが
本来謝らないといけないのは保安院の役人ではないでしょうか?
想定してた本人がなぜ謝らない?責任も全く取らない。
東電と違い給料も減らない、おかしいでしょう。
穿り出して、ネガキャンペーンか?
なんだかひどいことになりそうな予感、もとい、悪寒?…
購読は継続しまっせ、1部だけだけど…
みなさん、崇高な資本主義理論をお持ちだと
感心しました。免責はあると思うと私は考えています。東電は民間企業ですから、よくGucciさんがおっしゃる通り、都合のいいように悪さをする事が多々あると思いますが、それを監督するのがお国でしょう。2011年1月現在、福島では30年以内に大地震が来る可能性は0.0%です。0.1%ではなく、ゼロなんです。(過去1000年に一度の津波はあったから、そろそろあってもよかったという方もいますが) 東電が崇高な資本主義社会で自己責任だけで破たんした方がというなら、東北の被災者、自営の農家、漁師、中小企業、一切、国の補助はいりませんね!今日時点で全て終了してもいいという事になります。そんな危ないところで田んぼをしていたのが悪い、漁業をしていたのが悪い、自己責任ですと言っているもんです。
それと、海外の石炭や重油等を東電に販売する企業は、今までの無担保での無制限な販売を取りやめ、LC開設での取引に移行してきています。前にGucciさんが東電に行って担保を出してくれとか言ったとかうんぬん言ってましたが、現金を求められるようになっていくのでしょうか? 他の電力会社も同じです。早く「東電の信用」が回復しないと、他にもかなり広がる可能性があります。
細かい計算はしていませんが、東電が破たんとなると三井住友FGも相当痛みますね、公的資金注入になるのではないでしょうか?
第一生命もしかり。
前に前橋さんのコメントにありましたが、こんな時は政治家がどさくさにまぎれて、むちゃくちゃにするから国民の監視が必要と書いてありましたが、今がその時では?
ぐっちーさんは昔から東電、JALに厳しかったから、今回のロジックもむぺなるかな、ですが、失礼ながら技術論に走りすぎている感がぬぐえません。
3つの点で違和感を覚えます。
(1)東電解体や破綻処理は、身命を賭して日夜対応している、現場のマインドに寒風を送る話です。
(2)東電は株式・社債・融資マーケットで大きなプレゼンスを持ってきました。現在の保有者がどのような投資家か?というミクロの話は枝葉の議論でしょう。
多くの年金生活者は同社の配当・利子支払いをビルトインして生活していることは3.11以後も変わらず、ココに冷水を浴びせることは経済へのマイナスは決して小さくないです。
デフォルトはサブプライム危機下のリーマン処理と同等以上の「悪手」です。
ただし、上場維持については情報の非対称性からぐっちーさんの主張はよくわかります。
(3)そして最大の違和感が3点目です。原子力エネルギーは化石燃料の確保とともに資源のないわが国が国策として進めてきたものです。
電力会社が原発を民間経済として取り組んだのも、市場経済メカニズムで極力安全・安定・安価を企図するため、100%官製にしないための知恵として進めてきたものです。
官と民をつなぐものが、原発規制・振興、電源法制でありました。
平安時代(貞観)以来の巨大地震・津波に起因して発生した今回の一連の不幸な出来事を、すべて民間経済と株式会社で責任をとれ、ということは、今後のエネルギー供給体制に大きな穴をあけることになります。
また、日本の原発産業の撤退は世界の原発産業に大きなダメージを与え、その裁定関係にある化石・自然エネルギー産業にも相対価格の変動をもたらします。
「夜警国家」という概念を持ち出すまでもなく、現在の状況は国家がリスク負担するのが当然です。株主資本をショックアブソーバーにするにしても制限を設定すべき話です。そうでないと、今後は市場経済が機能しにくいテーマはすべからく、リスク負担をする民会経済主体は激減し、以後の供給価格は著しく割高になってしまいます。
一連の議論は、原発被害のヒステリックさが入り混じっているのか、長年染み付いた社会主義的経済体制のなせるわざなのか、官と民の本来の役割・立ち位置がアベコベになっている気がします。
3.11直後にも原発放水の際、自衛隊ヘリに通常の原発安全基準を適用して「安全操業」を維持させた政府の発想と同根でしょう。
世界の人々は、「安全じゃない、危険だから民間人じゃなく軍人がいくんだろうが?!」と首を傾げました。
つまり「民でやれることは民に」「民でやれないことは官で」という単純な話です。
東電に対してリストラ・資産売却もっと勧めないと国民の理解得られないって・・・・。
その言葉政府が増税する時にそっくりそのまま返したい。
増税する前にリストラ・資産売却してくれますね。政府もできますね当然・・・・。
国民納得しませんよ・・・マジで。
リーマンの惨劇を、
リーマンをしながら傍観してました。
何故、AIGのCDSは救われ、
リーマンは救われなかったのか?
とても資本主義的欺瞞を覚えました。
今回、実業の巨象、東電と破綻させた場合、
何処がその尻拭いをできるのでしょう?
それこそ日本がメルトダウンしそうです!
不条理こそ親は子を命懸けで救うのでは。。。
福島の事故直後にメガバンが2兆円ほど緊急融資を行っていましたが、あの時融資が通らなければ原発事故の混乱は余計広まっていたのではないかと思います。
単純にメガバンは損得のみを考えて融資をすべきではなかったのでしょうか。
株主利益と社会的責任を天秤にかけて、どちらを重視すべきだったかは私には分かりません。
JALが反社会的勢力との嫌疑をかけられたのは糸○英太郎とか総会屋とかその筋の人が大株主になってたからでは??
安全運行ルールをきちんと守ってないなんていいがかりで、反社会的勢力と認定!なんて、さすがにそこまで金融庁の役人に勇気も権限もないでしょ。
>東京電力救済スキームは「泥棒に追い銭」だーII
スキームは存在しないのでは?
枝野氏は、スキームを閣議決定していないと思います。
(閣僚懇談会レベル)
スキームをちらつかせて、
東電に、100%青天井の責任を文書で認めさせた。
読売を中心とした東電擁護の声を、瞬殺した。
枝野氏は、株主の責任については明確化させていないだけで、
責任を取らせないとは言っていない。
枝野氏は記者会見で、記者から銀行の質問が出たので銀行の債権放棄を言って見た。
銀行側から東電のリストラを迫るという手法のように思える。
派閥も勢力もない枝野氏が、記者会見でニヤリとするのは、
何か考えがあってのことと思います。
高齢者が東電株を配当を得て生活のアテにしている人が多いって…。
我が母親も2,000株足らずの弱小株主でしてが、私が強烈に説得して売却。大けがをしなくて済みました。
普通の方ならそうしているでしょうし、そのように動けなければ株式投資をする資格はありませんよね。。困っているのは銀行と社員持ち株会ばかり。
ウチは全部商社株に変えましたけど…。
誰も救わないという話をしているのではなく、
税金使ってまで『過剰に』株主、債権者を保護しなくてもいいでしょう、という話をしてるんではないでしょうか。。
出させるだけ出させてそれから再建させようという話であり、電力供給は当然国が責任を持って維持させますし、それは十分可能な事なんですから。
銀行や保険会社だって同じ事でしょう。
株主、債権者保護と社会インフラ整備などの復興支援を、「資本主義」と一括りにして同列に扱うのは違う気がします。
あと、地震発生確率なんて「無いよりかマシ」「参考程度」のものでしかないでしょう。
その数字を保証しているわけでもありませんし。
原発を許可した国にももちろん責任はあるから、足りない部分は税金で当然保証される事になるし、原発を安全で問題無いと積極推進してきた電力会社(とその株主、債権者達)も、当然その責任を負うのが普通。
国に無理やり原発を作らされてたというなら別ですけど、そうではないんだから。
やはり東電は潰して、その後国が賠償して行くのがいいと思います。
国が先に大変な事になると言う時は、たいてい間違いですしね。
冷戦時によく日本は原爆はもってないけど、原発は持ってるみたいな話をよく聞きました。
今はその手の話はなく、環境政策で進めたみたいな事ばかりですが。
少なからず、安全保障面はあったと思うので、国の東電に押し付ける態度もどうかと思いますね。
まあ、そのころは自民党だったって事で片付けられそうですが・・・
結局は、どんな処理であれ、浜岡を止めてもそれに反対する方もいたりと、全てにおいて利権の塊ですね。
さて、リーダーシップとスターと権力乱用と混ざった状態ではないでしょうか?
原発事故の損害補償については
「原子力損害の賠償に関する法律」
が規定されています。
同法第3条「当該原子炉の運転等に係る原子力事業者がその損害を賠償する責めに任ずる」→はい、東電は逃れようもありません。
同法第16条「政府は、原子力事業者が損害を賠償する責めに任ずべき額が賠償措置額(保険等。最大1200億円)をこえるときは必要な援助を行う」→東電が1200億円の賠償をした後は、国が東電に対して資金援助をして、将来にわたって国に返済。
第3条に関しては本文後に「ただし、その損害が異常に巨大な天災地変、又は社会的動乱によって生じたものであるときは、この限りではない」→昔、中曽根さんは「関東大震災の3倍程度」といっていますが、今回の地震は45倍、ただし、震度は6強で関東大震災は7。
東電が免責されてしまうと賠償を行う主体がなくなることが怖くて東電を叩くんでしょう。
でも、日本は法治国家という事を忘れてはいけません。
ここでは書きませんが、現時点でも、政府は沢山の法律違反をしています。超法規も必要なのはわかりますが
責任をとらず、すべて民間の裁量に任せるのはいかがでしょうか?
5年後に法律違反で数兆円の賠償が出る可能性も十分あります。「戦争の責任並み(A級戦犯)」の方もいらっしゃいます。末代までの汚点です。
話がだいぶんそれました・・
また、まとめて
こんな政権が生き延びるのも、有権者のレベル、モラルが低いから、選ばれた議員がことなかれで動かない。
わたしゃ、こんな子を産んだ覚えはないよ、
わたしゃ、こんな議員を選んだ覚えはないよ、
いやー、あんたですぜ、………
法律うんぬんは、IQ高けりゃなんとでも議論出来る。
アホでも、直感はある。
おかしいことはおかしい。
モラルこそ、1流国か、そうでないかの分かれ目。
外国が賞賛するのは、このモラルでしょう、きっと。
国策の原子力なら、まず、国が仮払いせよ!
そして、東電に請求せよ!
払えなければ、倒産。
それだけなんじゃないですか、???
私はぐっちーさんの「泥棒に追い銭」だという意見に強く賛同するものです。なので東電の免責についてなぜ国民感情として受け入れられないのか、法律的にも東電を免責することに問題があるように感じるのか書いてみます。(擁護派の巻き返しが激しいので)
簡単に言うと東電の初期対応はまるで交通事故のひき逃げ犯と同じ、最近出してきた自社擁護の理屈もまるでひき逃げ犯がいうような屁理屈にしか聞こえないからです。もし救護措置をとっていたとしても、被害者が死んでいた結果には変わらないからひき逃げについては無罪を主張するなどという理屈は通るでしょうか。(最近だしてきた東電の理屈ってこんな感じでしょ。)つまり被害を最小限にするためにただちに然るべき処置をしたかどうかを多くの国民は問うているのです。
人身事故を起こしたときに、『当然取るべき救護処置や救命処置をして被害を誠意をもって極小化しようと努力したかどうか』を問うているのであって、そうであれば法律で守られる権利もあったでしょうが、それをせずに逃げ出したり、救護処置をせずに放置していたのならただの犯罪者です。すぐに救命処置をせずに見殺しにしたのが東電ではなかったでしょうか。
一言付け加えるならば、たとえ結果が変わらなかったとしても東電がかなり早い段階で「国民の皆様、地元の皆様の生活が第一です。収束の過程やその後に、皆様に多大なご迷惑をかけることになるもしれませんが、皆様の生活を守るために私どもは最大限の努力を致します。」と表明できるような健全な企業であればここまで叩かれていないということです。企業の利益が優先で、顧客の健康や安全が2の次というのでは「ユッケ」とおなじで「反社会的勢力」と言われても仕方がありません。顧客と会社と株主で一番大切なのは何かと聞かれて、東電は果たして顧客が最上位に来る企業だったのでしょうか?
JAL再建?は巻き込まれた一般株主はご愁傷様ですが、結果を見るとリストラのための茶番で体質が変わった風ではなく(天下り組なんて解雇されてないでしょうし)、近い将来同じ事を繰り返しそうな予感がします。
コスト下がったJALにダンピングかけられるANAが当面最大の被害者かも。
東電も似たような官と持ちつ持たれつの会社なのでしょうが、やはり一度は潰すべき。
(他の電力会社と広告費に釣られるマスコミ応援団もいるからやりづらいのでしょうが)
日本国債に問題が無いであろう事は理解しても、公務員か生活保護かの二択を目指しているとしか思えない社会主義でどこまでいけるのかは大いに疑問。
原発同様、安全を売りにして高齢者の金を溶かしまくってから警察が捕まえる悪徳商法があります、ぶっちゃけ学校教育で金儲けを教えないのは将来の被害者予備軍を育てているだけの気がします。教育受けてれば全財産を一カ所になんて事できないはず。
教育と言えば、ETV特集
NHK総合
2011年5月20日(金)午前1時30分 再放送
ネットワークでつくる放射能汚染地図
〜福島原発事故から2か月〜
ぐっちーさん、本放送を見逃していれば録画してでも見る価値ありです。
マスコミだけに控えるところは控えているのでしょうが静かなナレーションと事実の積み重ねの合間で非常に考えられさせます。
ひどい国だと。
人権侵害としか思えない現状で、子供を避難させないのは何故だ。
日本がエンガチョに・・。
株式会社である以上はゼロになる、というのは一般にはそのとおりです。私も金融なので本来はそれでよいと思います。ところが、原子力が絡むと「原子力損害賠償法」というやや内容の曖昧な法律があるので、話が違ってきます。
なぜJALは紙切れで東電は違うのか?の答えは、「原賠法」だと思います。完璧な答えというには、原賠法のできが悪いのですが。
株式購入時の「おそらく政府が救済するであろう」という予測は、原賠法のもとでは正しい予測かもしれません。単に、政府が法律を守らないために、結果として間違った予測になっている可能性も否定できません。
原賠法の悪口ばかりいいましたが、いい面もあります。これがなければ、極端な場合、被害者にはいつまでたっても何も払われないということも起こりえます。
福島第1原発の状態、酷い。予想以上に悲惨です。
マスコミがなぜ大騒ぎをしないのか不思議なほど。東京の水の汚染騒ぎと比較すれば月とすっぽん、太平洋と蚊の涙。
桁外れです。1〜3号機全てでメルトダウンが起こり格納容器までも穴があいているとやっと報告があがりました。水素爆発時に既に開いていた筈です。
注水というと安定しているように聞こえるけど、燃料棒の被覆がやぶれ、原子炉反応容器がやぶれ、格納容器がやぶれ、建屋が吹き飛び、高濃度の放射性物質を帯びた水が漏れたり地下にたまり続けているのが現状としか言いようがないようです。
ほとんど素手で放射性物質と対面しなければいけないような「想定外」の状況と考えます。たまたま、水をかけて空気中への大飛散が押さえられているから騒ぎになっていないけど、暴れ出すのを押さえるというよりも水をかけて暴れ出さないでねってお願いしているようなもの、そんな感じがしてきます。
仮説に基づき、対応をつくるのが工程表でしょう。今報道されている工程表の仮説はこれ以上の発熱が起こらない、放射性物質の拡散が広がらないという「願望」に基づいているとしか言いようがありません。
通常、仮説をつくるなら、最上・平均的・最悪の少なくとも3つは必要です。それが、経験あるいは知識として信頼を得る基本です。今、マスコミは流される極上の仮説に基づいた工程表しか報道しません。
まずは、1〜3号機をどう押さえ込めるか、そして4号機の使用済み核燃料をどこに保管するか。これが済まない限り、保証にも東電処理にも進めない、かといってこのまま時間が経つことは被害者にとって許されない、そして日本が元気になるためには安定的な電力供給が必要である、相反する多元解の最適化が求められています。
語られる事、どうもひとつの視点ばかりが多いのが気になります。
ほとんどグチになりましたが。
16日に提出された操作記録についての検証がこれから行われることでしょう。
特に、地震直後から半日ぐらいまでの間に、事態収束への適切な対応がなされたか、という点が焦点になるかと思われます。
具体的には、
1)水(海水)の注入が可能になった時点で即座に水(海水)を注入したか?
2)水(海水)の早期の注入を可能とするよう、必要な運転操作をしたか?
の2点でしょう。
水(海水)の注入が遅れたので、炉心の冷却が十分できず、炉心が溶けて水素が発生・爆発しました。そして、それによって格納容器が破れて、放射性物質が飛散した訳なので、注入の遅れが必然だったかどうかはとても重要なポイントです。
又、民主党の計らいで、中国が買うんじゃないの!
発送電の分離とかいう話も出てきてますね。
なんで今の時期に出るのか全く謎です。
優先して話し合われる事でもないでしょうに…
孫正義がロビー活動してるようだし、首相に直接いろいろと吹き込んでるようですけど、
単に電力事業に参入したいだけなんじゃ…
携帯事業の電波の悪さなどを眺めてると、ソフトバンクに電力扱われてしまったら、心配で心配で仕方ないんですけどね…
首相は頭悪いくせに調整も無く自分の考えだけで物事決めそうだから心配だ…
通常、契約には天災の場合、免責されるという条項があり、今回の原発事故はそれに該当すると思われます。免責されないとすると、リスクの上限がなくなり、今後契約が成立しないのではないですか。工場の運転トラブル処理をした経験から判断すると、東電はよく頑張っていると思います。作業者の放射線被災防止が第一優先ですから。すべての情報の開示がなかったのは、政府や原子力保安院の指導でしょうし、計測装置が壊れ、近づけないのであれば、自信をもって公表できる情報はそうはないはずです。誰かをスケープゴートに仕立てなければすまない、メディア(国民感情が許さないなど、その手の大衆に迎合する)の方が余程危険だと思います。「想定外という言葉を使うな」など山本七平さんの「空気の研究」の悪しき例を思い出します。