2007/11/19 11:37 | サブプライム | コメント(28)
曲がり角
やっぱり書いておこう。
日本経済は大きな曲がり角に立っているのではないか、というこだ。確かにアメリカ発サブプライムによるCDOそのものは(ドル建てのもの)それほどの量が日本に入っていている訳ではない。もちろんゼロではないが、規模から見て十分吸収できる範囲だろう。
ただし、何度も書いているようにCDO自体に仕組み上の問題点があり、今正に露呈されているように一度毀損すれば立ち直らないようになっている。しかも原資産が分散しすぎていざというときに差し押さえが難しいのだ。
そしてこれは大量に日本に存在する。むしろ原型ローンより多いかもしれないという勢いで様々な金融機関が保有している。
更に日本における外国金融機関のうち、銀行(投資銀行ではない)はいわゆるアングラゾーンに融資を集中しており、本国でのやられによる撤退リスク以上に最近のアングラ規制(サラ金、ノンバンク、パチンコなど)の影響をもろに受けている。更に彼らの融資の中心は不動産ということになると、これらの複合による市況の悪化は避けられないと見るのが妥当だ。
日本の金融機関はバーゼルIIを筆頭に様々な規制でしばられ、とても受け皿になるものではないし、かといっていまさらアングラ経済に融資を振り向ける度胸もないだろう。(サラ金、いわゆるノンバンクでの毀損はまだ表に出てきていない)。
まさに「アングラ発不況」とてもいうべきものが日本では起きるのではないか、と見ている。東京証券取引所での取引は7割が外国人投資家によるものであり、こちらも短期的には期待できない。アメリカ経済の落ち込みで製造業が影響を受けてくるともはやいいとこなし、である。人口も減少していくし、これで消費税を上げるというのならもはやこれまでだろう。
福田内閣になってから、この手の閉塞感はますます強まっている気がする。コモディティーの価格も上がることはあれど下がることはあるまい。市場も成長しない・・・となれば日本は不況とインフレの挟み撃ちにあう。
中国のように成長を続けていれば別だが、今の日本ならば直撃であろう。世界の金融機関の不振が日本経済に及ぼす影響はこういう筋道で考えると計り知れないと言うことだ。オイルマネーやロシアなどのマフィアマネーを還流させることができればよいのだろが、一朝一夕にはできない。現在の混乱から日本は無縁では有り得ないのだ・・・ここに至ってまだ利上げを主張する人がいる中央銀行があるというのが不思議でならない。
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28 comments on “曲がり角”
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確かに曲がり角を感じさせられることが多くありますね
しかし振り返れば、4、5年も前から北京オリンピックで世界景気も終わると言われ続けてきたことが現実になってきているだけという見方もあるわけで
何があろうが、あまり驚かないというのが私の本音です
たまたまタイミングが合ってきたのでしょうが、想定した時期に曲がり角が来るのですから万全の準備をしてきた人たちにとっては何も不安は無いのではないでしょうか。
何が何でも消費税を上げようとする彼らは、おしなべて反インフレ&反成長、である。今の経済状況を鑑みて、「利下げせよ」とはまず言わない人々だ。現実はむしろ、この1年間の金融引き締めが日本では「間違っていた」というのが正しい認識であり、ここで消費税を上げて「国民は耐えろ」という方が、軍国主義的ではないか?
国内外の株式や債権を相続税から免除して個人金融資産を銀行預金から投資にまわす政策ってのはどうですかね?相続した資産を売却したときに30パーセントとか40パーセントの相続税をかけるとすると、投資が長期保有の安定株主になります。しかも外国にも資金が流れるので円高回避にもなります。配当で食っていける国になると思うのですけど。
曲がり角であります、経済も政治も。
それは日本だけではなく、米国もであります。
アメリカ式資本主義が衰退を始めた・・・グッチーさんの目の前を、桐の大きな落ち葉が一枚だけじゃなく、東京のストリッパー全員が使える程(予備を含めて)舞っている。
利上げをするには遅すぎた、と誰でも分かる状況で、モラルに傷ついた中銀総裁を抱えている我が国では、どんな手が打てたでしょうか?
大阪は食い倒れ、倒れの意味が異なってきた。値段も11月から代々行きつけの肉屋、丹波・但馬牛のみを扱う店が二割値上げした。
彼方此方で本物を大慌て手当せねばならない状況でありましょう。
可愛がられ大切に育てられた肉牛は旨い、可愛がられなかった牛は同じ但馬・丹波牛でも不味いのです。口に含んで、愛情の度合いを確かめてみるのも味わい方であります。
企業も同じではありませんかねぇ?!
盆辺りから、「何かおかしいな?何変わろうとしてるのか?」と世界の転換期見たいの物を感じておりました
ぐっちーさんと思考が同じ方向だったようでうれしいです!(同じと勝手に思ってます)
ココが売り煽りと言うのならメディア全てが「煽り」(と言うより嵌め込み)と言う事になってしまうと思います
脳死した投資家の為に毎回面倒かと思いますが「投資は自己責任で」と入れた方が良いのでしょうか?
と言いながら私もシッカリ「売り」入れてますけどw
値上げと、外資の引き上げで不動産不況。
考えるだけでも怖いです。
流されながらも、ても売っていかないと。
日銀と財務省が無能なのは、、、
まともにマーケットで勝負したことがない人が
年功序列で転職もしたことがない人が
上に行ってしまうからでは。
米ダウは1978年、ブラックマンデーと同じチャートをトレースしています。このまま行けば、10日以内に「大暴落第二弾」があると思います。遅くとも、12月中旬までには、間違いないと思います。
利上げがもたらすセンチメントへの影響は否定しませんが、事の本質は金利の問題ではありません。
現在の水準ですら既に歴史的低水準で、これでも苦しいというのであれば、それはビジネスとして終わっているということを意味します。
そんなはずはありません。大企業はもちろん、間接金融に依存しがちな中小企業でも、周知のとおり、日本の企業は極めて高水準の技術を有しています。
それなのに何故苦しいのか?
象徴的な例は、「トヨタ」です。経常利益2兆円を達成していながら、下請け等は絞りとられるだけ絞られて、この2兆円の恩恵を受けていません。
本来、関連企業の総合力で成し遂げられたはずの膨大の利益を、トヨタ本社が独り占めしてしまうという構造が日本中に蔓延していることが多くの国民を疲弊させています。
この「トヨタ構造」こそが重苦しい閉塞感をもたらしている元凶だとは思いませんか?
尚、誤解を招かないように言っておきますが、ノ○パ○しゃぶしゃぶなどという破廉恥極まりない接待にうつつをぬかすような人物に日銀総裁をやっていて欲しくないです。
スタグフレーション突入ですね。チャベス大統領も元気そうです。
消費者金融等ノンバンクに対する指摘は参考になります。郵貯など大きかった政府系金融の民営化の目処が立った後だったのがせめてもの救いなのか?
数年前を考えるとあの楽観感はなんだったのかなぁ、ある数値以上に不信が達すると相転移が起こると言う事なのですね。
日本株買いました。朝、適当に買ったのですが、引けではマイナス77万円でした。なんで、こんなに、日本下部売られるんですか。もう、マゾ状態。。。
あ、すみません、はじめまして、私は40代の自営なんです。今後、日本株だめでしょうかね。。。
よりによってこんな時にサブプライム問題が出てくるとは
サラ金規制法案でサラ金の廃業が続出しているし
その次には、信販規制・・・追い討ちをかけて
改正建築基準法・・・
リンクの所を見てもらえば判ると思いますがー規模の小さい倒産が多数でてきています。
この辺に融資している地銀に・・・彼等はREITでもやられるのか(-_-;)
日本株からは撤退した方がいいのかな。
FXの方がマシなんでしょうね。
いいかげん売り煽りはやめろ
人口減を回避(?)している米国を除外すると、人口が減少し始める先進国で公定歩合が数%以上あるのは実体不相応と言い切れるほど、資本主義は制度上の限界に来ているということでしょうか?(人口が減り始めて成長出来なくなったらオシマイ)。
私の頭では世界の金の流れが全然分からないのです。だから、利上げ云々がどういう影響になるか全然分かりません。日本の将来を身近な生活で考えれば、今のまま行くと、10年後には日本国内で今の生活レベルを維持できる人が、更に減ってしまうと理解すればよいんですかね?
そうは言っても20年前の親世代と比較すれば遥かに高水準な生活だと思いますが、割り切れませんもんね。年金云々だって、詳細は全然知らないけど田中首相時代から始まったもので、それまでは老後の事を国家が真面目に面倒見ようなんてしていたんでしょうか?生活レベルでの具体的な影響が私の頭では良く分からないんです。
放っておくと、やがて追いついてくる発展途上国につかれて、先進国は生活が貧しくなる。だから、EUのように生活水準が高い経済圏を作って、購買パワーを確保していくのが対策の一つという所でしょうか?
まだまだ不勉強です。
昨日のブログのコメントをみると、
かなり辛辣な意見が出てますね。
読者の裾野が広がるのは良いですが、
大衆化すると読者の質が落ちるのは
やむを得ないのでしょうか。
とりとめのない感想で恐縮ですが、
毎日楽しみに読んでいますので、
末永く続けていただければ幸いです。
権益配分が仕事。そんな政治屋ばかりが政治をしている。
官僚も組織の権益に走る。
いつか来た道ですよ。
政治家が絶滅してしまった今、行き着くとこまで行ってガラガラポン!
やはり戦争か・・・・
消費税率、上げるも地獄、上げぬも地獄。
金利、上げるも地獄、上げぬも地獄、下げても地獄。
長年の失政に最早打つ手は尽き果てて、
この娑婆で暮らしつつ、その地獄とやらが見れるとは・・・。
何とも果報なことかいな。
アメリカの金融恐慌は世界経済にどう波及して行くか、興味深いですね。日本の「失われた十年」も世界にはほとんど影響しなかった、アメリカはどうか。
世界の好景気によってアメリカは救われると見ています。世界経済は多極化されている事が実証されるんじゃないでしょうか。
中国が総量規制を始めちゃったみたいですね。
日本みたいに変動相場制で管理通貨制度の国では、為替レートなんて好きにしておけば、基本的に国内の景気のための金融政策はフリーハンドでできるのですが、日本の中央銀行様は何故か管理通貨制度の利点を捨て去る事が好きなようで。しかも、政府の中の人が、「成長なんて無理だ。今消費税を上げないと」なんていう意味不明の事をのたまって中央銀行様と共同歩調をとっているわけで。いつでも回避できるリセッションに、またしても突入しつつある現状にがっかりですな。
アメリカは、その点クレバーですから、上手に乗り切るんじゃないですか?
最近になって拝見させていただいてます。
日本でも、ちゃんと問題の本質を主張している人がいてちょっと安心しています。
当方は、訳あってしがないPC関連で仕事しています。
そのせいか、日本での物作りは終わったと感じることが多く意気消沈していました。
十年前から減反の撤廃と高級食材としての米の輸出、アルコール燃料への転用を主張してきたのですが、ツケが回ってきましたね。
マツダの開発室に行っていろいろ話す機会があったのですが、石油が安全、安価かつ大量に使用できるとは限らないという落とし穴を笑っていたのが思い出されます。
原料輸入を仕事にしてますが、
一時の高騰ではなく完全に値位置が
変わってしまった感があります。
今までは食品や簡易な消費財は安価に抑えられて
ましたから、所得が減り続けても何とかやって
こられましたけど、これからどうなるんでしょう?
増税も避けられない、という流れにされてるし。
日本 O/N Call Rate Target 0.50 %
10年もの国債金利 1.47 %
米国 Federal Funds Rate 4.50 %
10年もの米国債 4.16 %
ユーロ Main Refinancing Operations 4.00 %
10年ものユーロ債 4.12 %
国債は11月16日レート
日本の屈辱的な政策金利
銀行の預け入れ金利と貸し出し金利のスプレッドが大きすぎます。
大銀行の資本家のためでしょうか?
中川カエルに脅され、金利が上げれなかった 中央銀行の独立性 低金利は緊急措置だったはずなのに。
取り合えずは収入の安定した公務員はデフレの方が豊かになります(若干給与が下がったとしても)。
公務員、準公務員(日銀も含め)に景気対策を任せること自体がブラックユーモアです。
もちろん大木がコケれば彼らも同じですがタイムラグがあるので逃げ切ります。
世の中が悪くなるほど、よりよい環境(限界はありますが)になるやからが主導権を持っているのでどうしようもありません。
この国はやがて滅びます。
早く滅んだ方が、次の世代の為になると思います。
食い潰される前に。
ごめん下さい
円を含めて刷りすぎたお金による見せ掛けのギャンブル経済が元に戻る姿だと思ってしまえばよいのでしょうか。実体の経済はこんなものとおもうことでしょうか。
米投資銀行大手ゴールドマン・サックスの2006年度売り上げ総額は370億6,700万ドル(約4兆3,802億円)、純利益は93億4,000万ドル(約1兆1,037億780万円)で、ウォールストリート史上最高額を記録している。
好成績のおかげで、ゴールドマン・サックスのCEOを務めるロイド・C・ブランクファインの今年のボーナス額は5,000万ドル(約59億850万円)を超えるそうだ。この金額に驚くのはまだ早い。なにしろ、彼は証券業界の稼ぎ頭というわけでもないらしく、例えばモーガン・スタンレーCEOのジョン・J・マック、ベア・スターンズ証券CEOのジェームズ・ケイン、メリル・リンチ証券CEOのE・スタンレー・オニールも今年は4,000万ドルから5,000万ドル超のボーナスを受け取るそうである。
でもありますよね>アングラ@日本。
アングラはなくなりはしないが、大きくなり
過ぎてもいけないって訳なんですねぇ
インフレの状態では、利上げしないと、個人資産の預金の価値がどんどん目減りしますよ。
利上げ派がいても不思議ではない、というか私はむしろ利上げすべきだと思いますけどね。
なんか利上げ派の人が結構いるようですね。
基本的なことですが、利上げというのはインフレ率を抑制するため、利下げというのはインフレ率を上げるために行うわけですよね?ここまではいいですよね?
しかるに、今の日本のインフレ率は若干のマイナスです。この状態で利上げしろというのは、もっとデフレにしろということでしょうか?また日本経済をデフレ不況に戻すことがそんなに素晴らしいことですか?