プロが語る世界情勢・政治・経済金融の最前線!

The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2006/11/02 09:14  | 金融全般 |  コメント(0)

子供向けマネー教育最前線


今週の週刊文春の記事です。まあ、こんなブログをやっていますとものめずらしいのか、、予想もしない所から子供の運用教育の講師に来て欲しい、とか、なかには学校で教えてほしい、などと頼まれる事が多々あり、そういうことはオトナになってからで十分です、と何回かお断りした事があります。今ならちゃんと履修もれしないようにするのが先でしょう、などと答えるところですが(笑)。


しかし、この記事にあるように世の中的にはどうも、これが大流行らしい・・・・他に教える事あるでしょー・・・・というのがやはり率直な感想。人より少し早くできる四則計算(100ます計算でOKだよね、これ)と中学までの数学、人より多少儲けたいならアメリカの新聞を読めるくらいの英語力(単語はともかく、文法としては中学3年生までの内容で殆どカバーされる)と、少しの運があればウォールストリートでプロのバンカー、もしくはファンドマネージャーとしてやっていける・・・と経験上断言できる。だから他に教える事があるのですよ、学校では。世界史とかね(笑)


しかし、日本人運用者を含め、所謂運用をする人というか、日本人一般になぜか決定的に賭けているポイントがある。国際水準から見てこれだけは絶対知っておかねばならぬ、運用の大原則。それだけが、なぜかぽろっと欠落しているのだ。すべてはこれを教えなければ始まらない。学校で教えるとしたらこれひとつで十分。


つまり


全ては「ハイリスク・ハイリターン」 だということ。


え、それだけ?? そう。それだけ。
それが投資の鉄則。
そしてしばしば人生の鉄則でもある。


 例えば、「お客さん、特別な情報ですよ、これであなただけ儲かります。100万円が200万円でっせ・・・」と持ちかけられる。
「年率20%ですよ、これ特別ですから・・・・」


などなど、巷でこういうばかげたマルチのようなものに引っかかる人が未だにたくさんいる訳です。こういうときに


ハイリターン・・・その裏には何かハイリスクがある、


ということを認識して欲しいのです。
今、日本の国債を買うと10年物で年約1.7%の金利がもらえます。1年間で100万円を投資すると1万7千円です。これだけ。


国が潰れるリスクが一番低い(例えばぐっちーの倒産確率よりは低い訳ですな)ので、これが史上最大の安全かつ利回りの低い運用。ここから全てが始まる訳です。

例えばこの国債を300%も上回る利回りがでます・・・・つまりそれだけハイリターン・・・・なものは何らかのリスクがあるからこそリターンが高い訳で、それはクレジットリスクかもしれないし、金利リスクかもしれない。或いはその複合だったり、さらに流動性リスクなんかが加わっているかもしれません。


株式投資をする場合も同じです。
すなわち国債で年利1.7%でまわっているという事はそれよりリスクの高い株式は当然それよりリターンが高くなければなりません。日本の場合、株式の配当が大変低いのでその大半を値上がりによってカバーしなければなりません。


しかし、実際は下がる事もあるわけで、できるだけ下がりにくい・・・或いは下がる場合も予想が付きやすい株式・・・できるだけ日本経済そのものに連動するような株式・・・・を投資するのが安全であろう、なる訳です。それ以外の、例えばライブドアなんかがいい例ですが、こういった株式に投資をするのはその時点でハイリスク、ということですね。もちろんその分儲かった時は儲けも大きい。リスクに対する代償と考えて頂いてもいいですね。


外貨投資も同じです。今日新聞でニュージーランドドル建てトヨタクレジットの債券の募集広告を見ました。3年(2年6ヶ月)で6.1%?7.1%という仮条件で予約受付というものです。なんだ、3年のトヨタならいいじゃないのよ、という事ですが、当然日本円でのトヨタへの投資より5%以上高い金利がついているので何かのリスクがあるわけです。

それが正に為替リスクで、先物から換算してボラティリティーを考慮して、金利差を加味するとこのくらい円高になるリスクがあるので(その分円高で損をする可能性が高いので)そのリスクに見合った金利がついている、と考えればOKです。もしかしますと、想定外のことが起きて円安になったりなんかすれば最終的には表面金利以上のリターンに仕上がる事もままあります。ただ、殆どのケースはむしろ金利を飛ばしてしまうほど円高で負けている、というのが過去20年のデータです。ですからやはりこれもハイリスク・ハイリターンということ。


これだけを守っていれば投資なんて難しいものではありませんで、他に子供に教える事は何も無い、ってことになります。先ほど書いた基礎学力とせいぜい新聞にはうそが書いてあるよ(まあ、うそはいいすぎにしても記事が出てくるにあたってはとても中立とは呼べないバイアスがかかるということ)、を教える方がまっとうな投資教育であるといえましょう。


大体これは人生にもあてはまりますでしょう??
いい大学を出て平凡な役人になればあまりエキサイティングな人生ではありませんが食うのにも困らないでしょう。ローリスク・ローリターン。


リスクを覚悟して大学を中退して事業を起こして上場を果たす。典型的なハイリスク・ハイリターンですね。


女性にしてみると男性の選択がこれに近い。
ハンサムで、収入も高い男性は一見いいようですが、他にも寄ってくる女も多いので浮気のリスクも高い。まさにハイリスクハイリターン商品でしょう(笑)。私の周りにこういうのがたくさんいます。


一方、自分の収入が妙に高くなって来たとき・・・・私がウォールストリートに入った頃がそうでしたが・・・・この人生、どこかにリスクが潜んでいる・・・・と気がつくべきだったのですね。この点に関しては、現在多くを語れる立場にはございませんが・・・(爆)。では!


 

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