2011/02/28 08:19 | マーケット | コメント(20)
中国は第二のリビアになんてならない
リビアに関しては刻一刻、差し迫っています。アメリカのジャーナリストはこの戦乱の最中、トリポリに命を賭けて未だにしぶとく潜入しており、迫真のレポートを連日テレビで見ることができます。
最悪製油所の爆破、なども考えられる緊迫した状況ですが、いかんせんオバマ大統領の腰が引けているので、アメリカの軍事介入はもちろん、国連軍によるPKOなど夢に近い、という状況のようです。
アメリカのジャーナリストの報道から判断すると最終的には徹底的な内戦で決着をつけるしかなさそうで、悲劇の幕開け、という見方さえあります。
ジャーナリストによってはオバマ政権最大のピンチ、とまで言い切っている。(ワシントンポスト紙)こういう緊迫感は多分日本には全く伝わっていないと思われます。
エジプトの時のような、よし、がんばれ、民主化だ、というあっけらかんとしたいつものアメリカ人の姿はこの件に関してはまったくありません。
さて、日本ではこれが中国に拡大する・・・・という論調まで出てきているのですが、まあ、何を根拠にそんなことを言い出すのか、中国を知らないと言えばそれまでですが・・・・ということをメルマガでは大分主張致しました。(因みにこの論調はアメリカではほとんど聞かれません)
暴動が起きている・・・と言われますが、それは今に始まったことではないし、それを言えばロシアだった、極端な話パリでも市民暴動は頻発しており、中国の専売特許ではありません。
国民がどんどん豊かになっている状況を目の当たりにしている中国人はそのチャンスを逃すほどばかではありませんね。
中国の長者番付一位になった飲料大手・娃哈哈(わはは)集団の宗慶後会長が小さなジューススタンドを始めたのが1987年。今や世界第5位の飲料メーカーにまでなりましたが、その道筋はわずか20年余です。
これほど大きくなくとも小さなチャイニーズドリームはそれこそその辺に転がっています。
これはバブルのころの日本とよく似ているかもしれません。あの頃は一朝にして億万長者になる奴が続出して、すべての日本人は明日は俺かもしれない、という希望に満ちていました。
一族郎党から借金しまくって買った3000万円のマンションが次の月には6000万円で買い手が現れ、たった一ヶ月で3000万円を稼いだ奴を実際に知っていいますし・・・・そんな時代が現実にあって、今中国にはそんな話はそれこそごろごろあります。
そりゃ、これこそバブルなんでしょうね。
しかし、そんな国で革命が起きる筈がないのです。
それを言うなら中国より報道規制がえげつないといわれ、親子二大独占政権を維持しているシンガポールではなぜ革命が起きないのか???
もし自由の弾圧や一党独裁がいずれ破綻するとい仮定すると、シンガポールなどいの一番に破綻する筈です。私がシンガポールで政府の批判をブログで流したら一発で国外退去になるでしょう。
しかし、リー・クアンユーは尊敬され息子のシェンロンの評価も極めて高い。
国民に衣食住の心配をさせず、外国人労働者をこき使うことで豊かな生活を保障したこの親子に異を唱える人がいない訳です。
また、彼らがムバラクやカダフィーに比べると圧倒的にクリーンな存在であるということも大きな理由でしょう。彼らがスイスの秘密口座に蓄財して放蕩を尽くしている・・という姿は一切ない。
リー・クアンユーなど未だに庶民と同じ屋台で食事をする質素さです。このあたりが大きく違う訳ですね。
となると中国で革命がおきる可能性があるとすると、多分ですが、共産党幹部の汚職事件が相次いで、国民全体がこいつら、許せない、となったときだろうと思います。
しかし、シンガポールと言う同じ「中国人の独裁国家」というお手本を見ている中国共産党がそういう間違いを起こさないだろう・・・と私は思っている訳です。
そのあたりの中国人の現場感覚がないと恥ずかしい記事を書く破目になりますので、ジャーナリストや中国語のできない中国専門家の方は特にご注意を(笑)と申し上げておきます。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
20 comments on “中国は第二のリビアになんてならない”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
メルマガの長期契約についてですが、原油の長期契約で確定しているのは期間と数量と価格の算式だけで、その算式は色々な原油先物価格実績のバスケットに品質格差を加味して決定するものが多いと聞いた事があります。
メルマガの「確認埋蔵量は原油価格によって本当に大きく可変する数字」と言う個所ですが、確認可採埋蔵量の間違いではないでしょうか?
その人がどれだけのスパンで話をしているか考えないと、まったく話はかみ合わないことになります。
朱鎔基の頃なら別ですがシンガポールとの比較の意味がわかりません。
たった一ヶ月で3000万円のマンションが次の月には6000万円になる経済がまともじゃないことは骨身にしみていることですし、経済の内容たるや絶句。
何が起こるかわかりませんが、第二のリビアぐらいではすまない気がします。
石油は・・
昔からの鉄火場・・
鉄火場である以上・・
骰子に・・細工・・
古代から・・イカサマ骰子・・あり・・・
「衣」の方は中国製品やらユニクロさんのおかげで困らないので、「医食住」もしくは語呂は悪いですが「職食住」を国民に保証できないと、どの国であっても革命や暴動が起こる可能性があると思います。むしろ中国よりも、年金・税制・農業政策・安保・雇用などより多くの爆弾をかかえている日本の方がよほど危険性があるんじゃないでしょうか。
ただしこれまではお互いに利害が対立して分断状態になっていて大きな行動にならなかっただけで、目的のために将来の利害は置いておいて大同団結したら(皮肉な話ですが民主党政権が誕生したのもこういう意識の結晶なのでしょうが)エジプトの「ジャスミン革命」のようなことが日本でも起こりうるのではないでしょうか。「改築」ではやはり駄目だと痛いほど分かってしまったので、一度更地にして基礎工事から「新築」するものになることも十分ある話だと思います。
中国で暴動が起こるとしたら、バブルがはじけた場合でしょうが、外資が一度に資金を引き上げるとか、制度上できそうもない中国では当分起こりそうもなさそうな気がするんですがどうなんでしょうか?
石油は・・
古代ギリシャ人は・・ナパーム弾や・・火炎放射器に・・使用・・
この武器を・・
金に変えたのは・・二代目・・カリフ・・
カリフの専売・・モスクのランプを・・石油使用のみとした・・
莫大な富が・・
以来・・現代にまで・・・
いつも勉強させていただき
感謝しております。
結局のところ”豊かさ”なんでしょうね。
ただ中国の貧民層の多さと底上げ具合、
格差がどの程度なのか知らないので良く
分からないです。。。。
砂漠では人は生きていけませんよ、石油が出るから、そんな所でもやっていけてるだけで、そこをはっきり自覚しないと、欧米の責任はどれぐらいあるのか分りませんが。
こんにちは。ちょっとぐっちーさんとは異なる見方をしているので、コメントさせていただきます。
昨年11月に長安周辺から引き上げたので、ぐっちーさんがよく行く上海や香港周囲とは、見えてるものが違うのかも知れません。
経済成長の果実は特権層が多くを取り、職は大学を出てもまともに無い。食料品はここ4年上がり続け生活は困窮している。
私が話したことの有る工員たちは、こんな感じの愚痴を言っておりました。
ぐっちーさんがお会いになるのは、上の階層の人々なのではないかと、愚考するところです。
いつも勉強させてもらっています。
今の日本で革命なんて起こりえないのと同じく
中国で中東と同じような革命なんて起こらないですよねー。
でもでも、中国には民族問題があるじゃないですか?
これって、飴と鞭で今後も有能な独裁国家が乗りきれるものなのかどうなのか?
僕には分からないです・・・
言われて見ると、エジプトもリビアもイランも、自分で行ったことないので、国民が暴動に狂喜して載る・載らないが実感として分かりません。(フィリピンは、昼間からゴロゴロしてる男が道端に多く、銃を持った衛兵も結構いて危ない印象は受けたが、それとて現地人と密なコミュニケーションを取ってないので表層しか見てません)
自然発生的に大暴動が発生するほどの抑圧状態(?)が無いと、確かに国が転覆するような大暴動は無理な気がしますね、、、
チューリップ革命は某国が主導したなんて話も聞いたりしたのですが、それとて国内に大きな抑圧状態があって、扇動に載る状態が準備されてないと無理ですしね。
自分が中国に行ってたのは数年前までで、沿岸付近の工業地帯での露天やスーパーの風景を思い出してみると、確かにそんな抑圧状態はありませんでした、、、
(関係ないが、あの無法交通状態で事故がそうそう起きないのは未だに不思議。私が運転したら即日事故死しそうです)
結局、中国にまで拡大云々という論調って、
ネットが普及してて、独裁的国家であれば
どこでも反政府行動が拡大するって事なんでしょう。
何でも自分のアタマで考えずに、テキトーな型に押し込めたくなる日本人の悪い癖ですな。
なんてことは一概には言えないですよね。一般庶民は豊かささえ与えておけば独裁でも全然構わない。政府の経済政策が超優秀で景気を上手くコントロールできるのであれば、国民は満足する。手間と時間がかかる話し合いの議会制民主主義よりもスムーズに経済対策が打てることもある。現状維持がベターなのだから今の政治を否定する理由はどこにもない。
でも豊かさ(成長)ってのはずっと途切れることなく続くものじゃないので、不況になった時に民衆の不満が訪れる。民主制の国は平和的に選挙で政権交代がなされるので庶民は政治が変わると思っていいガス抜きになる。でも独裁体制ではそうはいかない。選挙で政権が変わらず自分たちの声が反映されない仕組みなのだから、政権を打倒しようとすれば暴動に向かう。
民主制が独裁より良い制度だと思えるのは政治への不満が起きた時に殺し合いにならないとこかもしれませんね。
中国共産党に洗脳されましたか?
ジムロジャーズは、彼を共産党が追跡していて、彼が向かう所に先回りして準備していたのを知らずに中国を賛美している。
見せたくない物は隠しているんですよ。騙されてはいけません。
私は5年しか中国にいませんでしたが、あの時間にルーズな中国社会には閉口しました。しかし、携帯電話の普及がこれをカバーし、私は中国発展の最大功労者?は携帯だと思います。2003年には工人が共有で買っていたのにはビックリでした。日本の中国本には中国崩壊論・分裂論・脅威論調の書籍が多いが、あの日本パッシング騒動同様、民主化運動のキーは、あるとすれば口コミ・ビラではなく携帯だと私は思います。
あんな中国という巨大国家を1つにまとめるには共産党という強力な帯で締め付けなくてはとてももたないでしょう。民主化なんてやってたにひは皆がてんでばらばらの意見を言ってもう収集が付かなくなっちゃいますよー 言論統制は国として仕方の無いことなのかと思っています。 ま、中国も成長が続いている間は反乱のほうも大丈夫なんでしょうー
日本の情けない政争を見てると本当に民主国家がベストなのかと思ってしまいます。
いま日本にヒットラーのようなカリスマ政治家がでてきたら圧倒的な支持で迎えられるでしょうね。
丹羽宇一郎大使が「中国は20年も10%以上の経済成長を続けており、今の生活を壊してまで政権を倒そうという情熱は国民にはない。」とか言っているそうです.
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20110302ddm005010075000c.html
物を売る・・
トランジスターの商人・・と間違われた・・首相・・新幹線のセールスマンになった・・外相もいる・・
物ではなく・・
文化を売る・・その認識が無ければ・・
大陸を・・
日本の新幹線が・・走る事はないか・・・
今の中東はオイルショック後の原油高がもたらしたベビーブーマー世代が暴れているんでしょ?
日本は団塊の世代の全共闘の残党が1990年代の20〜30年代が革命を起こせる最後の連中、ということで大きくしかけたのが地下鉄サリン事件でしょ?
パン屋に「村上春樹」って屋号を付ける世代は緩やかな改革しか望むわけないっしょ。
中国は第二のリビアにはならないでしょう。なぜそんな話がでてくるのやら・・・
リビアの内戦は長期化しそうですね・・・・
それよか中国よりも今デリケートなのはバーレーンあたりのような気がします。
イスラエルの周りの国の空気がまた少し変わろうとしてますね・・・
原油価格も重要ですが、何か見落としているような気がする今日この頃・・・