2005/09/28 09:57 | 金融全般 | コメント(8)
金利なんてあがりません・・・・
お陰さまで大分腰痛から解放されまして、ひょこひょこ飲みにいけるようにもなりました。改めまして、たくさんの励まし、哀れみ、そして治療法などのメールを頂きまして本当に有難う御座いました。少しずつ返事を書いておりますので、あのやろー、せっかくいい治療法を教えてやったのに!! なんて怒らないで下さい。改めて御礼申し上げます。
さて、ぐっちーの七不思議、と言われている事のうち、あなたはずーっと景気はよくなるよ、と昨年から言い続けているのはわかりましたが、なぜ、それで債券に対しても強気、すなわち金利はあがらん、などという訳のわからんことを言うのですか??経済の常識で景気がよくなれば金利があがるなんて、経済学部の1年生でも知っているでしょ?? とうのがあります。
どこがカリスマなのか、マッタク不明ですが、妙な本を書いている藤巻さん(まあ、伝説の・・・という意味では一度も相場で勝った事がないのに生き残っている・・・という意味ではモルスタのバイロン・ウィーンと双璧ですね。その意味で伝説・・はあたってる)は1990年から15年間、かにの念仏のように日本国債の金利は上がる!!!4%だといい続けている訳で、また、そんな本を買う人がたくさんいるので、その意味でも私の相場観は独特だと(異常とか無知とか言う人までいます、むかつくけど最近黙ってるようにしてます)、言われるようです。
そして、いよいよ日経平均30000円説なんて出てくるご時世ですから、その中でいや、10年国債は多分また1%になります、なんていってるとばかじゃないのか、こいつ、などと思われるわけですが、私はばかではありません。
因みに、次に日本国債が上昇(価格。すなわち金利は低下です。)した時に日経新聞が書くみだしはすでに予想が出来ています。
株式の上昇により含み益ができてリスク許容量に余裕ができたので、金融機関が長期国債の投資額を増やした・・・・・
間違いなくいずれそう書くでしょうね・・・・あんた、いつまでもやってなさい!!
さて、まじめな答えはやはり前にも申し上げたかんべえ先生説、すなわち日本経済は先頭から最後尾とはいいませんが、まともに走っているせいぜい30人位がながーく伸びてしまったマラソンレースだ、という解説が一番適切でしょう。
特に先頭集団はここに来て猛烈にペースをあげたもので、ますます後ろが就いて来れなくなってきておそらく、うしろの5人くらいは振り切られて宇宙のかなたに消えるでしょう。
このペースをあげた先頭集団を表しているのが株式相場という訳です。もちろん株はまさに、「美人投票」ですから、わけのわからん奴の値段が上がる事も十分ある訳で、銘柄選択は慎重にね!! となる訳です。
先頭の5人は、まあ、トヨタ、キャノン、などのバブル後さえ切り抜けたつわものたち、次の5人は途中で中国ドーピングをしてしまった鉄鋼、化学などの復活組み、たまたま先頭集団に取り付いているがいずれ間違いなく落ちていくITの連中(ホリエモンですな)など、という構成です。30人の集団から落ちていくメンバーはおそらく、流通、ダイエーはもう消えてますので、イトーヨーカドー、イオンなどが次は危ない・・・・
こういう構成で、果たして金利が上がるか、特に国債という政府そのものの信用を担保にした金利が上がるかといわれるとはなはだ疑わしい。
株が上昇するという事は、伊藤さんではないですが、日本力があがるので世界の投資資金が日本国債にあつまる可能性すらある・・・グローバルフライツゥークオリティー(かたかなだとややこしい)という奴ですね。
起こるとすると国債の金利上昇ではなく、まさにマラソンレースを反映する事件、そう国債プラスいくら、という企業の調達金利、スプレッドの格差が必ず現れるはずです。従来護送船団できた日本の金融機関は長期プライムなどという訳のわからんものを生み出しそれを基準にたいして違いのない金利で金を貸してきた。社債もそれを反映してAAAからBまでせいぜい1.5%くらいの差異しかなかった・・アメリカでは5%くらい違うのに・・・
これを金利の上昇と呼ぶのは間違ってます。スプレッドの拡大、でありまして、日本もいよいよそういう世界に入ってくるというのは確かでしょう。つまりおおもとの金利は上昇しないけれど、スプレッドが拡大して一部の企業にはとんでもなく金利があがったという効果がでる。強いものはより強く、弱いものは去っていく・・・資本主義の大原則に戻る訳であります。
でも、600兆円も残高があって、GDPの1.5倍も国債を発行していたら返せないんじゃない??だからいずれ大暴落するよ・・・ というご意見もあります。
答えはフォ?
個人資産が1200兆円ありますからそれで相殺すればいい。少なくともまだ倍はあるんですよね。えー、そんなばかな、ふざけるな、と思うかもしれないけれどそれがマクロ経済というものなんですね?。
国に自分の個人資産が相殺されるのが嫌な人はさっさと円以外で資産を保有すれば良いわけです。日本に資産を置かなければいいんですよ。そしてそういう人が増えてくると最後はアルゼンチンになって、国が倒産するわけです。金持ちはみーんなアメリカに資産をおいていたので、国がデフォルトしてもだれも困らなかったという訳ですな。(要するに海外に資産が持てない人だけが割りを食った)
しかし、まあ、日本人が集団でアメリカに資産を移すなんて、多分ないので、
金利は(日本国債の)あがりません。
ということになります。
先のバイロン・ウィーンはモルスタを辞めてヘッジファンドをやるそうです。そのうち日本にも売りつけに来るに違いありませんが、なにせ20年はずしている人ですので買っちゃだめですよ。ここの読者の皆様には今から ご注意フォ?!!
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8 comments on “金利なんてあがりません・・・・”
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こんな状況になると、僕も株式投資を始めた方が良いのかな?これまであまり関心は無かったのですが、金利を当てにできないとなると、必要かなあとも思ったりしますね。
ぐっちーさん、ご無沙汰です。昨夜、似た話を知り合いの外資系エコノミストとしたばかりでした。彼は株は上がっても、長期金利はそれほど上がらない、というストーリーを考えており、なぜそうなるか議論したのですが、ぐっちーさんとほぼ同じような解釈となりました。銀行のALM関係者らも、依然資金ニーズは乏しいとの認識で、日銀が解除で利上げすると、初期反応はともかく、結果的にはベアフラットするのではないかとの見方もあります。なお、スプレッド拡大ですが、そうなって欲しいけれど、個人的にはちょっと懐疑的。構造改革が真っ当に行われ、市場原理が働くならそうなるはずですが、政権与党にそこまでやる覚悟ありますかね。貸し出しはバンバン放棄するけど、社債のデフォルトがほとんどない金融慣行がそう簡単に変わる感じがしないです。
Baatarismさま
全部株、なんて極端なことは別として日本人は生命保険と預金に資産が偏りすぎなんで、そしてそれらはほとんど100%債券に突っ込んでますんで、株を持つという意味はほんとに大きいんですよ。資産の一部を株や外貨に振り分けるというのは、こういった事情から日本人がほとんど「債券+円のロングオンリー」というポジションになっていることに気がついていないだけに、大変重要な意味を持ちます。特にわたしのようなおっさんには!!
本石町日記さん
おおー、お久しぶり!!お元気でしたか。
ブログ、毎日拝見してまっせ!
まあ、超強気なことを書いたらストップ安しそうでぶっとびましたが(笑)全体の流れはそう思ってます。
スプレッドは実は私も期待80%、実現性20%くらいの気持ちで書きました・・・・さみしいっす。
まずは個人向け国債なんて手を出してきま
したけど、次はどんな手をつかうんでしょ
うねぇ。
なにせ、個人資産の半分を搾り取るのです
から、あの手この手でうまくやらないこと
にはうまくいくはずもなく(笑
あるところで、アメリカ債権と、金と、外貨準備高を知りました
ので、金利は上がらないだろうな、と理解できます。
それにしても、アナリストやエコノミストだったり、投資銀行だ
ったりする人々は、これらの問題に、なぜふれないのですか?
年によっては、国債発行額の4割近くも、アメリカ債権を買って
いるなんて、夢にも思っていませんでした。それでいて、国債発
行高を減らせなんて、なにか釈然としませんが、これにふれない
プロの人々の気持ちが不思議です。
財務省証券、外貨準備高、金と個別の話はあっても、それを関連づけての説明はあまりみかけません。
なので、いいことを知りましたね。まさか故意に避けているとは思いませぬが、あまりにもこの話し
を聞かないので、察してやってください。何十年も収支が悪ければ、他所の国からの資金にたよらず
に、90年代終わりの東南アジアのように、IMFの処方箋を受ければいいのにね(w)
私もカリスマ、伝説と呼ばれたい(笑)。
株高でも長期金利は上がらない…やっと浸透してきたようです。昨年は両者が完全にシンクロしていたので、そういう主張をしていた私ははずれでした。「今年は市場が私についてきた」と言っては不遜になります(爆)。
おおみや%NEETさん
その通りですね。どうするのか、頭の痛いところではあるのですが・・・
にげたく(?)さん
上の人へ(?)さん
確かにこのあたりの話は、なかなか書かないですね。書いている人もいるんですが、なぜでしょう? いい処方箋がないからかもしれませんね。
システム5.1さん
もう十分よばれてますって(笑)
だいたい、カリスマと呼ばれた頃には危ないモンで、気をつけてくださいよ!!(爆)