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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2005/04/20 09:02  | 中央銀行 |  コメント(2)

マーケットあれこれ・・日銀の政策はどうなるか。


大変興味部外記事を書かれています。愛読の「本石町日記」です。

http://hongokucho.exblog.jp/

こういったことはマーケットの関係者の中では長く確信を持たれていたわけですが、今回外資系に転出される元副総裁に日銀出身者が直接この質問をぶつけるということ自体これまであまりあった訳ではありません。
その意味では日銀出身者間のある種の「タブー」が破られつつあると同時に、まあ、日銀を退職するなんて考えられん、といった上層部の「思い込み」のふたをあけ、開かれた議論になってくる可能性があり、アメリカの連銀型(FRBから出て行く人も来る人も双方向で開かれる)のメリットがそろそろ模索されてよいのでは、と思っております。個人的にはこういう問題をやりとりできるだけ、あま、ずいぶん進んだなー、と思います。

肝心な点はここに書かれている通り、当事者である日銀が今回の一連の緩和政策に対し、効果が疑わしいと考えていた(少なくともやまぐちさんはそうだった)にも拘わらず、ずるずるとこの政策にはまっていったという経緯です。戦争の時とそっくりですね。

日本という国の経済政策を考える場合、常にこのパターンを恐れなければならないというのがつらいところ。アメリカの場合、マーケット全体が危機に瀕するまでかなりの度合いマーケットに自由にやらせてプラスマイナスを「refine」していくという手法をとりますね。これがあるときはやり過ぎ、になる訳ですが、バランスの取れた結果を導き出すことが多いというのも事実であります。例えば今回のGMに関してもその意味では落としどころはまだまだ先、という見方になる訳です。マーケットの評価が定まるのを待つ訳ですね。その間投資家は大変ですが、ミスリードさえされなければよい、というリスク・リターンの自らの判断力が試される訳です。

GMのCFOも「ジャンクになる準備をしましょう」なんてほんと、他人事のような発言で困りますが、一応CDSなど、クレジットスプレッドは落ち着きを取り戻しつつあり、700あたりをうろうろということろですね。昨日ご紹介したようなアービトラージが入るのであるところではいったん落ち着くんですね。でも、本格的な動きはまだ先です。

中国問題はやはり株価にダメージを与えています。しかしながら、お互いもう離れられない中の悪い夫婦のような関係ですからこのあたりでなんらかの方向が見えて欲しいものです。5月4日は例の、54運動という中国でも大変政治色の濃い日にあたりますので、ここまでがやま、と見ています。

新ローマ法王は事前の読みどおり、最も保守に近いといわれるラツィンガー枢機卿に決定。最も右よりですが、ドイツ出身というのはバチカンもかなり冒険をした訳です。もともとプロテスタント色の極めて濃い、何せマルティン・ルターの総本山ですので、ここの出身者を持ってしても、バチカン保守色の濃いラツィンガー枢機卿を持ってきたというところが注目です。前法王のように東欧出身は異色でしたが、ポーランドというほぼ国民全員がカトリックという国の出身という訳ではありません。その意味で(リスクをとってまでドイツ出身者を選んだ)カトリックの保守化は明らかで、対イスラムについては相当強硬な態度を取るだろうと予想されますので、予断を許さない人事となりました。宗教の衝突・・・であります。

ではまた!!

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2 comments on “マーケットあれこれ・・日銀の政策はどうなるか。
  1. 紹介ありがとうございます

    ご指摘にように人材交流が進めば、政策論の透明化がさらに確保されると思います。もっとも、金融政策は柔軟性が逆手に取られて経済政策として最もしわ寄せを受ける面が強いので、ずるずるはまる状態から抜け出すのは容易ではないです。今後ともよろしくお願いします。

  2. ぐっち より
    こちらこそ

    また、鋭い舌鋒を期待しております。

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