2005/09/16 09:19 | 金融全般 | コメント(9)
ソンビのように・・・・
どうにも手が足りず、猫を3びきくらい導入したのですが、まさに猫の手・・・
役にたちません・・・虎くらい奮発するべきだったか・・
という事で、一日更新を失礼致しました。今日よりかなり通常モードに戻りますので、引き続きよろしくお願い致します。
私の不在中にもコメント欄で活発にご発言、議論など頂いて、参加者の皆様には本当に感謝申し上げます。こういう皆様の励ましを頂きつつ、拙くも何とか続けられているものと、改めて感謝申し上げる次第です。
さて、旧聞に属する話題でありますが、ついにデルタとノースがチャプター11を申請致しました。これで、UA,USエアーが既に11申請済みなので、アメリカの主要大手7社のうち4社がすべて倒産企業、という笑えない事態を迎えました。
生き残りはアメリカン、コンチネンタル、サウスウェストと首位のアメリカンを除くとローカル色が強い企業ですので、事実上アメリカンの一人勝ち。ここはブッシュ大統領と大変関係が深く、ちょっと「??」と感じているのは事実です。
チャプター11は倒産という表現ではありますが、債権債務に関する部分を凍結、解消(つまり踏み倒す)するわけですが、企業事態の存続は切り離す、という正確には「ゾンビ」型倒産処理です。
アメリカでは、急に飛行機が飛ばなくなると困るので、債権債務は関知しないが、当面の飛行機運行に必要な資金は政府保証で調達させるなどして、なんとかオペレーションだけを維持するのが通常で、UAなども実際これで飛んでいます。何せ倒産ですから、従業員の給料や年金、その他様々なベネフィットを容赦なく切り捨てていき、生き残れるような姿になった時点で再上場を狙ったり、企業の買い手を探すなど、アメリカ型資本主義のダイナミズムを発揮して行く場面です。
ぐっちーがGM,フォードで解説していたことがまさにここでも当てはまります。70年代はアメリカ航空産業もまさに飛ぶ鳥を落とす勢いで、世界を席巻したわけですが、その時の従業員の退職金、年金支払い、などが今になってのしかかってきて、ディスカウント競争を続ける今のビジネスモデルでは収益が出ずにとても払えきれなくなってしまった訳です。原油高は最後の一撃、といえるでしょう。
詳細をチェックしていないのでちょっと雑駁な議論を勘弁して頂くとしても、「アメリカで起きたことは10年ー20年後に日本で起きる」の法則に乗っ取るなら、先日特集した日本航空もかなり怪しい、と言わざるを得ません。もちろん高コスト体質といってもアメリカ航空大手の規模から見ればかわいいもんですし、国内線はほぼ2社独占で価格競争の必要がないので状況は違う。でも日本国内路線もいつまでも大手2社独占では無いでしょうし、必ずアメリカに近い状況が来るはずです。例えば中国が本格的に国際線ビジネスに参入してくるとも十分に考えられます。先日の指摘の通り、日本航空は難しい局面が続くと考えます。
本件に関してはアメリカでは織り込み済みで特に材料にはならないでしょう。これもハリケーンの時に書きましたが、アメリカの金利政策に影響を及ぼす事はありません。
一方、監査法人に関しては皆様に活発な議論を頂きまして有難うございました。エンロンの時のアンダーソンのようになる可能性をご指摘される方も多数おられましたが、確かに十分に考えられるでしょう。既に足利銀行の疑惑まで「ゾンビ」のように蘇って来ました。状況を注視致しましょう・・・
ご指摘いただきましたように、上記はアンダーセンでしたね。何故かアンダーソンと打ってしまった。関係者の方、申し訳ありませんでした。ご指摘痛み入りまする。
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9 comments on “ソンビのように・・・・”
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アンダーソン → アンダーセン ?
債権債務に関する踏み倒しですが、UNSECURED bondの場合、どのくらいの率で踏み倒すものでしょうか、今回のデルタの場合で80%カットぐらいでしょうか?12/15/05 満期のDAL.GH の価格から
推定すると85%カットでしょうか
それとも100%近いのでしょうか
DALと比べてNWACの方は債券価格があまり下がらず取引量も少ないのは何か理由があるのでしょうか
リアリティあふれる解説、頭が下がります。勉強になります。構造的な変化には、抗し難いですよね。しかも、変化の渦中にいると、それが構造的なものか一時的なものか、判断が難しいですし。人間は自分に都合よく解釈する生き物だとすれば、なおさらですよね。一方で、現実は現実で冷酷ですし。まさにそこが経営者の判断能力が問われるポイントなのでしょうか。とにかく注目したいです。
そういえば、Amrican Airlinesも一度chapter 11を
fileする寸前まで行きかかりましたよね。表向きは
組合との妥協が成立したことになってますけど、
実際のところ何か別のことがあったんでしょうか?
はいはいッ!
自分などは、アンダーソンって、云ってましたがw
何処の話よ?って、いつも突っ込まれてました。
監査法人ってのはますます面白みが無くなってきて
いますね。自分のところでも、「たいまつ」からの
担当者が大先生ぶって我が世の春を謳歌しています
けど、微笑ましいです。
このエラそうにしている方々に「フィー」を払うため
どれだけ営業が頑張らねばならないか、分かって
ないだろうな…。
身動き取れないドイツ。
日本株にどう影響するか?
皆目わかりません・・・。
ユーロ安?>円高?>日本株高?
トラの手を借りたい程の状況のぐっちさんにこんな事を言ったら怒られそうですけど、私お仕事がひと段落したので2週間の休暇を頂きました。が…、会計のお勉強の為に図書館にかんづめ。因みにお気に入りの図書館は都立中央図書館(広尾)と国立国会図書館(永田町)!でもね、前にお世話になったアーチェリーの先生には会いに行こうと決めてます。ついでにアーチェリーも出来たら最高なんですけど…。ぐっちさんは最近スポーツしてますか?★LuVz
このところコメントにお返事が出来ていなかったので頑張ってお返事しますのでしばしお待ちください。
ひーさん
実はUnsecuredってくらいなもんですから、本当の価値はないんですね。Securedは担保が一応あるのでおよその価値はわかりまして、通常ですとだいたい悪くても50%は残る。債券(Bond)はご指摘の通りUnsecuredですから、ゼロと見るべきでしょうが、現実には20?30くらいの価格で取引されます。
これがほんとの意味でのジャンクボンドでして、売り買いをする腕の見せ所です。デルタがもし、ここで債務をきれいにして、かつ従業員の給料を半分にし、あつ航空料金を倍にできたとしたらどうでしょう?おそらくとんでもなく黒字がでるので、債券の価格は急騰するでしょうね。しかし、そういう状況でなければこの債券の裏づけは、デルタというのれん、プラスこれから出てくるキャッシュフローの合計ですので、そのあたりの見方で値段が決まる訳です。実際にチャプター11から立ち直った会社は数多くありまして、であれば20で買ったものが100で返ってくるので大もうけ、ということになりますね。このあたりを総合すると債券の場合、まあ、50%戻ってくれば成功と言えるのではないでしょうか。
AEGISさま
おほめに預かり光栄です・・・
おっしゃるとおり、現実に黒字の航空会社もある訳ですからね、ビジネスモデルの問題と押し付けるより、要は経営者の腕の問題だろーと、私も思いますよ。
おおみや%NEETさま
実際11になっちゃうと年金やらなにやら吹っ飛んでしまう訳ですよ。倒産したんだから、給料だってめちゃめちゃ下げられる。なら、いま妥協できるものは妥協して倒産を回避する、という発想が出てくるんですわ。AAは良い例ですね。11にかかると元も子もなくなるので、こういうバイアスが働くんです。
lmdcさん
まあ、その通りですね。ただ、かなり厳しい状況にはなるでしょうね。私の同期あたりだともう苦しいといってました>会計士
株する経済音痴さん
予想通りになってますね?・・・
さすがに本日の日本株高(20日前引け13095.90円で、なんと117.22円高!!っときたもんだわ)は私は予想できませんでした。さすが、です。
tomokoさん
アーチェリーっすか。いいですね。
今回の腰痛は運動不足が原因のようです。。。
寂しい・・・
腰痛顛末記を拝見していないので、なんともいえないけど、運動不足は体のいろいろなところに悪さをするので気をつけたいですよね?。アーチェリー(今度、詳しく語りたい!)もおすすめだけど、就寝前のヨーガは良いことずくめですよ?。★Luv Ya