ブログ記者によるオンライン新聞 グッチーポスト

The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2018/07/02 00:00  | 今週の動き |  コメント(3)

今週の動き(7/2~8)

もう梅雨明け。早いですね。すでに夏本番を思わせる青空と暑さ・・暑いのはしんどいですが、気分は明るくなります。

7月3日に配信すると述べていましたが、やはりいつもどおり月曜に配信します。お騒がせしました(笑)。

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先週の動き
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6/23(土)
・イラクのアバディ首相とサドルが同盟結成を発表

6/24(日)
・トルコ大統領選挙・議会選挙(エルドアン大統領と与党連合が勝利)
・EU緊急首脳会合(移民・難民問題を議論)(ブリュッセル)
・サウジアラビアで女性の運転が解禁

6/25(月)
・ハーレー・ダビッドソンがEUの報復関税を受けて欧州向けオートバイの生産を米国から海外に移転すると発表
・ボルトン大統領補佐官が英国、イタリア、ロシアを訪問(~27日)
・ポンペオ米国務長官が北朝鮮の非核化を巡る協議に期限を設けない考えを示したとの報道
・AIIB年次総会(ムンバイ、〜26日)
・フランスが英国を含む欧州の軍事部隊「欧州介入構想」を発足

6/26(火)
・トランプ大統領がハーレー・ダビッドソンを激しく非難し「高い税金を課す」とツイート
・米下院が対米外国投資委員会(CFIUS)による対米投資の審査を厳格化する法案を可決
・トランプ政権が日本や中国を含む各国に対しイラン産原油の輸入を11月4日までに停止するよう求め、できない場合は経済制裁を科すと警告
・米連邦最高裁がイスラム圏の5か国(イラン、リビア、ソマリア、シリア、イエメン)からの入国禁止令を支持する判断
・米国の17州とワシントンDCが不法移民の親子分断政策をめぐりトランプ政権を提訴
・カリフォルニア州の連邦地裁が不法移民の親子を同じ施設に収容することをトランプ政権に命じる仮処分命令
・中間選挙の予備選(コロラド、グアム、メリーランド、ミシシッピー決選、NY、オクラホマ、サウスカロライナ決選、ユタ)
・中国国務院が7月1日からインド、韓国、バングラデシュ、ラオス、スリランカから輸入する大豆の関税を3%からゼロに下げると発表
・英国でEU離脱法が成立

6/27(水)
・トランプ大統領が中国による知的財産権侵害対策のため対中輸出を制限し、中国の対米投資制限にはCFIUSで対応する(新たな措置は導入しない)と発言
・ボルトン大統領補佐官がプーチン大統領と会談(モスクワ)
・マティス国防長官が初訪中
・ケネディ連邦最高裁判事が7/31に引退すると発表
・環太平洋合同軍事演習(RIMPAC)開始(ハワイ・南カリフォルニア海域、~8/2)
・インドネシア統一地方選挙
・南スーダンのキール大統領と反政府勢力のマシャール前第一副大統領が和平合意

6/28(木)
・トランプ大統領がウィスコンシン州で台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が開いた新工場の着工式に出席
・マティス国防長官が訪韓、訪日(〜29日)
・メリーランド州アナポリスの新聞社で銃乱射事件
・EU首脳会議(ブリュッセル、~29日)

6/29(金)
・トランプ大統領が米ロ首脳会談でロシアのクリミア併合を承認する可能性を示唆
・トランプ大統領がTV番組で10月を目処に追加減税案(法人税を20%に引き下げ)を打ち出すと発言
・クドロー大統領補佐官がTV番組でFRBの利上げ加速を牽制する発言
・スーザン・ソーントン国務次官補代行(東アジア・太平洋担当)が7月に辞任するとの報道

●トランプ政権の「貿易戦争」とハーレーの生産の米国外への移転

ハーレー・ダビッドソンがEUの報復関税を回避するために生産を国外に移転するとの判断。トランプ大統領は激怒のツイート。ちょうどタイミング悪く(?)ハーレーの本社があるウィスコンシン州で台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が開いた新工場の着工式に出席するイベントがあり、ここでも厳しく非難しました。

「貿易戦争」が「アメリカ・ファースト」と逆行する結果を導いた皮肉なケースとなりましたが、当然のことながらこれでトランプがひるむことはないでしょう。不透明な状況はまだまだ続きます。

今の時点で最も恐れるべきシナリオは自動車関税の導入可能性ですが、この見通しを考える上で重要なのは米中の報復合戦の行く末です。これがマーケットに与える影響がトランプの今後の振る舞いを決める大きな要因になると考えられるからです。

米中が本格的に「貿易戦争」に踏み込む懸念が高まっていることは先週の記事で述べました。

「トランプ政権の「貿易戦争」の拡大」(6/25)

今回は最近の状況を踏まえてこの点をさらに突っ込んで解説します(※メルマガに限定)。

●米ロ首脳会談

ボルトン大統領補佐官がロシアを訪問してプーチン大統領と面談し、その翌日、米ロ両国が7月17日にヘルシンキで米ロ首脳会談を行うことで合意したと発表しました。トランプは7月11日~12日にブリュッセルで開催されるNATO首脳会議に出席するため訪欧するので、その機会に欧州の第三国で会うとのことです(この機会にトランプは英国も訪問)。

これだけ米ロ関係が悪化し、米国内でロシアへの反発が高まる中で、なおロシアへの接近をあきらめない(?)情熱は異様ですが、その背景には、オバマ前大統領や政策エリートへの反発、自らのロシアビジネスとの関わりがあると推測されていることは、以下の記事などで述べてきたとおりです。

「ロシアへの制裁見送りとヘイリー国連大使」(4/23)

さらに今回は、米朝首脳会談によって支持率が上昇したことから、おそらく国民へのアピールとしても利用できる・・と踏んでいるのでしょう。

それにしても、NATO首脳会議で同盟国と会った後、ヘルシンキでプーチンと会う・・という構図は、G7サミットで同盟国と争った後、シンガポールで金正恩と会う・・という先月の展開と何やらそっくりです。

こうなるとNATO首脳会議もG7同様に大荒れの事態になりそうです。トランプは、首脳会談ではロシアのクリミア併合を認めるのかとの記者からの質問に対し、「成り行きを見守らなければならない」として、その可能性に含みをもたせました。これも大きなアジェンダになるでしょう。

欧州側では、ちょうど先週25日、フランスが英国を含む欧州の共同軍(欧州介入構想)を発足させました。マクロン大統領は昨年にこの構想を発表していましたが、欧州の米国離れの動きの一つの表れとみることもできます。

一方で後述のとおり、EU内でもイタリアが不確定要因になりつつあります。NATO首脳会議でもコンテ首相がワイルドカードになるかもしれません。

●イラン制裁の包囲網

米国が日本や中国を含む各国に対しイラン産原油の輸入を11月4日までに停止するよう求め、できない場合は経済制裁を科すと警告。以下の記事で述べた見通しが的中しました。

「ポンペオ国務長官のイラン戦略」(5/28)

この意味と展望について解説します(※メルマガに限定)。

●ケネディ最高裁判事の引退

アンソニー・ケネディ最高裁判事が引退を表明。ワシントンDCを揺るがした衝撃のニュースでした。

以下の記事で述べたとおり、米国の最高裁は米国の歴史を形作るほどの影響力をもった機関であり、その判事の人事は米国政治の一大イベントとなります。

「スカリア最高裁判事の死去」(16/3/2)

アントニン・スカリア判事が死去した後、オバマ前大統領は後任にメリック・ガーランド判事を指名しましたが、共和党は大統領選が近づいていることを理由に承認手続きの開始を拒否し、ガーランドの就任は実現しませんでした。

トランプが大統領に就任すると、ニール・ゴーサッチを指名し、昨年4月に上院の承認にこぎつけました。以下の記事で述べたとおり、これは税制改革が実現する前の時点ではトランプ・共和党政権が成し遂げた最大にして唯一の成果といわれました。

「トランプ政権のパワーポリティクス(政権発足6か月)」(17/8/2)

ゴーサッチ就任後の現在の最高裁判事は以下のとおりです。

・アンソニー・ケネディ 保守(穏健) レーガンが指名
・クラレンス・トーマス 保守 ジョージ・H・W・ブッシュが指名
・ルース・ギンズバーグ リベラル クリントンが指名
・スティーブン・ブライヤー リベラル クリントンが指名
・ジョン・ロバーツ(長官) 保守 ジョージ・W・ブッシュが指名
・サミュエル・アリト 保守 ジョージ・W・ブッシュが指名
・ソニア・ソトマイヨール リベラル オバマが指名
・エレナ・ケイガン リベラル オバマが指名
・ニール・ゴーサッチ 保守 トランプが指名

ここで今回のケネディ引退の発表です。ケネディはリバタリアンに近い保守派で、特に経済問題については個人主義を重視し消費者や労働者の保護よりも企業と雇用者の自由を優先しました。しかし、社会問題については同性婚や中絶を容認する見方をしていたので、その点を勘案して中道と言われます。

ケネディの引退は、トランプ・共和党にしてみれば、さらに保守的志向の強い判事を指名できるという僥倖に恵まれたことを意味します。クリントン、ジョージ・W・ブッシュ、オバマは2期8年の間に2人の判事を指名する機会がありましたが、トランプはわずか18か月の間に2人。やはり尋常でない強運の持ち主です。今後の注目ポイントを解説します(※メルマガに限定)。

●中間選挙の予備選

今週の中間選挙の予備選では、民主党においては、NYで、下院民主党ナンバー4で、ナンシー・ペローシ院内総務の後継者といわれていた現職のジョセフ・クローリーが「民主社会主義者」を自称する左派で28歳の女性であるアレクサンドリア・オカシオ・コルテスに敗れるという波乱がありました。

共和党においては、トランプが支持を表明したサウスカロライナ州の現職知事ヘンリー・マクマスターとNY州下院の現職ダン・ドナバンが勝利。以下の記事で述べた「共和党のトランプ党化」を示す結果になっています。

「中間選挙の予備選」(6/18)

そしてユタ州では上院に出馬したミット・ロムニー(元マサチューセッツ州知事、12年大統領選共和党候補者)が危なげなく勝利しました。

こうした一連の動きを解説します(※メルマガに限定)。

●トルコ大統領選挙・議会選挙

エルドアン大統領の勝利が確定。エルドアンが勝つことは予想どおりでしたが、決選投票まで至らず勝利を確定させたのは予想外でした。

また、AKPは議席を減らし過半数を割り込みましたが、与党連合(AKPとMHP)は過半数の議席を確保。MHPが予想外に票を伸ばしたことが効きました。

選挙結果と今後の展望について今週解説します。

●EU首脳会議

移民・難民問題の議論が紛糾。混乱の源となったのはイタリアのコンテ首相でした。10時間近くに及ぶ夜を徹した交渉を経て、移民・難民受け入れの分担を見直すというイタリアの要求が通った形で合意が成立。

政治経験がなかったコンテですが、予想外にタフな交渉手腕を見せました。コンテは前述のとおりロシア制裁の解除も主張しており、これからも欧州政治をかき回すキーパーソンになりそうです。

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今週の動き
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7/1(日)
・メキシコ大統領選挙・議会選挙
・カナダが米国の鉄鋼・アルミ輸入制限への対抗措置として米国製品(166億カナダドル相当額)に報復関税を発動
・アフリカ連合(AU)総会(ヌアクショット、~2日)

7/4(水)
・米国の独立記念日

7/6(金)
・米国が中国製品818品目(340億ドル相当額)に対する25%の追加関税を発動
 →中国も米国製品545品目(340億ドル相当額)に対する25%の追加関税を発動

●メキシコ大統領選挙

ポイントは先週の記事で解説したとおりです。

「メキシコ大統領選挙」(6/25)

選挙の結果を見てから解説します。

●米中の制裁発動

「先週の動き」(メルマガ限定部分)で述べたとおり、おそらく制裁は発動されるでしょう。その後の見通しは前述のとおりです。

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あとがき
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ワールドカップ、ドイツが決勝トーナメントに出られず、メッシクリスチアーノ・ロナウドも初戦で敗退・・フランスのエムバペなど新しいスターが出てきているとはいえ、古くからの顔が早々にいなくなるのは何ともさびしいものですね。

日本はいよいよベルギー戦。強敵相手にどこまでやれるか、時間帯的にライブで見るのは厳しいですが・・健闘を期待しましょう。

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3 comments on “今週の動き(7/2~8)
  1. 下北のねこ より:
    新陳代謝

    昔からの有名選手頼みじゃなく、新しいスター選手が生まれ、入れ替えがうまく進んでいるところが強いんだと思います。
    私が今回予選でいいと思ったのはクロアチア、フランス、ベルギーと思ったけ、いきなりデンマーク先制!!
    ワールドカップサッカーって、終わってから眠れなくなるのが辛いですね。

  2. KB より:
    嬉しいサプライズ

    こう言う予定変更は大歓迎であります。やはり、月曜日はJDさんのメルマガで始まるのがファンとしては嬉しいです!

    中国に対する認識、最高判事、中間選挙の予備選の流れを読む。どの記事をとっても、長年の情報やデータ、人の動きなどが丁寧に積み重ねられらながら、話がつながっていくあたり、感動的です。

    トランプ流の政治スタイルだけでなく、アメリカ政治の伝統的スタイルも抑えながら語られる、イラン制裁の包囲網についての記述はかなり興味深かったです。

    お仕事がお忙しく、時間も制約される中で、コンスタントに発信し続けられる、フィジカルとメンタルの強さは、どうやって作るのか伺いたいところ、、トランプのせいで、ライフハック的な話題の出番がなくて、少しさみしいですが、仕方ないですね!(笑)

  3. ペルドン より:
    要注意

    >>左派で28歳の女性であるアレクサンドリア・オカシオ・コルテス
    サンダースの地方の選挙事務所出・・NYとは無縁の女性。これがNYと民主党のボスを
    蹴り出した。共和党候補を本選挙で足蹴にすれば・トランプにとっては容易ならぬ
    潮流。
    CNNインタビューを見ましたが・・エネルギッシュな頭が切れる魅力的な女性。
    NY市民は・・彼女の未来と民主党の未来・自分の未来を・・彼女に賭けたくなったのでしょう。完全な新しい波。
    その点から考慮すると・・
    ロムニーではトランプには対抗出来ないし・本人が出るかな・??
    共和党の体質も激変してきている。
    サンダース達が出てくれば・ロムニーのエネルギーでは対抗可能か否か・?!大いなる疑問・・・
    ( ^ω^)

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