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2022/04/18 00:00  | 今週の動き |  コメント(2)

今週の動き(4/17~23)ロシアのウクライナ侵攻、フランス大統領選挙、米印首脳会談


東京は、まだ時折寒くなることもありますが、晴れると初夏のような暖かい気候になりました。外にでかけたくなりますが、忙しくてなかなか時間が作れません・・ゴルフくらいになってしまいます(苦笑)。それにしても、今年は花粉症がきついような気がしますが、例年こんな感じだったでしょうか。

今週はいよいよオンラインセミナーです。私はウクライナを中心に、色々面白いネタを用意しました。時間が足りるか心配になるくらいです(笑)。ご関心のある方は、ぜひこちらをご覧下さい。

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先週の動き
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4/10(日)
・ウクライナのベネディクトワ検事総長がキーウ州で計1,222人の遺体を確したと英スカイニュースのインタビューで発言
・フランス大統領選挙の第1回投票(1位マクロン、2位ルペン、4/24に決選投票)
・スウェーデン議会と欧州議会の合同議員団が訪台(~14日)
・豪州連邦議会の下院が解散(5/21に総選挙)
・ツイッターがテスラのマスクCEOの取締役就任の辞退を発表

4/11(月)
・米印首脳会談(オンライン)
・米印外務・防衛担当閣僚協議(2+2)(ワシントンDC)
・ロシア・オーストリア首脳会談(モスクワ)
・ウクライナのゼレンスキー大統領が韓国国会でオンライン演説
・ウクライナのマリウポリで戦闘を続けるウクライナ軍のアゾフ連隊が「ロシア軍が有毒な物質を使った」とSNSに投稿
・ウクライナのマリウポリのボイチェンコ市長がロシア軍の攻撃で市内で1万人以上の民間人が死亡したとAP通信のインタビューで発言
・EU外相理事会(ルクセンブルク)
・カナダがロシア追加制裁を発表
・パキスタン下院がPML-Nのシャバズ・シャリフ党首を新首相に選出
・北朝鮮で金正恩朝鮮労働党総書記の就任10年を祝う式典(平壌)

4/12(火)
・ロシア・ベラルーシ首脳会談(プーチン大統領はウクライナにおける軍事作戦の継続を表明)(ボストーチヌイ宇宙基地)
・バイデン大統領がアイオワ州デモインを訪問(ロシアのウクライナ侵攻における行為を「ジェノサイド」と呼んで非難)
・米英首脳電話会談
・ドイツのシュタインマイヤー大統領がウクライナから訪問を拒否されたと表明
・ウクライナが親ロシア派野党の指導者ビクトル・メドベドチュクの拘束を発表(ゼレンスキー大統領はロシアに捕虜交換を提案、ロシアは拒否)
・日本がロシア追加制裁を発表(新規投資の禁止)
・米国務省が21年版の人権報告書を公表
・オクラホマ州で人工妊娠中絶を「重罪」とする法律が成立
・台湾の蔡英文総統が訪台したスウェーデン議会と欧州議会の合同議員団と会談(オンライン)
・韓国の尹錫悦次期大統領が朴槿恵前大統領と会談(大邱)
・岸田首相とハガティ上院議員(前駐日大使)が会談(東京)

4/13(水)
・米・ウクライナ首脳電話会談(バイデン大統領は8億ドルの追加支援を表明)
・ポーランドとバルト3国の大統領がウクライナのキーウを訪問(ゼレンスキー大統領と会談)
・ウクライナのゼレンスキー大統領がエストニア議会でオンライン演説(ロシア軍がウクライナで白リン弾を使用していると発言)
・ロシア国防省がマリウポリの製鉄所近くでのウクライナ兵1,026人の投降と商用港の占領を発表
・イエレン財務長官がアトランティック・カウンシルの講演で中国に対しロシアへのウクライナとの停戦に向けた対応を要請

4/14(木)
・ロシア国防省が黒海艦隊の巡洋艦「モスクワ」の沈没を発表(ウクライナはミサイルの攻撃を発表、米国防総省はウクライナのミサイル攻撃を確認)
・ロシアのブリャンスク州とベルゴロド州の知事がウクライナ軍は同州の町と村を攻撃したと発表(ウクライナは否定)
・ロシアが米国にウクライナへの軍事支援は予見できない結果をもたらすと警告する外交文書を送ったとワシントン・ポストが報道
・ロシア国防省が日本海で潜水艦2隻による巡航ミサイル「カリブル」の発射演習を実施したと発表
・バイデン大統領がノースカロライナ州グリーンズボロを訪問
・ECB定例理事会(フランクフルト)
・ツイッターがテスラのマスクCEOからの買収提案を発表

4/15(金)
・ロシア国防省がキーウの軍需工場をミサイルで攻撃したと発表
・ロシア国防省がマリウポリの製鉄所の制圧を発表
・ロシア軍がウクライナのイジュームで避難中の民間人が乗ったバスを攻撃し7人が死亡したとウクライナが発表
・グッド・フライデー(聖金曜日)
・バイデン大統領がFRBの金融監督担当副議長にミシガン大学のマイケル・バー教授を指名する意向を表明
・西安市が新型コロナウイルス対策の活動制限を発表
・台湾の蔡英文総統が米上下院の超党派議員団と会談(台北)
・北朝鮮の太陽節(故金日成の誕生日)

4/16(土)
・ロシア国防省がキーウの戦車工場とミコライウの兵器修理工場をミサイルで攻撃したと発表
・ウクライナのゼレンスキー大統領がロシア軍の攻撃によりマリウポリの守備隊が全滅した場合には停戦交渉を打ち切ると発言
・インドがロシアから購入した地対空ミサイルシステム「S400」の2基目の搬入が始まったとの報道
・パキスタン軍がアフガンとの国境地帯で空爆を行い、41人が死亡したとアフガンのメディアが報道

●ロシアのウクライナ侵攻

ロシア軍によるウクライナ侵攻は、本日(4月18日)で54日目を迎えました。

ロシア軍は引き続き北東部(ハルキウ、イジューム)、東部(ドネツク、ルハンスク、マリウポリ)、南部(ヘルソン、ミコライウ)で攻撃を行っています。マリウポリは、ウクライナ軍が抵抗を続けていますが、ロシア軍は重要拠点を制圧してウクライナの守備隊を孤立させ、大詰めを迎えているようです。なお、アゾフ連隊がロシアによる化学兵器の使用の可能性を示唆しましたが、ウクライナ政府は確認できていないと述べています(米国も同様の見解)。

一方、東部では、ロシア軍の部隊の集結が続けられており、本格的な大攻勢に向けて準備をしているようです。作戦を中断することはなく、小規模な攻撃は継続していますが、今のところほとんど領土的な進展はみられません。

南部では、黒海艦隊の旗艦である巡洋艦「モスクワ」が沈没するという事件が起きました。ロシアは偶発的な火災と弾薬の爆発によるものと説明していますが、ウクライナは対艦ミサイル「ネプチューン」による撃沈を主張し、米国防総省もミサイルが命中したことを確認したと発表しています。

モスクワの撃沈は極めてインパクトが大きい戦果です。しかもモスクワは、ロシアが侵攻開始直後にズミイヌイ島(スネーク島)を攻撃し、ウクライナ兵から「ロシアの軍艦よ、くたばれ」と言い放たれた因縁の艦船だったので、その意味でも象徴的でした。

バイデン大統領は、ロシアの民間人殺害を「ジェノサイド」と呼んで非難しました。ゼレンスキー大統領と電話会談を行い、8億ドルの追加支援を表明。攻撃力の高い兵器をさらに供与する方針を示しました。

ポーランドとバルト3国の大統領もキーウを訪問。一方、ドイツのシュタインマイヤー大統領は、ウクライナから望まれていないとの反応があったので訪問を見送ったと表明しました。ゼレンスキーは戦車や重火器を含め、さらなる武器支援の強化を求めていますが、ドイツのランブレヒト国防相(SPD)はNATOによる決定でなければならないと表明。ただし、ベーアボック外相(緑の党)は早期の供与を求めると公言するようになりました。

以上の最新の動きを踏まえ、現状と展望について解説します(※メルマガで解説)。

●フランス大統領選挙

フランス大統領選挙の第1回投票が行われました。得票率は以下のとおりでした。

1 エマニュエル・マクロン 大統領 28%
2 マリーヌ・ルペン 極右「国民連合」 23%
3 ジャン=リュック・メランション下院議員 極左「不屈のフランス」 22%
4 エリック・ゼムール 極右評論家 7%
5 ヴァレリー・ペクレス 右派・共和党 5%
10  アンヌ・イダルゴ 左派・社会党 2% 

おおむね先週の予想に沿った結果でした(以下の記事参照)。4月24日に決選投票です。ポイントを解説します(※メルマガで解説)。

「フランス大統領選挙」(4/11)

●米印首脳会談

米国とインドがオンライン首脳会談と外務・防衛閣僚協議(2+2)を開催しました。ポイントを解説します(※メルマガで解説)。

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今週の動き
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(※メルマガで解説。)

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あとがき
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駅のロシア語案内覆い隠す JR東日本、批判受け撤回―東京(4月15日付時事)

これは当然でしょう。そもそも、苦情があったからといって、ロシア語を隠すという決定をした恵比寿駅の感覚が信じられません。

ロシア語といえば、これとは違う話ですが、先月末に日本政府はウクライナの地名をウクライナ語の呼び方に変更することを決定しました。

ウクライナの首都等の呼称の変更(3月31日付外務省)

これを受けて、私もこの政府の表記に合わせるようにしました。それ以前からウクライナ語の呼び方を使うことも考えたのですが、あえて従来のロシア語読みを続けていました。

というのも、ウクライナではロシア語が広く使われているからです。ゼレンスキー大統領も、実は母語はロシア語で、19年に大統領選に出馬したときは、ウクライナ語はあまりうまくないと言われていました(その後上達した模様)。

ポロシェンコ前政権では、ウクライナ語の教育や地位を高める政策が進められていましたが、ゼレンスキーは、そうした動きがロシア語の制限につながることを懸念し、慎重な姿勢を見せていました。その背景には、自身のバックグラウンドもあったでしょうが、母語がウクライナ語でも生活ではロシア語を使うという人が多いという事情があったからです。

自国語を大事にするのは当然なことと思いますが、それが不自然に他の言語をないがしろにすることになれば、意図せざる副作用を生むおそれがあります。こうした事情に鑑み、私は、日本政府の決定やウクライナからの希望が明確に表明されない限りは、従来の読み方を変える必要はないと思っていました。

しかし、今回の外務省の発表を見て、ウクライナ政府の考えも日本政府の方針も明確になったので、これに倣うことにしました。私はロシア語もウクライナ語もかじった程度なのですが、日本語表記でも明確に分かるのは、キーウ、リヴィウなど「в」が文末などにあると「w」の発音になる(ロシア語のキエフ、リヴォフとはならない)ことです。こちらの記事の「あとがき」で取り上げた「シェフチェンコ」も実は「シェウチェンコ」になります(上記「今週の動き」で言及した中銀総裁も同じ名前)。

ただ、混乱を避けるためか、メディアは地名や人名によっては従来の呼び名を残したり、両方の読み方を併記したりしているようです。私も、便宜上、多くの人が慣れるまでは、工夫して対応したいと思っています。

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2 comments on “今週の動き(4/17~23)ロシアのウクライナ侵攻、フランス大統領選挙、米印首脳会談
  1. たな より:
    橋下氏の主張 いかに一般人を守るか

    Twitterでの長文はかなり読みにくく、かつ情報が流れやすいので、正確に読み取るのは難しい上に、橋下氏のあの表現方法は他人に受け入れ難いことを理解した上でコメントさせてもらいます。

    彼の最大の主張を端的に言えば、ウクライナ政府や西側諸国またはNATOは、戦う意思がなく一刻も早く逃げ出したい一般人が逃げられることを優先すべき、ということに尽きると思います。

    この戦況で一般人を逃がす手段をどうするかという問題は残りますが、この意見は真っ当で私は完全に同意するのですが、この点に異論がある方はいるのでしょうか?(たとえばウクライナとロシアが戦っている最中、一般人の救出を優先するとウクライナ軍がロシア軍を撤退させるという最大の目的の達成に大きな支障が出るため、救出は最優先できず、犠牲となっても受け入れるしかない、など)

    橋下氏が最も伝えたいのはおそらくこの部分で、その他の修飾に過ぎないはずの意見が注目されてしまってるような印象を受けます。それは彼の敵対的で注目を集めやすい言葉遣いのせいなので、本人の問題でしょうが、その修飾部分を削ぎ落とした意見は納得できます。

    そして橋下氏は、最初に政府が採った、一般男性を国外に出させないという方針を批判しています。これも逃げたい人がもしいたなら逃してあげるべきという考えが根底にあるからと思いますが、これも間違った考えではないように見えます。

    他の民主国家では、この方針は賛成多数になるのでしょうか?
    もしアメリカやフランス、日本がウクライナの立場だとして、軍隊以外の成人男性も戦力として全員国内に留まることを強制されたら批判は起きないのでしょうか?

    もし反対多数であれば、実際にそういう状況になったとき、日本はどうやって一般人を逃がすかについて今から議論を始めるべき、というのも彼の一連の提案と理解しています。
    そんな議論を始めたら他国を触発するので触れるべきではないという意見もあるかもしれませんし、もしかしたら秘密裏でそういう議論がされてるのかもしれませんが、この意見にも私は賛成です。

    以上2点についていかがでしょうか。
    橋下氏を非難している人はこの2点も含めて非難しているのか、これらの点は同意するものの、他の箇所を非難してるのかを知りたいです。

  2. JD より:
    たなさん

    コメントありがとうございます。
    回答を作成したのですが、長くなってしまったので、メルマガとブログの記事で別途お伝えすることにします。少しお待ち下さい。

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