2022/03/28 00:00 | 今週の動き | コメント(0)
今週の動き(3/27~4/2)ロシアのウクライナ侵攻、米・EUエネルギー協力、ゼレンスキーの国会演説
先週は、オンラインサロンのメンバーの方々との定期的な懇談会がありました。私からはウクライナ情勢や国際政治の理論についてご説明し、参加者の方々と自由に意見交換しました。
おなじみかんべえさんやMy Big Apple NYさんらもご参加いただき(すっかりレギュラーメンバーに)、楽しく懇談しました。盛り上がり過ぎて時間を大幅にオーバーしたほどです(笑)。
この懇談会はオンラインサロンで毎月行っているものですが、4月20日(水)には、グッチーポストの主催でオンラインセミナーを行うことになりました。
私とかんべえさんがプレゼンとトークライブを行い、その後に参加者の方々との自由な意見交換を予定しています。グッチーポストの他のメンバーやMy Big Apple NYさんも参加いただく予定です。
何を話すのかは、この激動の時代なので、おそらく直前まで決まらないでしょうが・・(苦笑)。
前回はメルマガ読者限定の企画でしたが、今回はどなたでもご参加いただけます。詳しくは上記リンクをご覧下さい。
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先週の動き
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3/20(日)
・ゼレンスキー大統領がイスラエルの議会向けにオンライン演説
・日・カンボジア首脳会談(プノンペン)
3/21(月)
・米英独仏伊首脳電話会談
・EU外相・国防相理事会(ブリュッセル)
・バイデン大統領がロシアは生物・化学兵器の使用を検討している、ロシアは極超音速ミサイルを発射したと発言
・バイデン大統領がロシアは米国へのサイバー攻撃を検討しているとして米企業に警告を発する声明を発表
・ロシアが日本との平和条約締結に関する交渉を継続するつもりはないとの声明を発表
・ブリンケン国務長官が宗教団体や少数民族の人権弾圧に加担した当局者のビザ発給を制限すると発表
・ブリンケン国務長官がミャンマー国軍による「ロヒンギャ」迫害をジェノサイドに認定したと発表
・米上院司法委員会がケタンジ・ブラウン・ジャクソン連邦控訴裁判事の連邦最高裁判事の指名承認公聴会を開催(~24日)
・中国の王毅外相がパキスタンを訪問
・ASEAN特使(カンボジアのプラク・ソコン副首相兼外相)のミャンマー訪問(~23日)
2/22(火)
・ゼレンスキー大統領がローマ教皇と電話会談
・ゼレンスキー大統領がイタリアの議会向けにオンライン演説
・ウクライナ軍がキエフから西に約50キロメートルの地点にある地方都市マカリフをロシア軍から奪回したと発表
・仏ロ首脳電話会談
・ロシアのペスコフ大統領報道官がCNNのインタビューで、ロシアによる核兵器使用は「わが国の存亡に関わる脅威にさらされればあり得る」と発言
・ロシアの裁判所が服役中の反体制派指導者ナワリヌイに詐欺や法廷侮辱の罪で新たに懲役9年の判決
・バイデン政権が英国に対する通商拡大法232条に基づく鉄鋼・アルミの追加関税の一部免除を発表
・エジプト・イスラエル・UAE首脳会談(シャルム・エル・シェイク)
2/23(水)
・ゼレンスキー大統領が日本の国会向けにオンライン演説
・ゼレンスキー大統領がフランスの議会向けにオンライン演説
・ロシアのチュバイス大統領特別代表が辞任
・バイデン大統領がロシアの化学兵器の使用は現実の脅威だと発言
・USTRが中国製品に対する制裁関税の適用を除外する352品目を選んだと発表
・オルブライト元国務長官が死去
3/24(木)
・G7首脳会議(ゼレンスキー大統領がオンライン演説)(ブリュッセル)
・NATO首脳会議(ゼレンスキー大統領がオンライン演説)(同)
・EU首脳会議(バイデン大統領が出席)(同)
・米国がロシア追加制裁を発表
・日本がロシア追加制裁を発表
・国連総会の緊急特別会合でウクライナの人道状況の改善に関する決議が採択(140か国が賛成、5か国(ロシア、ベラルーシ、北朝鮮、シリア、エリトリア)が反対、38か国が棄権)(NY)
・中国の王毅外相がアフガンを訪問
・北朝鮮が日本海に向けて弾道ミサイルを発射(北朝鮮は「火星17」を発射したと発表)
・米国務省が北朝鮮の弾道ミサイル開発に関わる技術を供与したロシアと北朝鮮の5企業・個人への制裁を発表
3/25(金)
・ロシア国防省がウクライナにおける軍事作戦の第1段階はほぼ完了し、第2段階としてドンバスの「解放」を主要目標にすると発表
・ロシア軍がクリル諸島(北方領土と千島列島)で3千人以上が参加する軍事演習の開始を発表
・バイデン大統領がポーランドを訪問(ウクライナ国境近くのジェシュフを訪問)
・米国とEUがエネルギー協力の拡大の合意を発表
・米国とEUが個人データの移転ルールの合意を発表
・英中首脳電話会談
・中国の王毅外相がインドとネパールを訪問
・韓国の尹錫悦次期大統領と中国の習近平国家主席が電話会談
・サウジのジッダにあるサウジアラムコの石油貯蔵施設が攻撃を受ける(イエメンのフーシ派が攻撃の声明)
3/26(土)
・バイデン大統領がウクライナ支援に関する演説(ワルシャワ)
・米・ポーランド首脳会談(同)
・米・ウクライナ外交・防衛担当閣僚協議(同)
・ロシア軍がウクライナのリヴィウの石油施設を攻撃
・ブリンケン国務長官がイスラエル、ヨルダン川西岸地区、モロッコ、アルジェリアを訪問
・外交・安全保障に関する国際会議「ドーハ・フォーラム」(ゼレンスキー大統領がオンライン演説)(~27日)
・TICAD8閣僚会合(オンライン、~27日)
・マルタ総選挙
●ロシアのウクライナ侵攻
ロシア軍によるウクライナ侵攻は、本日(3月28日)で33日目を迎えました。
ロシア軍は引き続き、北部のキエフ、北東部のハリコフ、南東部のマリウポリ、南部のミコライフ(ヘルソン西部)、東部のドネツク、ルガンスクで攻勢をかけていますが、ウクライナ軍の激しい抵抗により、大きな進展はみられません。キエフ、ヘルソン、イジューム周辺では、ウクライナ軍がロシア軍に反攻をかけ、後退させる動きが見られるようになっています(地図はこちらを参照)。
ウクライナ軍は、キエフ北西部ではキエフから西に50キロの戦略的要衝であるマカリフを奪還し、ブチャとイルピンも包囲しつつあると伝えられています。一方、ドンバスではロシア軍は着実に支配を広げ、マリウポリでは依然として激戦が続き、近いうちに陥落するとも言われています。
多くの都市への攻撃において、ロシア軍は地上軍よりも長距離からのミサイル攻撃を多用し、マリウポリをはじめとした主要都市の住宅地で被害が拡大、民間人の死傷者も増えています。またウクライナの人口4,400万人のうち4分の1が退避していると伝えられています。
こうした中、金曜にロシア軍は、ウクライナにおける軍事作戦の「第1段階」はウクライナ軍を弱体化したことでほぼ完了し、「第2段階」としてドンバスの「解放」を主要目標にすると発表しました。キエフ、ハリコフなどの都市を占領することは当初の目的ではなく、これらの都市での作戦は、ロシア、ドネツク・ルガンスクの両「共和国」が東部で領土を獲得する間、ウクライナ軍の注意をそらすためのものだったと説明。またロシア軍の死者は1,351人に上るとして、3月2日発表の498人を更新しました。
しかしロシア軍は、キエフを含むドンバス以外の地域への攻撃をやめる動きを見せず、キエフ州の対空ミサイルシステムを短距離弾道ミサイル(イスカンデル)、ジトーミル州の武器弾薬庫を巡航ミサイルで破壊したと発表。また西部のリヴィウでも石油施設が爆発し、ウクライナはロシア軍の攻撃によるものと発表しました。
一方、ブリュッセルでG7、NATO、EUの首脳会議が立て続けに開催されました。木曜には、ブリュッセルでG7、NATO、EUの首脳会議が開催され、バイデン大統領はすべての会議に出席し、ゼレンスキー大統領もオンライン演説を行いました。岸田首相もG7サミットに参加しています。
NATOはブルガリア、ハンガリー、ルーマニア、スロバキアに戦闘部隊を配備することに合意。欧州の加盟国は24年までに国防費をGDPの2%とする目標達成を約束しました。ゼレンスキーは、NATO同盟国のウクライナ支援を感謝しつつも、「無制限」の軍事支援を要請。飛行禁止区域の設定に加え、NATO同盟国が保有している戦車、戦闘機の1%をウクライナに対して提供するよう要請しました。
G7は、ウクライナへの支援とロシア制裁の強化で一致。制裁の継続と抜け穴を塞ぐことが重要であるとして、中国を名指しはしないものの牽制しました。米国と日本はロシアへの追加制裁を発表しました。
さらにバイデンはポーランドを訪問。ウクライナ国境近くのジェシュフを訪問し、駐留する米軍部隊を激励しました。またブリンケン国務長官とオースティン国防長官がウクライナのクレバ外相とレズニコフ国防相とワルシャワで会談しました。
こうした最新の動きを踏まえて、現状と今後の展望について解説します(※メルマガで解説)。
●米・EUのエネルギー協力
前項で述べたとおり、バイデン大統領はEU首脳会議に出席し、米国とEUはエネルギー協力の拡大で合意しました。
米国が欧州に年末までに150億立方メートルのLNGを追加供給することで暫定合意に達しています(30年までに500億立方メートルを追加供給)。今回の合意の意義についてコメントします(※メルマガで解説)。
●ゼレンスキーの国会演説
ゼレンスキー大統領が日本の国会向けにオンライン演説を行いました。演説の動画と全文の和訳を見ることができます。
日本国内でも大いに話題になりましたが、色々な意味で大きなインパクトのある演説でした。私なりの感想を述べます(※メルマガで解説)。
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今週の動き
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(※メルマガで解説。)
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あとがき
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■ サッカー=シェフチェンコ氏、自宅にウクライナ難民受け入れへ(3月23日付ロイター)
ウクライナ史上最高のサッカー選手といわれるアンドリー・シェフチェンコ。現在、ロンドンに住んでいますが、母親や親族はキエフにいるそうです。
私もACミラン時代のプレーをよくおぼえています。06年のワールドカップドイツ大会でも大活躍しましたね。
なおシェフチェンコという名前は、ウクライナ民族主義を代表する国民詩人(「ウクライナに栄光あれ!(スラーヴァ・ウクライニ)」の言葉の生みの親とも言われる)タラス・シェフチェンコと同じです。
それにしても、ウクライナは、スポーツ選手から芸術家、学者に至るまで、驚くほど多くの人材を輩出しています(他国の支配下にあった時代が長いので、ウクライナの人として紹介されないことが多いのですが)。最近の映画女優ではミラ・ジョヴォヴィッチもそうですね。
そして、総じて愛国心が極めて高い。こちらの記事の「あとがき」では、国を追われた前大統領や富豪、スポーツ選手が危機に際して国を守るために戻ってきたエピソードを紹介しました。こういうところでも、国の力や人々の魅力を感じます。
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