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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2021/11/22 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(11/21~27)米中首脳会談、米エネルギー対策、BBB法案、トルコ利下げ、フィリピン大統領選、サンクスギビング


コロナからの正常化もあり、このところ非常に忙しくなってきてました。少し配信のペースが落ちることもあるかもしれませんが、一つの記事の密度とクオリティはさらに高めますので、どうぞよろしくお願いします。

さて先週、編集部から年末特別企画のオンラインセミナーのご案内がありました。かんべえさんも招いて、メルマガ読者の皆さんと一緒に今年を振り返るという企画です。

今回は少人数の会合にして、ざっくばらんにお話したいと思っています。楽しい懇談会になると思うので、私も楽しみです。それにしても、すっかりかんべえさんもグッチーポストのレギュラーのようになって下さって、ありがたいことです。これからこうしたコラボ企画を増やしていくつもりですので、ご期待下さい。

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先週の動き
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11/14(日)
・バイデン大統領がインフラ計画の監督官にミッチ・ランドリュー元ニューオーリンズ市長を任命
・中国国家インターネット情報弁公室がインターネットデータ安全管理条例の草案を公表
・英国の戦没者追悼記念日(エリザベス女王は欠席)
・ブルガリア大統領選挙・総選挙
・アルゼンチン議会選挙

11/15(月)
・米中首脳会談(オンライン)
・米国で超党派のインフラ法(IIJA)が成立(バイデン大統領が法案に署名)
・ブリンケン国務長官がケニア、ナイジェリア、セネガルを訪問(~20日)
・レモンド商務長官とタイUSTR代表が訪日
・米財務省がニカラグアのオルテガ政権の司法当局やエネルギー・鉱山相ら高官計9人への制裁を発表
・バノン元首席戦略官がFBIのワシントンDC支局に出頭、裁判所に出廷
・EU外相理事会(ブリュッセル)
・ドイツ・ベラルーシ首脳電話会談
・フィリピン大統領選の立候補交代届の締切日

11/16(火)
・バイデン大統領がニューハンプシャー州ウッドストックで超党派のインフラ法に関する演説
・サリバン大統領補佐官が米中首脳会談で軍備管理に関する対話の検討で合意したと発言
・レモンド商務長官がシンガポールを訪問
・イエレン財務長官が12月15日までの債務上限の引き上げを議会に要請
・米上院がジョナサン・カンター弁護士の司法次官補(反トラスト担当)就任を承認
・中国が中国に駐在する米メディア記者のビザ制限の緩和で米側と合意したと発表
・韓国の金昌龍・警察庁長官が竹島に上陸
・アゼルバイジャンとアルメニアが国境地帯で軍事衝突

11/17(水)
・バイデン大統領がミシガン州デトロイトのGMのEV工場を視察
・バイデン政権がAUKUSの原潜開発計画の統括官にジェームズ・ミラー元国防次官を任命
・日米韓外務次官級協議(共同記者会見は中止)(ワシントンDC)
・バイデン政権がメキシコ湾での石油採掘のためのリース権の入札を実施
・米司法省が20年大統領選への干渉を目的に米国の有権者情報を不正に入手し偽情報を拡散したとしてイラン人ハッカー2人を起訴したと発表
・米議会の米中経済安全保障再考委員会(USCC)が中国の軍事力や経済に関する年次報告書(21年版)を公表
・米下院が暴力的な動画をツイッターに投稿した共和党のゴーサー議員に対する問責決議案を可決
・ドイツ・ベラルーシ首脳電話会談
・タリバンのムッタキ外相代行が米議会に凍結解除を求める公開書簡を送付
・アフガンのカブールで爆発(「イスラム国」が犯行声明)

11/18(木)
・北米サミット(ワシントンDC)
・レモンド商務長官がマレーシアを訪問
・タイUSTR代表が訪韓
・日米外務次官級協議(ワシントンDC)
・米議会予算局(CBO)がビルド・バック・ベター法案の試算結果を発表
・フロリダ州で職場の新型コロナウイルスワクチン接種義務付けを禁止する法律が成立
・フィリピンが中国船によって南シナ海で物資を輸送中だったフィリピン船2隻が妨害されたとして中国を非難
・トルコ中銀が政策金利を引き下げ(16→15%)

11/19(金)
・バイデン大統領がウォルター・リード軍医療センターで定期的な大腸内視鏡検査(ハリス副大統領に85分間大統領権限を移譲)
・国防担当者の国際会議「マナマ対話」(バーレーン、~21日)
・キャンベルNSCインド太平洋調整官が米平和研究所のオンライン講演(日米豪印(クアッド)首脳会談を22年に日本で開催する考えを表明)
・米FDAがファイザーとモデルナ製の新型コロナウイルスワクチンの18歳以上への追加接種を承認
・米下院がビルド・バック・ベター法案を可決
・ウィスコンシン州ケノーシャの銃撃事件の裁判で陪審がカイル・リッテンハウス被告に無罪評決
・台湾の陳建仁前副総統がリトアニアとポーランドを訪問(~21日)
・ロシア・ベラルーシ首脳電話会談
・ニカラグアが米州機構(OAS)に脱退を通知

●米中首脳会談

バイデン大統領と習近平国家主席が初の「バーチャル会談」を行いました。

冒頭、バイデンは米中は競争関係にあるが、衝突すべきではない、「ガードレール」が必要だと発言。習近平は「古くからの友人に会えて嬉しい」と述べ、米中は「地球村」の課題にともに取り組み、ウィンウィンの関係を築くべきだと表明しました。

また、会談後、サリバン大統領補佐官が両首脳は「戦略的安定」に関する話し合いを始めることを目指す点で一致したと説明しました。さらに、中国は米メディア記者のビザ制限の緩和で合意したと発表しました。

おおむね以下の記事で述べた見通しのとおりでしたが、今後に向けて示唆に富む点はいくつもありました。明日、ポイントを解説します。

「米中の気候変動共同宣言と首脳会談」(11/15)
 
●バイデンのエネルギー対策

世界的なエネルギー価格上昇の懸念を受け、石油備蓄の放出に関する報道が相次いでいます。各国の個別の対応のみならず協調行動の可能性も浮上しています。以下の記事で今後の見通しについて解説しましたが、そのアップデートをお伝えします(※メルマガで解説)。

「OPECプラスの増産見送り」(11/8)
 
●ビルド・バック・ベター法案の下院可決

米下院がビルド・バック・ベター(BBB)法案をついに可決しました。220対213で、民主党の反対は1人(ジャレッド・ゴールデン議員)でした。

以下の記事で指摘したとおり、下院は11月19日までの可決を目指していましたが、民主党穏健派はその前に議会予算局(CBO)による歳出と歳入の試算結果を確認する必要があると主張していました。今回の可決は、CBOが前日に試算結果を発表したことを受けて行われたものです。

「米国のインフレの高進(BBB法案)」(11/15)
 
CBOの試算はバイデン政権(民主党)の試算と大きく異なりましたが、それでも穏健派の多数は納得し、法案は可決されました。なお可決前に共和党のケビン・マッカーシー下院院内総務が下院での演説としては最長記録となる8時間半の演説を行ったことも話題になりました。

BBB法案の見通しについては上記記事で述べたとおりですが、最新の状況を踏まえ、あらためてコメントします(※メルマガで解説)

●トルコの利下げ

トルコ中銀が政策金利を16%から15%に引き下げました。これを受けて下落を続けていたトルコリラはさらに急落。年初からの下落幅は3割を超えました。

コロナ禍の中で、世界各国で金融緩和が進みましたが、最近、感染状況の改善を受け、米国をはじめとする先進国が金融正常化に動き、このため、新興国では通貨安とインフレの懸念が高まっています。パキスタンなどはすでに利上げに踏み切りましたが、トルコは、そうした伝統的な金融政策に逆行し、9月から3会合連続の利下げに踏み切っています。しかもさらに追加利下げを行う可能性を示しています。

なぜトルコはこのような型破りな政策に邁進するのか。読者の方の関心が高いようで、質問も寄せられていますので、その要因と今後の見通しについて解説します(※メルマガで解説)

●フィリピン大統領選

フィリピン大統領選の立候補交代届の締切日が到来し、大統領選と副大統領選の立候補者が確定しました。

大統領選にはフェルディナンド・マルコス・ジュニア(ボンボン・マルコス)元上院議員、イスコ・モレノ・マニラ市長、マニー・パッキャオ上院議員、ボン・ゴー上院議員、ロブレド副大統領、副大統領選にはサラ・ドゥテルテ・ダバオ市長らが出馬。マルコスとサラがタッグを組むことが発表されています。

ドゥテルテ大統領は、締切日の直前に副大統領選に立候補すると報道長官が述べ、衝撃が走りましたが、結局上院選に出馬することになりました。

サラ・ドゥテルテとドゥテルテ大統領がどのように選挙に望むのか、長らく注目されていましたが、ようやく構図が見えてきました。現時点でのポイントを解説します(※メルマガで解説)。

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今週の動き
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(※サンクスギビング、ブラック・フライデーなど。メルマガで解説。)

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あとがき
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センセーショナルな二刀流のスター、大谷翔平が満票でア・リーグMVPに選出(11月19日付CNN)

大谷翔平選手、MVPは間違いないとみられていましたが、満票とはすごい。米国でも専門家(記者)の間でもその評価は完全に一致していた・・というよりも、むしろ米国人や専門家の方が、我々以上にその価値を理解しているのだろうな、と思いました。

というのも日本ではこんな意見も見かけていました。石毛氏は魅力のある選手でしたが、これはちょっと・・という内容ですね。昭和のカルチャーを感じなくもありません。

日本シリーズも初戦から大変な盛り上がりでした。しかしネットでばかり見ていると、やはり実際に見に行きたくなりますね。私もカリフォルニアに住んでいた頃、アナハイムの球場には何度か行きました。米国でのスポーツ観戦は、雰囲気も含め、本当に楽しく、強い印象が残っています。来年はコロナから脱却して出張も旅行もスポーツ観戦も全開でいきたいものです。

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