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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2021/04/26 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(4/25~5/1) 気候変動サミット、米国家族計画とキャピタルゲイン増税、アルメニア人のジェノサイド、中国対抗法案、ミャンマーのASEAN会議、バイデン政権100日


GWの大型連休を迎えるところで、東京都では3度目の緊急事態宣言。5月11日までの予定で、今回は飲食店や映画館のみならず書店も休業要請の対象になり、しかも運輸の減便、酒の提供禁止、消灯まで求めるとのこと。

連休中の移動を減らすことは重要としても、書店ならマスクを外すわけではないし、運輸を減らしたらかえって密になるのでは、禁酒や灯火管制は何が何やら・・と思いますが、どうしてこうなるのでしょうね。小池知事のイニシアチブなのか、IOCからリクエストでもあるのか。

一方、ファイザーのワクチンについては、前倒しの輸入によって2月以降4月末までの累計で33,553箱が輸入されるとのこと。後れをとっていたワクチンの確保もここで挽回でしょうか。供給不足が改善されれば、あとは接種の体制を整備することですね。米国やイスラエルの迅速な展開をみならって、ここは政府の実行力を期待したいものです。

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先週の動き
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4/17(土)
・バイデン大統領が21会計年度(20年10月~21年9月)の難民受け入れ数の上限引上げを表明(1万5,000人にとどめるとした16日の方針を撤回)

4/18(日)
・ボアオ・アジアフォーラム(海南省、~21日)

4/19(月)
・バイデン大統領が米国雇用計画について超党派の議員団と協議
・ブリンケン国務長官が気候変動に関する演説(メリーランド)
・モンデール元駐日大使・副大統領が死去
・仏・独・ロ・ウクライナ事務レベル会合(キエフ)
・EU外相会合(インド太平洋戦略の方針を採択)(オンライン)
・ドイツの緑の党がアナレーナ・ベアボック党首を首相候補に選出
・キューバ共産党がラウル・カストロ党第1書記の後任にディアスカネル大統領を選出

4/20(火)
・ジョージ・フロイド氏の暴行死事件で第2級殺人罪等で起訴されたデレク・ショービン容疑者に有罪評決(バイデン大統領が演説)
・習近平国家主席がボアオ・アジアフォーラムでビデオ演説
・習近平国家主席がサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子と電話会談
・ドイツの与党CDU・CSUがアルミン・ラシェットCDU党首を首相候補に選出
・チャドのデビ大統領が死去(息子のマハマト・デビが暫定大統領に指名)

4/21(水)
・バイデン大統領が新型コロナウイルス対策に関する演説(政権発足92日目にコロナワクチンの接種の2億回の実施を実現したと発表)
・バイデン政権がイラン核合意をめぐる協議でイランに科している経済制裁に関して解除対象を提示したとの報道
・米上院外交委員会が「21年の戦略競争法案」を可決
・米上院の超党派の議員が「エンドレス・フロンティア法案」を上院に提出
・韓国のソウル中央地裁が元慰安婦の日本政府を相手方とする損害賠償請求の訴えを主権免除の原則により却下
・豪州の連邦政府がビクトリア州と中国との間で締結された「一帯一路」に関する協定を外国関係法に基づき無効にすると発表
・ロシアのプーチン大統領が年次教書演説
・ロシア各地で反体制派指導者ナワリヌイの解放を求める抗議デモ

4/22(木)
・米主催の気候変動サミット(オンライン、~23日)
・米下院がワシントンDCに州の地位を付与する法案を可決
・米上院が「新型コロナウイルス憎悪犯罪法案」を可決
・イスラエル軍がシリアからミサイル攻撃がありイスラエルのネゲブ砂漠に着弾したと発表
・英下院が中国の新疆ウイグル自治区でのウイグル人の扱いをジェノサイドと認定する決議を可決
・ECB定例理事会(フランクフルト)

4/23(金)
・米・トルコ首脳電話会談
・ロシア国防省がウクライナ国境近くで軍事演習に参加していた部隊が撤収を始めたと表明
・ロシアの反体制派指導者ナワリヌイがハンスト終了を宣言

4/24(土)
・バイデン大統領がアルメニア人虐殺を追悼する声明(オスマントルコでのアルメニア人虐殺を「ジェノサイド」と認定)
・ASEAN特別首脳会議(ミャンマーのミン・アウン・フライン国軍司令官が出席)(ジャカルタ)

●気候変動サミット

米主催の気候変動サミットが開催され、中国とロシアを含む40か国の首脳が参加しました。米国は2030年までに05年比で温室効果ガスを50~52%削減するという目標を発表。オバマ政権のときは25年に26~28%削減としていたので、2倍近く目標を引き上げたことになります。

中国は30年までにCO2排出量をピークアウトさせ、60年にカーボンニュートラルを目指すとの従来の方針の発表にとどめましたが、石炭消費については第15次5か年(26~30年)で段階的に削減するとの方針を表明しました。インドは米国との共同イニシアチブを発表しましたが、具体的な目標までは示さず。日本は46%削減という目標を発表しました。

今回のサミットの意義についてコメントします(※メルマガに限定)。

●米国家族計画とキャピタルゲイン増税

バイデン大統領は今週、上下両院合同会議で施政方針演説を行いますが(「今週の動き」参照)、そのタイミングで、「米国雇用計画(American Jobs Plan)」に続く第2弾の政策「米国家族計画(Ameridan Families Plan)」の詳細を発表する見通しです。

米国家族計画の財源については、以下の記事で述べたとおり、富裕層の所得税の引上げとキャピタルゲイン課税が検討されていますが、先週、100万ドル以上の所得層に対するキャピタルゲイン税率を現行の20%から39.6%(投資収入に対して現在課している付加税(3.8%)を合わせると43.4%)に引き上げる方針であると報じられました。

「米国雇用計画の発表」(4/5)
 
米国家族計画とキャピタルゲイン増税の見通しについてコメントします(※メルマガに限定)。

●バイデンのアルメニア人虐殺のジェノサイド認定

バイデン大統領がアルメニア人虐殺追悼記念日に声明を発出し、オスマントルコでのアルメニア人虐殺を「ジェノサイド」と呼びました。アルメニア人虐殺の追悼声明は毎年出されていますが、大統領がジェノサイドと呼ぶのは初めてのことです(レーガン大統領は一般的な演説の中で言及したことがありますが)。

当然ながらトルコは反発しています。本件は100年以上前の歴史問題に関わるものであり、制裁など実体的な効果を生じさせるものではありません。しかし、近年の両国の関係の悪化に密接に関係するものといえます。米・トルコ関係とエルドアン大統領の外交の最新情勢について、追って別稿で解説します。

●米議会の中国対抗法案

これまで本メルマガで言及してきたとおり、議会では中国への対抗策を具体化する様々な法案が検討されています。

そのうち主要な法案として、先週、上院外交委員会が「21年の戦略的競争法案」を21対1で可決しました。この法案は外交委員長のボブ・メネンデス上院議員(民主党)と共和党の筆頭理事であるジム・リッシュ上院議員が連名で提出したものです。

また、民主党のチャック・シューマー上院院内総務と共和党のトッド・ヤング上院議員は、戦略的な競争が行われている分野での研究開発や、人工知能や半導体などの重要な先端技術のためのイノベーション・ハブなど、米国の産業政策のための取り組みに資金を提供する「エンドレス・フロンティア法案」を上院に提出しました。

これらの法案の意義と展望について、米中関係の最新情勢含め、今週別稿で解説します。

●ミャンマーに関するASEAN首脳会議

インドネシアの提案でミャンマー情勢について話し合うべくASEAN特別首脳会議がジャカルタで開かれ、ミャンマーからミン・アウン・フライン国軍司令官が出席しました。クーデター後初めての外国訪問になります。

ミン・アウン・フラインは軍服ではなくスーツ姿で登場。軍トップではなくミャンマーを代表する立場とのアピールがあるのでしょう。なお、タイ、フィリピン、ラオスは首脳の出席を見送っています。

首脳会議後に発出された議長声明には、(1)暴力の停止とすべての当事者の自制、(2)平和的解決に向けたすべての当事者の建設的な対話、(3)ASEAN特使の仲介、(4)人道支援、(5)ASEAN特使のミャンマー訪問とすべての当事者との会談を述べた「5点のコンセンサス」が含まれています。ただし、アウンサン・スーチーらの解放については「コンセンサス」に含まれず、議長声明で「外国人を含むすべての政治犯の釈放を求める声も聞いた」と書かれるにとどまりました。

NLD議員らが国軍に対抗して発足した「連邦議会代表委員会(CRPH)」は、先々週、「挙国一致政府(National Unity Government, NUG)」の発足を宣言しています。そして、拘束されているスーチー国家顧問、ウィン・ミン大統領をそれぞれ国家顧問と大統領に任命し、副大統領や首相を含む閣僚をあらたに任命しました。CRPHのスポークスマンであるササ国連特使は「国際協力相」に就任しました。

そのNUGは、ASEANがコンセンサスに至るという心強いニュースを聞いたとして、歓迎する声明を出しています。ただ、この時点では声明の内容まで確認していなかったと推測されます。

こうした動きを含め、最新のミャンマー情勢について、明日解説します。

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今週の動き
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(※バイデン政権の100日など、メルマガに限定)

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あとがき
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シェイクを顔にこすりつけ・・政府の性教育動画に「懸念」相次ぐ オーストラリア(4月22日付BBC)

なんとなくドリフのパイ投げを思い出しましたが(古い?笑)、あれも一部では苦情があったやに聞きます(最近はこういうのを見なくなったでしょうか)。まして政府広報では反発があっても不思議はなさそうですね。

性教育の政府広報といえば、こちらの記事の「あとがき」で紹介したNZのポルノスターが登場する広告を思い出しました。なぜかいつもオセアニアですね。熱心なのでしょうか。

NZの方もかなり攻めていると思いましたが、批判が相次いだということはなかったようです。どこまでギリギリをいけるのか、政府広報であればなおさらですが、センスが問われますね。

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