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2020/12/15 05:00  | 米国 |  コメント(6)

バイデン政権人事(国防、厚生、USTR)


バイデン氏、次期国防長官は「適切な人材」 党内には反対も(12月10日付ロイター)

バイデン前副大統領(次期大統領)が次期政権の国防長官、保健分野の主要メンバー、USTR代表等の起用について発表しました。

・国防長官 ロイド・オースティン 元陸軍大将
・厚生長官 ハビエル・ベセラ カリフォルニア州司法長官
・CDC所長 ロシェル・ワレンスキ ハーバード大教授
・大統領首席医療顧問 アンソニー・ファウチ NIAID所長
・USTR代表 キャサリン・タイ 下院歳入委員会法律顧問
・農務長官 トム・ビルサック 元農務長官
・住宅都市開発長官 マーシア・ファッジ 下院議員
・退役軍人長官 デニス・マクドノー 元大統領首席補佐官
・国内政策会議(DPC)委員長 スーザン・ライス 元大統領補佐官

バイデン政権の人事は、これまでお伝えしてきたように、オバマ政権時代の高官を含め、長年にわたりバイデンとともに働いてきたなど、バイデンと緊密な関係にあった人々が大半を占めます。今回の人事もそうした流れに沿ったものです。また、ロイド・オースティンについては、指名の可能性があることを以下の記事でお伝えしていました。

「バイデン政権人事(経済・広報)」(12/7)

ただ、これまでの人事と異なるのは、上院の承認が危ぶまれる人選がいくつかあることです(ニーラ・タンデンだけは危ういことを上記記事で伝えていましたが、これがほぼ唯一の例外でした)。具体的にはハビエル・ベセラとオースティンです。

オースティンについては、元軍人が退役後7年以内に国防長官に就任することはできないという文民統制の規律に反することが問題視されていますが、一部には国防長官としての資質を疑問視する声もあります。この点を中心に、今回の人事のポイントを述べます。

また、バイデンは保険分野のメンバーと記者会見に臨み、就任100日で1億人へのワクチン接種を目指すと表明しました。ワクチン開発については、FDAがファイザーのワクチンの緊急使用を許可したと発表しました。これらの状況を踏まえ、ワクチン展開の見通しについてもコメントします。

※ここから先はメルマガで解説します。目次は以下のとおりです。

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バイデン政権人事(国防、厚生、USTR)
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●国防長官(オースティン)
●厚生長官(ベセラ)
●USTR代表(タイ)
●マクドノーとライス

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あとがき
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客もウエートレスも銃携帯のハンバーガー店、町の名前は「ライフル」(18年6月19日付AFP)

ちょっと古い記事ですが、このお店「シューターズ・グリル」の経営者であるローレン・ボーバートは11月の下院選に出馬し(コロラド州第3区)、当選しました。QAnon支持を明言して当選した初の連邦議員の一人です(最近は「支持しているわけではない」と述べるようになっていますが)。

ボーバート以外にも、QAnon支持を公言するマージョリー・テイラー・グリーン(ジョージア州第14区)とQAnonのプログラムに参加したことがあるバーガス・オーエンズ(ユタ州第4区)が当選しており、3人の「QAnon連邦議員」が誕生したと言われています。なお共和党予備選で勝利し、本選に進んだQAnon信奉者は31人に上っていました。州議会でも多くのQAnon議員が誕生したはずです。

QAnonは、トランプ政権発足前には「荒唐無稽な陰謀論」として片づけられていましたが、「ディープ・ステートと戦うトランプ」というナラティブをトランプが好み、これを利用したこともあって、この数年で急速に存在感を高めました。政界進出もその象徴的な動きといえます。

米大統領選の不正の訴えのムーブメントも、その根拠のない主張や捏造された「証拠」はQAnonが投稿する匿名掲示板サイトである「8kun(旧8chan、「ちゃん」から「君」への改称)」に投稿されたものが多く、通じるものがあります。米国の社会を理解する上でも重要な現象になっているといえます。私も、コロナが落ち着いて米国に出張できるようになったときには、「ライフル」を訪問し、シューターズ・グリルで食事してみたいと思います。

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6 comments on “バイデン政権人事(国防、厚生、USTR)
  1. KB より
    お友達人事?

    これが「お友達」と揶揄される状況になってしまうのかどうかは、これからちゃんと見ていかないといけないのですね。マイノリティや多様性を意識しすぎているような印象を持っていて、女性の登用については違和感すら感じていました(私がひねくれ?)。

    とはいっても、ちゃんと機能してくれればいいわけですし、新しい時代の幕開けをちゃんと見ていきます。また、日本やアジアへの関心度合いも気になるところです。

  2. ふたつ目ピエロ より
    教えてください。

    メルマガに「政治的資本」という言葉が使われていましたが、具体的には何を指しているのでしょうか。人なのか、あるいは何かしらの貸し借りのことでしょうか。それとも、言葉には余り意味がなく、文章全体としてあらゆる手を尽くすという意味で理解すればよいでしょうか。
    つまらない質問で恐縮ですが、ご教示ください。

  3. JD より
    ふたつ目ピエロさん

    ご質問ありがとうございます。
    「政治的資本」は、合意の実現のために使う様々な政治的リソースのことです。
    今回の件では、共和党と民主党内の反対派との間で調整が必要になり、そのための時間(特に議会審議)がとられ、また「これを認めるからこれを認めろ」という駆け引きが起こります。合意が実現しても不満が残れば、そのコストもリソースの消費になります。
    これが具体的にどのようなものになるかは、ジョージア州上院選の結果次第のところもあり、現時点では不透明ですが、かなり苦労するように思います。

  4. ふたつ目ピエロ より
    ありがとうございました。

    なるほど。これらを一つの言葉で「政治的資本」と表現できるのですね。それだけでも面白いです。そうすると、そこまで多様性というのを重視しているのですか。お忙しいところ、ありがとうございました。

  5. ハードコアなトランプ支持者? より
    外堀埋まった?

    本当にバイデンが大統領になるとお考えですね。

    奇妙なことが一杯起きてますが。
    ・今まであまり動かなかった共和党議員が激戦州で選挙人投票をしました。しかも7州で
    ・リンウッド氏のコメントから推察すっるとバー長官はおそらく司法取引し自ら退いたし、新副司法長官は軍事裁判の専門家です。
    ・プーチン大統領のバイデンへの祝辞は恫喝にしか聞こえないですし。
    ・マコーネル議員も尻尾を出した。 (中国とズブズブですからね)
    ・更にグアンタナモも12月中旬から急に空いたみたいです。

    私が思うにトランプは、いろいろ切り札を持っていながら、(大統領令、戒厳令など)
    民意が盛り上がりまで、出来るだけ合法に進めたいのだと思います。
    大統領が決まるのはあくまで1/20です。こんな異常事態でいつもの通り進むわけありません。
    通常に進んでも、未だ1/6にペンスが今回の選挙人選挙を無効にできます。
    むしろ、どんどんバイデンは包囲されてもう外堀は埋まった感じがします。

    国家情報長官ジョン・ラトクリフがかなりハッキリ今回の選挙に中共が関与していると述べてます。
    彼は普段メディアには出ません。こんな事言う事事態、普通ではないです。
    彼は1月には(本来12/18でしたが)大統領に今回の選挙のレポートを提出します。もし海外が米国の選挙に関与していれば、2018年の大統領令が発動できます。
    これらに関与した人達は国家反逆罪です。

    更にミシガン州のドミニオンの調査結果で不正ソフトが明かされました。(セキュリティログだけ消えていたりあり得ないでしょう。しかもスキャンエラーは政府基準では0.008%なのにこのドミニオンマシーンなんと68%以上のエラー。エラーになると票操作可能。しかもご丁寧無事に2016年のデータでは政府基準を満たしている!)
    これは今回の選挙が大統領選挙だけでなく、上下両院選挙もあったことを考えると、ドミニオンを導入した28州の選挙もやり直さないと、大統領以外の結果も怪しいです。

    恐らく、民主党の大物、一部共和党、司法省、CIA、FBI、マスコミ、SNSの幹部は無事では済まないでしょう。
    建国や南北戦争に匹敵する事件で、大規模選挙詐欺。クーデターです。

    トランプは2012年の選挙で既に不正投票を指摘しているので、今回、国中を大掃除する意味で仕掛けた気がします。
    だから2018年に選挙に対する大統領令を出し、今やテロとの戦いという芝居はやめてペンタゴンはCIAのサポートを大幅削減、軍の命令系統の1本化などを進めて外堀を固めているような気がします

    ところで、CIA長官のジーナ・ハスペル はどこに消えたかしってますか?(真面目に探しているのですが消息不明です、グアンタナモにいるという噂ありますが・・)

  6. JD より
    ハードコアなトランプ支持者?さん

    コメントどうもありがとうございます。興味深く読みました。
    私からの回答はまたメルマガでお伝えします。少しお待ちください。

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