2020/07/28 05:00 | 米国 | コメント(1)
米中総領事館の閉鎖とポンペオの対中政策演説
■ 米政府、ヒューストンの中国総領事館の閉鎖を命令(7月23日付BBC)
■ 米司法省、中国人ハッカー2人を起訴 新型ウイルスのワクチン研究など狙う(7月22日付BBC)
■ 米司法省、中国人4人を訴追 中国軍との関係隠してビザ取得か(7月24日付BBC)
■ Briefing With Senior U.S. Government Officials On the Closure of the Chinese Consulate in Houston, Texas(7月24日付国務省)
■ Communist China and the Free World’s Future(7月23日付国務省)
米国務省が「米国の知的財産と個人情報を守るため」在ヒューストン中国総領事館の72時間以内の閉鎖を指示したとの声明を発表しました(7月24日に実際に閉鎖)。
トランプ大統領は他の在外公館の閉鎖もあり得ると発言しています。米国内の中国総領事館はヒューストンの他、NY、SF、LA、シカゴにあります。
これに対し、中国外交部は在成都米国総領事館の閉鎖を米国に通知したと発表しました。なお、中国内に米国総領事館は、成都の他、広州、上海、瀋陽、武漢、香港にあります。
中国総領事館の閉鎖発表に先立ち、司法省が新型コロナウイルスの研究をする米企業に対する企業秘密や知的財産の窃盗罪の容疑で中国人2人を訴追しています。
また、閉鎖発表後、司法省は中国人民解放軍との関係を伏せて研究者用のビザを不正に取得したとして中国人4人を訴追しました。そのうち1人はSFの中国総領事館に隠れていたところで拘束されています。
さらに、中国総領事館の閉鎖発表後、ポンペオ国務長官がカリフォルニアのリチャード・ニクソン大統領図書館で対中政策の演説を行いました。オブライエン大統領補佐官、レイFBI長官、バー司法長官に続く対中政策演説の第4弾になります。
ポンペオは、従来の中国に対する関与政策を失敗と断言。中国共産党の力を高め、人権侵害や知的財産の窃取を許す結果になった、習近平「党総書記」は「破綻した全体主義のイデオロギーの信奉者」であり、世界にとっての脅威になっていると説明。世界の自由主義の国々は、より「創造的かつ断固とした方法」で中国共産党の態度を変えさせなくてはならない、中国の人々にも働きかける必要がある・・と述べました。
米中の総領事館の閉鎖、そしてポンペオの対中政策演説は、前例のない内容を含んでおり、米中対立が新たな次元に突入することを予感させます。その意味について解説します。
※ここから先はメルマガで解説します。目次は以下のとおりです。
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米中総領事館の閉鎖とポンペオの対中政策演説
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●ヒューストンと成都の総領事館の閉鎖
●ポンペオの対中政策演説
●外交関係と人的交流
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あとがき
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■ カニエ・ウェスト氏、初の選挙集会 米大統領選出馬に懐疑的な見方も(7月20日付BBC)
大統領選への出馬を表明したカニエ・ウェストが選挙集会を開催しました。防弾チョッキを着て、泣き出して裏声になるなど、奇妙なパフォーマンスを披露しています。
カニエは「ハリエット・タブマンは奴隷を解放していなかった、他の白人のために働かせていただけ」とも述べました。この発言にはブーイングが起きました。
タブマンは「黒いモーゼ」とも言われた、高名な奴隷解放活動家の女性です。オバマ政権において今年から20ドル札の肖像になることが決定されています。
なぜカニエがタブマンを批判したのかよく分かりません。ただ、タブマンが20ドル札の肖像になることにはトランプが反対していました。現行札の肖像はアンドリュー・ジャクソンだからです。
ムニューシン財務長官はセキュリティ上の理由から「時間がかかる」と強調しており、変更に消極的な姿勢を見せています。もしかしたら今年中には実現しないかもしれません。
カニエに話を戻すと、奇妙なパフォーマンスについては、妻のキム・カーダシアンがカニエは双極性障害なので、思いやりと共感をもって見て欲しい、と述べました。そんな精神状態で大統領になれるとは思えないですが、オクラホマ州だけでも投票用紙に名前が掲載されることで、「出馬」を果たすのでしょうか。
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One comment on “米中総領事館の閉鎖とポンペオの対中政策演説”
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それまで歌舞伎的なやり取りだったところ、番狂わせのポンペオ演説でにぎわっていますね。
ニクソン大統領図書館の意味とか、とても趣がある内容で面白かったです。どういう結果に落ち着くかも、当然興味がありますが、様々なレベルでの交渉ややり取りを見ていくのは大変興味深いものがあります。
トランプとポンペオはこれまで一心同体のように感じる部分も多かったですが、今回のポンペオの行動についてはそれとはちょっと違っているところも、とても面白く読みました。
計算ミスでウッカリ半沢直樹登場とか、ありますかね?日曜劇場ネタ笑いました。