ブログ記者によるオンライン新聞 グッチーポスト

The Gucci Post [ぐっちー編集長の金融・経済を中心としたオピニオンブログ News Paper]

2020/05/18 00:00  | 今週の動き |  コメント(1)

今週の動き(5/17~23)

新型コロナウイルスの感染拡大は全国的に抑えられ、39県において緊急事態宣言が解除されました。東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、京都、兵庫、北海道は引き続き緊急事態宣言の対象地域になりますが、安倍首相は解除の基準を発表。

「感染数」「医療提供体制」「監視体制」の3点から総合的に判断し、「直近1週間で10万人あたりの累積新規感染者が0.5人以下」を目安にしたとのこと(東京都の人口約1,400万人に当てはめると、1週間で70人以下(1日10人以下))。5月21日を目途に再び宣言の範囲を見直し、可能であれば31日を待たずに解除する意向を表明しています。

これを受けて、東京都の小池知事は、休業要請の解除に向けたロードマップの概要を公表。「新規感染者数が1日20人未満」など7つの指標と目安となる数値を示し、6月以降に段階的に緩和する方針を示しました。

東京都の方針は厳し過ぎるというか、解除を検討するタイミングも遅すぎる印象を受けます。感染数や医療体制を見ながら、柔軟に対応することを期待します。

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先週の動き
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5/9(土)
・ファウチNIAID所長、レッドフィールドCDC所長、ハーンFDA長官が新型コロナウイルス対策として自主隔離・部分的隔離に入ったと発表

5/10(日)
・オバマ前米大統領が5月8日に前政権スタッフら3000人との電話会議でバイデン前副大統領の支持を呼び掛け、トランプ政権の新型コロナウイルス感染拡大への対応やフリン元大統領補佐官の起訴取り下げを厳しく批判したとの報道
・韓国の文在寅大統領が就任3周年を記念する特別演説
・英国のジョンソン首相が新型コロナウイルス対策の活動制限の段階的緩和の計画を発表
・イラン海軍の艦船がホルムズ海峡付近での演習中に同軍の別の艦船をミサイルで誤射(兵士ら19人が死亡)

5/11(月)
・トランプ大統領がホワイトハウスの職員のマスク着用を義務付け
・日・米・韓・豪・印・ブラジル・イスラエルの7か国外相会議(オンライン会議)
・ミシガン州の経済活動が一部再開
・フランスの経済活動が一部再開
・ロシアのプーチン大統領が新型コロナウイルス対策の活動制限を段階的に解除すると発表
・インドのモディ首相が新型コロナウイルス対策の活動制限を段階的に解除すると発表
・アルゼンチンが債務再編交渉の期限を5月22日まで延長すると発表

5/12(火)
・トランプ大統領がFRBにマイナス金利政策の導入を要求するツイート
・トランプ大統領がテスラのカリフォルニア州における郡の規制に反する工場操業を支持するツイート
・ファウチNIAID所長が上院公聴会で証言(経済活動の再開を急げば新型コロナウイルス感染の急拡大を引き起こすリスクがあると警告)
・ワシントンDCの連邦地裁がマイケル・フリン元大統領補佐官の起訴取り下げの承認を保留
・リンゼー・グラムら共和党の上院議員が対中制裁法案を上院に提出
・米民主党の議会指導部が3兆ドルの新型コロナウイルスの経済対策を公表
・カリフォルニア州・ウィスコンシン州下院補選(いずれも共和党候補が勝利)
・米大統領選挙民主党予備選(ネブラスカ)
・中国が豪州産食肉の輸入を部分的に停止
・EU国防相会議(テレビ会議)

5/13(水)
・トランプ大統領がファウチNIAID所長の議会証言で学校の再開に慎重な姿勢が示されたことについて「受け入れられない」と発言
・トランプ大統領が19年5月に署名した国家安全保障上のリスクをもたらす企業の通信機器を国内企業が使用することを禁止する大統領令の期間を1年延長すると発表
・ポンペオ国務長官がイスラエルを訪問
・FBIが中国はサイバー攻撃やスパイ活動を通じて新型コロナウイルスのワクチンや治療法に関する情報を得ようとしているとして米研究機関に警告
・米連邦退職貯蓄投資理事会(FRTIB)が中国株への投資を延期すると発表
・ウィスコンシン州の最高裁が同州の外出規制令は違法との判決
・パウエルFRB議長が講演(オンラインのセミナー)
・中韓首脳電話会談
・メキシコが自動車産業の再稼働を5月18日から認めると発表

5/14(木)
・トランプ大統領が中国の新型コロナウイル対応について「とても失望している」「中国との関係を断つこともできる」と発言
・トランプ大統領がペンシルベニア州アレンタウンの医療品の配送センターを訪問
・トランプ大統領が「オバマゲート」追及のためオバマ前大統領に議会証言を求めるとツイート
・米生物医学先端研究開発局(BARDA)のブライト前局長が下院公聴会で証言(トランプ政権の新型コロナウイルス対応を批判)
・米上院がウイグル人権法案を可決
・米上院情報特別委員長のリチャード・バー上院議員が米国内で新型コロナウイルスの感染拡大が確認される前に保有株式を売却していたことを理由に同委員長を辞任
・米労働省が5月3~9日の失業保険申請件数は約298万件と発表
・WTOのアゼベド事務局長が任期満了を待たずに8月末で辞任すると表明
・安倍総理が39県における緊急事態宣言の解除を発表(東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、京都、兵庫、北海道は引き続き対象地域)

5/15(金)
・トランプ大統領がポンペオ国務長官の職権濫用に関する調査を始めた国務省のスティーブ・リニック監察官を解任
・米商務省が輸出管理規則に基づく「エンティティ・リスト(EL)」に掲載されたファーウェイの取引規制の強化(外国製品でも米国の製造装置を使っていれば規制対象)を発表
・米商務省が輸出管理規則に基づくELに掲載されたファーウェイとその関連企業との一部取引を認める一般ライセンス(TGL)の延長期限を8月13日まで延長(その後は廃止する可能性があると表明)
・FRBが金融安定報告書を公表
・米下院が議員の遠隔投票を認める規則変更を可決
・NY州の経済活動が一部再開
・台湾積体電路製造(TSMC)がアリゾナ州に半導体工場を建設すると発表
・米英のFTA交渉の最終日
・EU外相会議(テレビ会議)

5/16(土)
・トランプ大統領がWHOへの資金拠出を部分的に再開することを選択肢の一つとして検討しているとツイート(米国の拠出額が中国と同額になる見通しとの報道)
・オバマ前大統領が「歴史的黒人大学」(HBCU)のオンライン卒業式のスピーチでトランプ政権の新型コロナウイルス対応を批判
・ジャスティン・アマーシュ下院議員がリバタリアン党からの大統領選の出馬を見送ると発表
・LAの中心市街地で爆発

●新型コロナウイルスの感染拡大(米国の対応

米国では、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻なNY州やミシガン州含め、ほぼすべての州で何らかの形で活動制限が緩和されています。連邦政府のコロナ対策チームの専門家トップであるファウチ国立アレルギー感染症研究所(NIAID)所長は、早期の経済再開がもたらすリスクを指摘していますが、各州は独自の判断で段階的な再開に踏み切っています。

新規失業保険申請件数は前週に比べて減少したものの、8週連続で7桁台。実体経済の状況は極めて厳しいです。

パウエルFRB議長は、経済の厳しい状況を強調し、さらなる政策支援の必要性を指摘。そして、下院は民主党提案の3兆ドルの経済対策第4弾(Health & Economic Recovery Omnibus Emergency Solutions Act(HEROES Act))を208対199で可決しました。

米国の現状と展望について解説します(※メルマガに限定)。

●米中対立の先鋭化と対中制裁の可能性

トランプ政権の中国批判と圧力は高まり続けています。先週、トランプ大統領は、中国の新型コロナウイル対応について「とても失望している」「中国との関係を断つこともできる」と発言しました。

また、商務省はファーウェイに対する事実上の禁輸措置を強化しました。外国で製造された製品も、米国の部品を使用していれば規制対象に含まれます。

同じタイミングで、半導体生産の世界最大手である台湾積体電路製造(TSMC)がアリゾナ州に工場を建設すると発表しました。TSMCはファーウェイにとって半導体生産の重要な委託先です。

さらに、連邦退職貯蓄投資理事会(FRTIB)が中国企業の株式銘柄を組み入れた株価指数で資金を運用する計画を立てていたのですが、これを延期すると発表しました。事実上、トランプ政権の要請を受けて決定されたものです。

そして、マルコ・ルビオら超党派の上院議員が提出したウイグル人権法案を上院が全会一致で可決。下院は、19年12月に類似の法案を407対1の圧倒的な賛成多数で可決していました。

「ウイグル人権法案の下院可決」(19/12/10)

また、リンゼー・グラムら8人の共和党の上院議員が対中制裁法案(Covid-19 Accountability Act)を上院に提出しています。

これらの動きに加え、FBIは、中国がサイバー攻撃やスパイ活動を通じて新型コロナウイルスのワクチンや治療法に関する情報を得ようとしているとして米研究機関に警告を発しました。

ファーウェイ制裁や対中制裁法案の提出など、以下の記事で予想したとおりの展開ですが、これらの動きが意味するものと今後の展望について、明日解説します。

「米中対立の先鋭化と通商合意の展望」(5/12)

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今週の動き
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5/18(月)
・WHO年次総会(~19日、テレビ会議)
・イタリアで飲食店の営業が再開
・マレーシアの連邦議会下院開会(即日閉会)

5/19(火)
・ムニューシン財務長官とパウエルFRB議長が上院銀行委員会で証言
・米大統領選挙民主党予備選(オレゴン)

5/20(水)
・台湾総統就任式(蔡英文総統の2期目開始)
・シリア人民議会選挙
・ブルンジ大統領選挙

5/21(木)
・中国人民政治協商会議(政協)の開幕(北京)
・日本政府が緊急事態宣言の範囲を見直し

5/22(金)
・第13期全国人民代表大会(全人代)第3回会議の開幕(北京)
・アルゼンチン債務交渉の期限日

(今週中)
・トランプ大統領がWHOへの対応を表明

●WHO総会と台湾総統就任式

以下の記事でも述べたとおり、WHO総会と蔡英文総統の2期目の就任式が予定されています。

「米中対立の先鋭化と通商合意の展望」(5/12)

また、トランプ大統領がWHOへの対応について何らかの考えを表明すると述べています。この点についてコメントします(※メルマガに限定)。

●全人代の開幕

新型コロナウイルスの感染拡大により延期されていた全人代が開幕します。習近平体制はコロナ危機の克服をアピールしたいところですが、経済は再開したものの、いまだ不確実性が大きく、今年の経済成長率を示さない可能性があるといわれています。

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あとがき
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検察庁法改正案をめぐる論争が盛り上がっていますが、どうも混乱があるように見えます。「黒川検事長を検事総長にすることが目的」「三権分立に反する」「検察への民主的統制を強めるべき」・・いずれもズレていると思います。この点についてコメントします(※メルマガに限定)。

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One comment on “今週の動き(5/17~23)
  1. KB より:
    リーダーの言動

    ロックダウン(自粛)解除に向けて、各国様々な政策がとられていて、興味深い展開ですね。同じ「コロナ」という事象に向き合っても、「リーダーの資質」「国民性」「新型コロナの認識度合い」こういった要素が複雑に絡み合うためか、ここまで各国取り組みや状況が違うものなのか、と驚きです。

    ドイツでは、国民の半数以上が反対していたという調査があるにも関わらず、メルケル首相がブンデスリーガの再開を決めるとともに、50ページ以上にもわたるガイドラインを策定したとか。再開の目的を共有しと、安全を確保するための守りの政策も両輪でやるブレない姿勢は「国民の信頼」に繋がるのかな、と。メルマガのトランプ大統領を見ながら思いました(笑)

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