2019/03/26 05:00 | 欧州 | コメント(16)
BREXITの延期とメイ政権の窮地
■ メイ英首相「国民はうんざりしている」 ブレグジット協定に支持訴え(3月21日付BBC)
■ 英首相、離脱案巡り閣僚・強硬派と協議 辞任圧力の報道も(3月24日付ロイター)
■ 英首相、EU離脱巡り仮の投票を検討=テレグラフ紙(3月24日付ロイター)
■ ロンドンで「ブレグジット反対」行進 主催者は100万人以上が参加と(3月24日付BBC)
先週もBREXITをめぐる動きは混乱を極めました。まず、以下の記事で述べたとおり、メイ首相は3度目のBREXIT協定案の議会採決(MV3)を狙い、その上でEU首脳会議に臨んで6月30日までの延長を合意する考えでした。
・「BREXITの延期要請の決定と3度目の協定案採決」(3/19)
ところが、ジョン・バーコー下院議長が議会は一度否決された決議案を同じ内容で再採決することはできない、という驚きの発表。これを受け、メイはまずMV3を断念し、そのままの状況でEUに6月30日までの延長を要請します。
EU首脳会議でEU27か国が下した結論は、英議会が協定案を可決すれば5月22日までの延期を認め、可決できなければ4月12日までの延期を認める、というものでした。5月23~26日に欧州議会選挙が予定されており、それを超えて延長する場合には英国が欧州議会選挙に参加する必要があります。このため、今週中に協定案を可決すれば5月22日にBREXITとし(欧州議会選挙には参加する必要なし)、可決できなければ4月12日に合意なき離脱か、欧州議会選挙への参加を決定した上で長期延期を検討するよう迫ったものです。英国に交渉の余地は残されておらず、受け入れる他ありませんでした。
これを受けてメイは、全力で協定案の可決を目指すが、否決された場合には合意なき離脱か長期延期になると表明。メイ政権、議会、EUを取り巻く状況に変化が生じ、メイの辞任可能性が急速に高まっているともいわれます。見通しを立てるのが極めて困難な状況にありますが、現時点でのポイントを解説します。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
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BREXITの延期とメイ政権の窮地
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●BREXITの延期
●3度目の協定案採決
●議会の主導権(仮の投票)
●メイ首相辞任の可能性
●合意なき離脱
●読者の方からの質問への回答
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あとがき
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■ 「ゲーム・オブ・スローンズ」が最終シーズン予告編(3月7日付CNN)
ロンドンで行われたBREXIT反対のデモには女優レナ・ヘディも参加していたとのこと。ドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』でサーセイ・ラニスターを演じた役者です。
その『ゲーム・オブ・スローンズ』、いよいよ来月に最終シーズンが公開されます。今さらですが、この作品は・・めちゃくちゃ面白いです。
私は最近、現時点で公開されている7つのシーズンすべてを見終わったのですが、これでようやく上記の予告編の映像を見たり、ネットで関連情報を検索することができるようになりました。見終わる前に迂闊に検索すると、ネタバレ情報が目に入るおそれがあったからです。
厄介だったのは、作品と直接関係のない用語で検索しても関連情報が出てしまうこと。たとえばトランプの「壁」について調べようと思い、キーワードを打ち込んで画像検索すると、『ゲーム・オブ・スローンズ』の場面が出てきてしまいます。本メルマガでご紹介した以下のトランプ大統領のツイッター「The Wall is coming」「Sanctions are coming」を見ても分かるとおり、トランプはこの作品のイメージをパクりまくっているので(笑)、関連付けられてしまうのですね。
■ Donald J. Trump(1月5日付ツイッター)
■ Donald J. Trump(18年11月2日付ツイッター)
エロスとバイオレンスの描写が素でエグいので、その点は注意が必要ですが、たぶん大丈夫・・という人であれば圧倒的にお勧めします。とにかくものすごい作品です。
それにしても最後のシーズンが楽しみ過ぎます。果たしてラストはどうなるのか。おそらくトランプも気になって仕方ない状況のはずです(笑)。
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16 comments on “BREXITの延期とメイ政権の窮地”
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ユリゲーラの登場でカオス感がさらに強調されているBREXITですが(笑)、丁寧な分析と大胆な見通し、今回はJDさんのタッチの変化にも注目しながら拝読しました。
一般的にあまりフォローのない、合意なき離脱による経済活動への影響は大変興味のあるところで、仮投票を見守る目的も見出せたので有意義でした。それに、名物議長の出勤風景も、かなり引き込まれます!(笑)
私がすべきは、無責任なコメント(戯言)は無視して、メルマガから、今後の学びを得ること、と感じました。
不確定要素が多いにもかかわらずいつにも増して切れ味の鋭い分析、大変興味深く読ませて頂きました。
最後のメイ首相に対するコメントも本当にそうだなと思います。
確かに一連のBREXIT交渉における彼女の不手際感は否めませんが、それでも彼女だけを一方的に責めるのはなんだか違うなと感じていたので、今日のコメントを読んでとても胸のすく思いです。
彼女を責め立てるのであれば、タラレバにはなりますが、他にも責められて然るべき人たちがいるだろうと思うのですよね。己の政治策略と引き換えに国民投票を受け入れたキャメロン元首相然り、明確な移民政策を打ち出してこなかった過去の労働党政権然り、BREXITが決まった国民投票後、我先にと逃げ出した政治家たち然り。
彼らに比べれば、少なくともメイ首相はあの未曽有の混乱の中、逃げずに英国を何とか引っ張っていこうと立ち上がったわけですから、その点に関してはすごい人だなと思います。
ただ良くも悪くも真面目過ぎたのかもしれませんね。それこそバーコ―下院議長のようなユニークさが彼女にあったならば、今とは違う結末が待っていたようにも思います。
『ゲーム・オブ・スローンズ』・・エグいのですか。そうですか。
気になってウォッチリストに入れておいたのですが、これは迷いますね。
過去に映画館で目を閉じてしまった拷問系と四谷怪談系は今でも苦手。でも『アジョシ』系のバイオレンスだったら結構いけました。(なんせウォンビンのシックスパックがあまりにも見事だったから。)
かなり去年の注目イベントに
ブレグジットを挙げていたのですが
言った本人が
あからさまに興味を失くしています
せっかくご丁寧に解説をしていただいたのに・・・
いったいメイ首相は何をやりたいのか
JDさんもそれをかなり苦悶していたように
拝察しております
おかげさまで
コモンウエルズ諸国で
まともに景気が上向いている国など
ないような状態(笑)
ヨーロッパの景気がかなり怪しくなっているとはいえ
現況は自業自得のような
気がします
ところで
今の時期に安倍4選が叫ばれています
私の考えは
180度ひっくり返り
安倍さんだから
助走体制に入ったのか?
と思っています
秋くらいまでには判断がつくでしょう
参考までに
為替は日本が上昇すれば
円高です、円安なんかになりません、と思う?(笑)
現況では(笑)
この安倍さん4選は
やはり
トランプ再選ないしは
パートナーシップが
関係あるとおもっています
独りよがりの考えになりますが
今の時期に4選を言い出すのは
国内政治状況ではないような気がします
このメルマガの考察対象外ですね
みなが悲観しているときに
強気も悪くないね、とは思います(笑)
『ビリーブ 未来への大逆転』が公開されましたね。
法律というと、守らなければならないもの、
と考えてしまいがちですが、
法律家の立場から、知恵を出して、
現実に合わない法律を変えていこうという姿は、新鮮でした。
>KBさん
ユリ・ゲラー、英国ではどれほど注目されているのでしょうね・・・笑
混沌が極まっていますが、何となく私が整理したポイントのとおり進みそうな雰囲気ですね。
>chinaさん
拷問系、ダメですか。そうなると厳しいかも・・・笑
しかしchinaさんにはぜひ見ていただきたいですね。特にレナ・ヘディ演じる王妃のサーセイというキャラクターが非常に強烈で、chinaさんの感想を聞きたいところです。笑
>那須の山奥の兄ちゃんさん
ご指摘のとおり私の所掌外ですが、トランプ再選となると、安倍首相にいてもらわないと日本は厳しいでしょうね。苦笑
>だっふぁーさん
公開されたのですね。私もチェックします。
裁判所の判決には実質的な立法機能があると言われますが、米国の方がその性格は強いですね。日本の司法とはずいぶん違うと思います。
本当にBREXITは、今朝もJDさんのポイント通りの展開に近づきましたね!
メルマガは先が見通せて鮮やかですが、イギリスの不透明感はより一層深まっていますね・・
> 裁判所の判決に立法機能がある
こういう背景もあって、アメリカでは最高裁判事選びに、熱くなるんですね。
以前、解説がありましたが、あらためて、最高裁判事は尊敬の対象になり、国をつくる人物ということが、理解できました。
話題のGOTがすごすぎる(!)ので、箸休め的にNetflixで「PASKAL マレーシア海軍特殊部隊」を観ました。隊員はカッコよくて味があり、軍隊は日米のいいとこ取りをしたような描き方でした。初のマレーシア映画でしたが、とても良かったです。
マレーシア海軍は東南アジアで最も大規模かつ先進的な海軍とのこと。そんな訳で、アジアの海洋の安全保障にも重要な役割を担うのか?とか、日本とはどんな協力関係が期待できるかな?とか、マハティール復帰からそろそろ1年、国防や日本との関係などが気になってきました。考えるポイントを、機会があれば、教えてください。
議会もメイ首相もハードは回避すると言っている
なので、ハードの可能性はない。
あとは、いつ離脱するかの問題だと思っています
現時点でソフト90パーセント、ハード10パーセントだと思っています。
アホなメディアに踊らされないようにしたいと思います。
こういう当たり前の推測しか
ばかな私にはできません。
こうやって考えると
議会の逃げ道をふさいだメイ首相の作戦勝ちとも
言えるのでしょう
「厳しいかも・・」と言いながらも、爽やかに視聴を推してくださるJDさんに、ソフトなサディストの香りを感じつつも(嘘)、さっそくシーズン1を視聴してみました。
確かにエロスとバイオレンスがかなり効いていますね。
冒頭から猟奇殺人現場に切り落とされた首がドンとか「おおっ・・!」と思いましたが、思いのほか見せ方がきれいというか工夫されているので、あまりグロくは感じませんでした。私が苦手なのは、いわゆる拷問マニアが生きた人間を楽しみながら痛めつけていくといったシーンなのですが、こんな風にサクッと皆さん逝ってくれるのであれば、このドラマ結構いけそうな気がします。
まだシーズン1しか視聴していませんが、壮大な物語に個性的なキャラクターでなるほどおっしゃるとおり面白いです。
最初は人間関係や物語の背景を頭に入れていくのに精一杯でストーリーにいまいちのめり込めなかったのですが、デナーリスとカール・ドロゴが心を通わせていくあたりからどんどん引き込まれ始めました。彼がシーズン1で姿を消してしまったのは少し残念ですが、それでも大切な者達を失った結果、デナーリスが覚醒したラストはなるほど・・と次への視聴意欲を大いにそそられましたね。(にしてもデナーリス、超可愛い。)
JDさんご推薦の王妃サーセイは確かに強烈。したたかさや狡猾さを通り越してまるで美しい顔をしたモンスターですね。
でもそのモンスターを作り出してしまった原因が、尊敬してやまない夫の真の愛を得ることが出来ないという絶望だったのであれば、彼女にも同情する余地があるのかな・・と中盤では思ったりもしました。行き場を失った愛が野心へと一直線に注がれてしまった結果、支配欲や権力欲にあふれた冷酷な人間になってしまったのだとすると、何だか可哀そうな気もしましたが、それでも事がうまくいっている時の彼女の自信とも他者への侮蔑ともとれるあの独特の眼差しを何度も見ていると、いつの間にかそんな同情は消え去っていましたね。何があってもこの人だけは改心しそうにありません。シーズンを進めていくにつれ、この嫌な感じがさらにパワーアップしちゃうのかな。恐ろしいですね。
あと、サーセイ以上に見ていてムズムズするのは、大した実力もないのに過分な権力を得てのぼせあがってしまったマザコンキング。早いところ天罰が下ってほしいものですが、どうでしょう。いつも勧善懲悪とならないところが海外ドラマの面白いところではありますが、う~ん、この子だけはいつかギャフンといわせてほしい。
他にもアリア、ティリオン、ジョン・スノウと気になるキャラクターがいっぱいです。続きが楽しみです。
見始めてしまいましたか…!
マザコンキング、私も最初はそう思っていましたが、これから先あまりに展開がとんでもないので、振り返ると小さなことだったなと思います。笑
とにかくシーズンを追うごとに度肝を抜かれるでしょう。
拷問マニアは、残念ながらとんでもないのが出てくるので、楽しみにしてください。笑
これから衝撃を味わえるchinaさんがうらやましいです。しかし私にもシーズン8がありますね。
これからもご感想楽しみにしています。
GOTシーズン2見終えました。ラストシーズンを見終わるまで感想投稿は保留しておこうかなと思っていたのですが、見終えるとやはり何かしら誰かに言いたくなってしまいますね、このドラマ。なぜだろう。
途中「機嫌が良くないときはゆっくり殺す」とか、聞き捨てならないセリフを繰り出す集団が現れて一瞬心がザワつきましたが・・、取り敢えず今のところセーフ。(でもいつかどこかでガッツリくるのかな・・・)
ヘタレのジョフリーには相変わらずイラっとさせられていますが、ここにきて新たに小賢しランキング上位に食い込んできたシオンが意外とあっさり失脚してくれたので、精神衛生上非常に良かったかと思います。(ただアリアには例の必殺カードをジョフリー親子に切ってほしかった・・ああ無念・・)
今シーズンの私的ベストプレーヤーはティリオンですね。時に王の愚行を止めに入り、時には叱りつける。ファインプレーが多かったと思います。シーズン1の時から思っていたのですが、彼自身がコンプレックスを抱えているからか、弱者に対して優しいですよね。弱きを助け強きを挫く、をさらっとこなしてしまうところが良い。性格に少々癖がありますが、人間としてまっとうだなと感じます。また愛する女性との関係性の深め方も非常に良いなと感じました。
愛と言えば、シーズン1ではあまりパッとしなかったロブ・スタークが徐々にその頭角を現し始め、素敵な女性と結ばれたあたりも(少女漫画的)胸キュンポイント高し、でテンション上がりましたね。この二人には幸せになって欲しいな・・。
しかし、ラストに登場したあの集団は何でしょう・・。何やら一気に不穏な空気が充満してきた気がします。ますます目が離せませんね。引き続きウォッチ致します。
>chinaさん
順調に進んでいるようで何よりです。私もあれこれ書きたくなりますが、ネタバレになってはいけないので、気をつけます(笑)。
シオン、あっさり失脚・・・と思って安心していたら、chinaさんにとって最も恐るべき展開が待っている、かもしれません。
ティリオンは、あの凄惨な世界の中で救いになる存在ですね。ジェイミーもだんだんと印象が変わってくると思います。ロブ・スタークは、私も同じように思ったのですが、あまり期待をかけると・・・(自粛)。
まあ、どちらにせよこちらの予想をことごとく超える展開が待っているので、いっそ思い入れと期待を存分にかけて、それが無残に裏切られるのを楽しむ、ということで良いかと思います(笑)。
CNNを見たら最終シーズンの予告編や登場キャラクターの評論などがやっていて、こんなに盛り上がっているんだなあとあらためて感心しました。