2019/02/27 05:00 | 中南米 | コメント(4)
ベネズエラ現代史(1):ウーゴ・チャベスの「ボリバル革命」
■ ベネズエラ、ブラジルとの国境を閉鎖 次はコロンビア国境も(2月22日付CNN)
■ ベネズエラ、コロンビアとの断交を発表 国境で支援物資搬入めぐり衝突(2月24日付CNN)
■ ペンス米副大統領、国際社会にマドゥロ政権への対応呼び掛け(2月26日付CNN)
ベネズエラ情勢の緊迫が続いています。「暫定大統領」を宣言したフアン・グアイド国会議長は2月23日を海外からの支援物資を受け取る日と宣言。物資はコロンビアのククタ、ブラジルのパカライマ、カリブ海のオランダ領キュラソー島の3か所から搬入される予定でしたが、マドゥロ政権は空路・海路、そしてブラジルとの国境を封鎖。予定日の23日には現地で衝突が発生しました。コロンビア政府と人権団体によると300人以上の死傷者が出たとのこと。
先週、チリがベネズエラを外した南米地域協力連合を提案し、駐コスタリカ大使館がグアイド派に占拠されるなど、国内外で政権への圧力は高まっています。日本政府もグアイドへの支持を表明しました。日本がこのような内政干渉を行うのは極めて異例ですが、米国からの強い要請と欧州主要国の支持を見て踏み切ったのでしょう。
しかし、マドゥロ大統領は米国等からの支援物資を拒絶しながら、ロシア、中国、トルコからは物資を受け取る予定である、と述べています。マドゥロ政権は軍の支持を得ながら結束を保っていますが、チャベス政権で軍情報機関のトップを務めたウーゴ・カルバハル議員が野党支持を発表するなど、新たな離反の動きも起こっています。また、コロンビア政府によるとベネズエラの兵士や警官156人が任務を放棄したとのこと。
今週にはベネズエラの民主化を求める米州諸国の「リマ・グループ」がコロンビアで緊急首脳会合を開催。米国からペンス副大統領、それにグアイドも出席し、両者は会談も行いました。また米国はマドゥロ政権による支援物資の国内搬入阻止に関与した州知事4人を制裁対象に追加しています。
ベネズエラの現状と展望については以下の記事で解説したとおりです。
・「ベネズエラ情勢の緊迫」(2/8)
・「ベネズエラ情勢の緊迫の継続」(2/25)
一方、ベネズエラがこのような状況に陥り、マドゥロ政権が持続している背景を理解するには、これまでの経緯を知ることが有益です。特に現体制を一代で築き上げた故ウーゴ・チャベス前大統領について知ることは不可欠です。そこで本日は、今日のマドゥロ体制に至るベネズエラの現代史について、チャベス前大統領の人物像、体制の特徴、今日まで続くその影響を中心に解説します。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
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ベネズエラ現代史(1):ウーゴ・チャベスの「ボリバル革命」
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●「南米の優等生」
●ウーゴ・チャベスの政権奪取
●48時間のクーデターとチャベスの急進化
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あとがき
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■ 大人気の中国共産党アプリ、アリババが開発=関係者(2月19日付ロイター)
習近平の思想を学ぶアプリ「学習強国」が登場。「大人気」といいますが、すべての共産党員(約9,000万人)に使用が義務付けられているというのですから、ええ・・ですね。スマホをもっていない高齢者や幹部もアカウントを作るなど何とかしなければならず、大変のようです。
アプリを使うと「習ポイント」がたまり、少ないと指導を受けるとのこと。ポイントはなかなかたまらないらしく、アプリに相当の時間を費やすことを強いられるようです。ネタとしか思えませんが・・これが2月8日に配信した記事のあとがきでも述べた党宣伝部の本気ということでしょうか。
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4 comments on “ベネズエラ現代史(1):ウーゴ・チャベスの「ボリバル革命」”
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いや・・これはまずいですねぇ・・2000年代に入ってからの、それもつい最近の話ですら、自分はこんなにも理解できていなかったなんて・・・涙
クーデターにしても政権交代にしても、必ず「理由」があるわけですが、そういったことが、毎回丁寧に描かれているのが面白く、読んでいくと一気に興味が湧きます。
しかし、もっと早く出会っていれば、と思います…知らないことを知らないって、怖いですね…遅まきながら学びます(苦笑)
「学習強国」・・・これはとても面白いですね。
リンク先の記事を読みながら思わず吹き出してしまいました。
ポイント2倍のハッピーアワーとか、(充分な睡眠をとってもらうため)午後10時以降の使用を推奨しないとか、本当に細かく作り込まれていて興味深いですね。
にしても、各アクションのポイント獲得数が少ない割にノルマがきついですね。
「ある公立の学校の教員らには1日に40習ポイント獲得という常軌を逸したノルマが命じられているようだ。」って、記事1個読んでやっと0.1習ポイントなのに、40習ポイントはいくら何でも鬼すぎるでしょう・・。
久しぶりにメルマガ読んで笑わせて頂きました。ごちそうさまです。
チャベス大統領の国連演説・・米国大統領を悪魔と呼ぶなんてどれくらい殺伐とした雰囲気なのだろうと思ったら・・該当の場面では会場で笑いが起きているのを見て、これも彼のスピーチの上手さなのかなと感じました。この一件は世界に大きな衝撃を与えたのでしょうけれど、(わざわざ本まで持ち込むなどの手の込みよう含め)彼の人柄が何となくわかる一幕でもあるような気がしました。
過去の内戦に陥った国の経緯をみると
ほぼ、内戦になるのかな?
と思いました
ただ、たいていの場合
宗教か人種が絡んでるケースが
圧倒的に多く
どうなのかな、と思います
お見立てはいかがでしょうか?
ともかく
2月のメルマガは
流し読みしかしておらず
ベネゼェラの
過去の経緯を理解していない
ということもあり
かなり疑問が残っております
はやく本業を回復させ
研究、勉強を復活させないと
思うばかりの日々です。
流し読みでも
かなりの疑問が解決しました
印パの紛争に
すでに興味が移っています(笑)
融和ムードが
なぜ、あんなことになっていったのか
さっぱり想像もつかない
まだ理解していないのだろうな
と思います。
学生時代、世界史の授業をサボった自分には、JDさんの世界史の授業メルマガはとっても勉強になります。いつもありがとうございます!!