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2019/02/08 05:00  | 中南米 |  コメント(2)

ベネズエラ情勢の緊迫


ヴェネズエラ国会議長が「暫定大統領」の就任宣言 トランプ米大統領は承認(1月24日付BBC)
米政府、「腐敗した」ヴェネズエラ国営石油会社に制裁(1月29日付BBC)
ベネズエラ首都で大規模デモ、軍の動向に注目(2月4日付CNN)
英独仏など欧州各国、グアイド氏を承認 ベネズエラ情勢(2月5日付CNN)

ベネズエラをめぐる情勢が緊迫しています。先週の記事で、現時点で軍がマドゥロ政権から離反する可能性は低いと指摘しましたが、状況が急変してきました。

「ベネズエラの動揺」(1/28)

先週、ベネズエラの駐米大使館武官が「暫定大統領」を宣言したフアン・グアイド国会議長を支持する声明を発表しましたが、今週には空軍のフランシスコ・ジャネス少将がSNS動画でグアイドへの支持を表明。これまでも国内では数人の兵士による小規模な反乱が鎮圧されてきましたが、ついに幹部レベルの離反者が現れたことになります。

グアイドを中心とする野党勢力は反マドゥロ政権デモを呼びかけ、各地で大規模なデモが発生。首都カラカスでは数万人に上っています。マドゥロ政権はグアイドへの圧力を高めていますが、ボルトン大統領補佐官はグアイドや野党の政治家に危害を加えた場合「重大な対応をとる」と警告。

ベネズエラの最高裁がグアイドの出国禁止と銀行口座の凍結を認めましたが、米国務省はニューヨーク連邦準備銀行などが保有するベネズエラの公的資産を動かす権限をグアイドに認めました。グアイドに対しては欧州の主要国や南米の多数国が支持を表明しています。

また、米財務省がベネズエラの国営石油会社「PDVSA」を制裁対象に指定したと発表。マドゥロ政権は1月26日を国外退去の期限としていた在ベネズエラの米国外交官に対し30日の猶予期限を設け、米国の追加経済制裁を回避しようとしたのですが、トランプ政権はかつてないレベルにまで圧力を高めています。

そうした中、マドゥロ大統領が野党側と交渉する用意があると発言。議会選の早期実施への支持も表明しました。ただし大統領選の再実施は否定しています。

ベネズエラは、日本語では情報が不足していることもあり、多くの人にとって馴染みの薄い国と思います。したがって、まずは現代史を解説しようと思っていましたが、あまり悠長なことを言っていられないほどに事態が動いてきました。そこで、本日はとりあえず現時点での状況と展望についてポイントをお伝えします。

※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。

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ベネズエラ情勢の緊迫
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●マドゥロ政権の持続性
●グアイド「暫定大統領」の求心力
●トランプ政権の強硬路線
●軍の離反の動き
●政権崩壊の可能性

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あとがき
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ロマンチックなマルクス登場、中国アニメが狙うは共産主義の新世代(1月26日付CNN)

ロマンチックというか、個人的には、何となくゲーム『逆転裁判』のキャラクターを彷彿させるマルクスでした。タイトルの字体のせいですかね(笑)。

共産主義は、今なお理屈と建前において、中国共産党が自らを正当化するための手段として用いられています。実際のところ党幹部も人民も誰も信じていない(理解もしていない)ように思いますが、党宣伝部にとっては格好の宣伝材料であり、使えるものは何でも使う、という姿勢が見えます。

このアニメも、そのクリエイティビティが遺憾なく発揮されたプロダクトのようです。マルクスがどれほど中国人の心に響くのだろうか、しかもアニメということは若者向けアピールだろうけど・・といろいろ疑問がわきますが、逆に宣伝部の考え方が見て取れて、これはこれで興味深いです。

また、こういう画像を見て、中国人はもはや「日本」を意識しないのでしょう。日本のアニメが、米国のハリウッド映画やマクドナルド、コカ・コーラのように、すでに国境を超えた普遍的なポップカルチャーになった感じがして、それはそれで趣深いです。まあ、こちらの記事の「あとがき」で述べたマリオ事件に至っては困りますが・・(苦笑)。

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2 comments on “ベネズエラ情勢の緊迫
  1. KB より
    点と線が繋がって

    おもしろいですね

    昨年の秋以降のトランプ人事のドタバタを毎回丁寧に解説されていたことが、こうしてベネズエラ情勢に活きてくるとは・・・すべて物事は繋がっているのですね

    米国が、ベネズエラに対してここまで路線を変更できる要因に「原油」がキーワードとのこと、米国内でのシェール産出も影響しているのでしょうか?

    緻密な分析がダイナミックな世界情勢へと変化する、そんな瞬間を見たような気がした、今日のメルマガでした。

  2. 通りすがり より
    JDさん

    ご回答いただきましてありがとうございます。
    3つの理由が、大変分かりやすく述べられており、特に第2の理由で示されているこれまでの経緯は、今回の動きとも密接に繋がっており、興味深く拝読いたしました。

    こうなってきますと、やはりベネズエラ現代史配信がが楽しみになって参りますね。

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