2018/12/12 05:00 | 米国 | コメント(3)
ナンシー・ペローシの下院議長候補選出
■ 米民主党、ペロシ氏を次期下院議長候補に指名 1月に最終投票(11月28日付ロイター)
民主党がナンシー・ペローシ下院院内総務を次期下院議長候補に選出しました。この展開と意義については以下の記事で述べたとおりです。
・「米議会の委員会」(11/28)
しかし民主党下院議員32人が反対しているとのこと。下院の定数(435)の過半数(218)の賛成が必要ですが、民主党の議席数は235なので、来年1月3日の投票までにこれらの反対勢力を説得する必要があります。おそらく何とかなると思うのですが。
ペローシについては、那須の山奥の兄ちゃんさんからコメント欄で以下の質問がありました。
>ペロシは記憶によると
>ゴリゴリのイスラエル擁護派だったとの記憶があります
>たしか2007年のイラン攻撃危機に際して
>当時のブッシュに賛同していたような
>記憶があります
>来年のテーマになりますか?
玄人好みの質問ですね(笑)。ご質問にお答えした上で、話がかなり脱線しますが、ペローシと上院のトップである共和党上院院内総務のミッチ・マコーネルの名前についてコメントします。最後に英語の語源の研究について説明します。
※ここから先はメルマガで解説します。英語の部分の解説は一般公開します。
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ナンシー・ペローシの下院議長候補選出
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●ペローシの外交政策
※メルマガで解説しています。
●「ペローシ」と「マコーネル」
※メルマガで解説しています。
●語源の研究
余談になりますが、「McConnell(マコーネル)」、「McDonald(マクドナルド)」、「MacGyver(マクガイバー)」といった名前の「Mc」「Mac」は、アイルランド語とスコットランド語で「~の息子」を意味します(アイルランド語が「Mc」、スコットランド語が「Mac」、両方ともゲール語なので似ている)。
「コーネルの息子(のミッチ)」、「ドナルドの息子(のドナルド)」、「ガイバーの息子(のアンガス)」ということです。アラビア語で「ムハンマド・ビン・サルマン」が「サルマンの息子ムハンマド」という意味であるのと同じですね。
したがってこういう名字の人たちは、米国人であっても元々アイルランド系かスコットランド系であることが分かります。80年代に『ハイランダー 悪魔の戦士』というアクション映画がありましたが、主人公のスコットランドの戦士の名前は「MacLeod(マクラウド)」でした。いかにもスコットランドという名前です。
なお「ハイランド」はスコットランドの地域(ネス湖がある)の名称です。私は90年代にこの地域を旅行しましたが、とにかく英語が分からない。たとえば「Lake」を「Loch(ロッホ)」と呼びます。同じ英国でもこんなに言葉が違うのかと驚いた記憶があります。
ついでにいうと「O’Brian(オブライエン)」、「O’Neal(オニール)」という名前もありますが、「O’」はアイルランド語で「~の子孫」を意味します。「ブライアンの子孫(のコナン)」、「ニールの子孫(のテータム)」ということです。こういう名字の人たちはアイルランド系ということが分かります。
こういった語源を研究する学問を「etymology」と言います。固有名詞に限らず、たとえば英語の一般名詞も、ラテン起源かゲルマン起源か、それがどう変遷したのか、というのも研究対象になります。
語学のみならず、文化・文明・歴史を探求する上でもヒントを与えてくれる面白い分野です。これもそのうち「英語の勉強」シリーズの中で取り上げたいと思います。
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特別レポート
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メルマガにのみ掲載しています。
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あとがき
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■ 「何もすることがありません」 ネブラスカ州、自虐広告で観光客誘致(10月29日付CNN)
私も米国に住んでいたとき、全米各地を訪れたものですが、ネブラスカにはまだ行ったことがありません。ただ隣のカンザスには米国人(白人)の友人の実家があったので遊びに行ったことがあります。
米国の中部に行くと、東海岸や西海岸では想像できない風景があります。たとえば私はカンザス州ではカンザスシティーとワメゴという田舎の都市に行きましたが、アジア系のスーパーがほとんどないことに驚きました。それまで自分が行った都市には、日系はなくとも中国系か韓国系は必ずあったからです。そもそもマイノリティーをほとんど見かけません。白人の英語(発音と言葉遣い)も特徴的でした。
両海岸や大都市にいる人たちは、長年米国に住んでいても、家族や親戚でもいない限り、こういった地域を訪れることはないと思います。外国人であればなおさらです。しかし、こうした現実を見ないと米国は分からないと思います。
ということで、ネブラスカの広告を見てちょっと心が動きました。ちょっとだけですが(笑)。
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3 comments on “ナンシー・ペローシの下院議長候補選出”
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今年の始め、78歳を目前にして、10センチヒールを履いて8時間の大演説をしたペローシ。やはり美魔女なんですね!普段からメルマガでは「美人」の褒め言葉で形容される女性議員が多数登場しますが、確かに米国の女性議員はそれぞれ華やかさを持ち合わせていて、良い意味のセクシーさを感じます。という訳で、来年も注目します(笑)
今回は、下院の重点ポイントもおさらい出来て良かったです!
「ペローシ」の解説ありがとうございます
イギリスの記事をよく読んでいなかったと痛感させられます
私はイギリス楽観論なのですが
政治は危機的だけど経済は楽観しているという意味で
悲観論が台頭してくると嬉しくなります(笑)
もっと下がれと絶叫しています。
マレーシアに関しては
前首相の汚職事件がよくわかりませんが
やっぱりGSが絡んでいるんだね
と思います
たぶんトルコにも今回の夏の件で
絡んでいると確信しています
GSのひも付きアナリストの予測が正確なこと
そして
計画通りにデタラメな予測を発表しているのをみて
笑っていました
1年は成長しない、という意味は統計学上よく意味はわかっています
マハティールを称賛している文献が目につきますが
ここで問題が起こって
対処しても
だいたいデータ的に復権した人というのは
上手くいかない、という考えが頭を支配しています。
一人当たりGDPをみると2020年が2024年になったのが
残念に思いますが
有望ですよね
原ジャイアンツも3回目のどじょうがあんのかね
と思っています(笑)
移住なども考えていますが
マレーシアかな
なんて思いますが
フィリピンも捨てがたくなってきています
スペイン―アメリカ植民地に
あまり魅力を感じなく
オランダイギリスのほうが
いいと歴史では思いますけどね
開発の仕方さえ間違えなければ
いい人が多い
フィリピンにも魅力を感じます
半分イスラムとはいえ
キリスト教も多いので
何ねん先の話になるのかわかりませんけどね
ナンシー・ペローシと言えば、先日、チャック・シューマーとトランプのところに行き「国境の壁」についてトランプとやりあっていました。冷静でしたね。
駄々をこねる子供(トランプ)を両親(ペローシとシューマー)がなだめているような、まるで表敬とは程遠い動画でしたが、拡散してしまってよかったのでしょうかね?「あぁ、またやっちゃってる」という感じなのでしょうか。
ただ、個人的に一番怖いのは、トランプの隣でとりなすでもなく、表情一つ変えずに首ふり人形みたいに座っていたペンス、でしたけれども。