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2018/06/27 05:00  | 中国 |  コメント(5)

上海協力機構(SCO)首脳会議


中国やロシア、上海協力機構で結束示す-G7首脳会議の混乱をよそに(6月11日付ブルームバーグ)

上海協力機構(SCO)は2001年に設立された中国とロシアが主導する多国間協力の枠組みです。メンバーは、原加盟国である中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンの6か国(最初の5か国は96年結成の「上海ファイブ」の加盟国)と昨年に加盟したインドとパキスタンを含めた計8か国。

今回の会議はインドとパキスタンが参加する初めての首脳会議になります。また、今回は、オブザーバー国であるイランからロウハニ大統領が参加しています(他のオブザーバー国はモンゴル、ベラルーシ、アフガン)。

今回の首脳会議はG7シャルルボワ・サミットと同じタイミングで開催され、プーチン大統領も出席しました。会議後に発出された「青島宣言」は、反保護主義、イラン核合意、朝鮮半島の非核化、シリア情勢、反テロ、そして一帯一路と幅広いテーマを含み、全体として米国に対抗する勢力が一致団結した姿を演出しました。

G7サミットが西側諸国の結束ではなく、トランプ政権とG6との間に生じた亀裂を明らかにするものになったことは以下の記事で述べたとおりです。

「G7サミット」(6/11)

G7サミットの「失敗」と比べて、SCOは「成功」をおさめたかに見えます。

また、今回の首脳会議でもう一つ注目されたのは中国とインドの融和でした。

中国とインドは、もともと国境紛争、ダライ・ラマ、中国のパキスタン支援という対立要因を抱えており、近年では、習近平体制とモディ政権の下で、一帯一路によるパキスタン開発(CPEC)、スリランカ、ブータン、モルディブ、ネパールなど南アジアでの勢力圏争いの激化、モディ首相の米国への接近により、さらに緊張が高まっていました。

「中国とインドの対立(1)/(2)」(17/9/14・19)
「モルディブの非常事態宣言」(2/14)

しかし、モディ首相は4月下旬に武漢を訪問、6月にはシンガポールでのシャングリラ対話で「中国との関係は重要」と発言、そして6月になると今回の青島でのSCO出席で再度の訪中と対中外交を活発化。これに習近平も異例の厚遇で応じました。

最近の一連の動きをみて、中国とインドの関係は改善に向かっており、今後さらなる関係強化に向かう、という見方も出てきています。

しかし中国の多国間外交とインドとの関係はそこまで甘いものではなさそうです。これをどう評価すべきかについて解説します。

※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。

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上海協力機構(SCO)首脳会議
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●上海協力機構の複雑さ
●中国とインドの牽制と融和
●世界秩序の方向性

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あとがき
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日本代表はすごかったですね。強敵を相手に二度も同点に追いついて引き分け。内容的にも勝ってもおかしくないものでした。こういう強さを見られることはなかなかなかったですね。

次のポーランド戦は明日の23時。今回のワールドカップは時間帯的に観戦しやすいですね。

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5 comments on “上海協力機構(SCO)首脳会議
  1. KB より
    「上海協力機構の複雑さ」を図にしてみた件

    図を描いてみて分かったこと

    ・SCO加盟国と関係国が複雑すぎる(これを人間関係に置き換えたら相当すごいことに・・(笑))
    ・こんな複雑なことを端的に説明してしまう、JDさんってすごい!

    ということ。。

    このところの、インド・中国のTOP会談ではとても融和的なツーショットを見ていただけに、「牽制と融和」はとても興味深く参考になりました。

    また、お時間のある時に、「出場できなかったけれど、スポンサーとして出したお金はトップクラス」の”中国サッカー熱”がどんな感じか教えてください。

  2. ペルドン より
    同盟

    歴史の教科書から・・
    最初に教えてもらうのは・・
    敵対国との戦争よりも・・
    同盟国同士の戦争・紛争の方が多い・・
    同盟は実はトラブルの種・・・

    「昨日の敵は今日の友・今日の友は明日の敵」
    ( ^ω^)

  3. 下北のねこ より
    彼人也予人也・象の視点蟻の視点

    最初のはご存知?(今の子どもたちは知らないらしい)金八先生の言葉からです。
    今回のサッカーワールドカップ見ていて、この言葉が何回か強く頭に浮かびました。
    最初、セネガルとかハイスピードで日本のディフェンススイスイ抜けてくもんだと半分不安、半分期待で見てたら、全くそんなことなかったし、ドイツがハイパーパワーで一方的に韓国破るのかなって、見ていても全くそんなこと無し。

    同じ人だもん、そんな変わることないなってのが、今回のワールドカップ。
    グローバルスポーツの最高の成功例でどの国出身であってもトップクラスの選手は強い国の似たようなチームで戦い、同じレベルになっちゃって、ナショナルチームだったらどの国も優勝のチャンスがあるとっても正しい進化の仕方をしたと思います。
    帰化選手を否定するわけじゃないけど、サッカーのワールドカップが盛り上がるのは、自国出身の同じ民族を応援するナショナリズムが燃え上がる側面がより強いのかなって感じます。
    いずれにせよ、日本が決勝トーナメントにすすめてよかったし、(ただ、フランス対デンマークよりつまらないプレーがダラダラ続くとは思わなかったけど)コロンビアも行けたのは、良かったですね。日本戦のプレーが原因で、選手が母国で射殺なんてなったら大変だったもん。

    話は変わるけど、それぞれの国家首脳のものの見方って、その国の国力に比例するもんだと思うし、基本的はその方が安定してると思います。習近平国家主席やプーチン大統領、インドのモディ首相なんか大国の指導者としてのスケールや見識を感じます。逆にトランプ大統領は本来世界のリーダーたるべき超大国の指導者なのに視点が自国のみの利益と自分の功績だけに向いちゃってるから、視野が狭くなり同盟国との関係で余計な軋轢を生み出してしまってる悲しいアリさん大統領って感じですね。
    イラン産原油についても、日本の迷惑は全く気にならないんでしょうね。
    私はいつも使ってる近所のガソリンスタンドがイラン産原油の比率が高い出光なんで、会社のみなさんが苦労することにならなければいいなあって、とっても心配になってます。
    コンマ以下の視点ですが。

  4. JD より
    KBさん

    中国のサッカー熱・・これは興味深いご指摘ですね。メルマガでお答えしますね。

  5. KB より
    JDさん

    ありがとうございます!楽しみにしております!!

    そういえば、先日ぐっちーさんの「やっぱりイラン・・・・」でJDさんのことを絶賛されていましたが、リクエストもされていましたよね。

    前々から個人的に、お二人の誌上対談ならぬ、WEB上対談なんかも拝見してみたい、なんて思っております。そんな企画、どうでしょう?(調子に乗ってリクエストをしてしまいました。すみません!!)

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