2018/06/01 05:00 | 中東 | コメント(4)
イラク議会選挙(1):「イスラム国」との戦い
■ イラク議会選の最終結果発表、サドル師勢力が最多議席獲得(5月19日付AFP)
先月、イラクで「イスラム国」が撃退されてから初めての議会選挙が実施されました。
ムクタダ・サドル派を中心とする政党連合「サーイルーン(改革への行進)」が第1位に躍進。イランの支援を受けて「イスラム国」と戦った元シーア派民兵らの「ファタハ連合(征服連合)」が第2位で、アバディ首相率いる「勝利連合」は第3位に沈むという驚きの結果になりました。
サドルは44歳と若いですが、過激な反米思想で知られ、カリスマ的な人気を誇る宗教指導者です。15年前にフセイン政権が崩壊した直後には民兵組織「マフディー軍」を結成して独立勢力として台頭。米軍を最も苦しめた人物です。
ところが、この10年ほどの間にサドルは変貌しました。「シーア派の暴れん坊」から、宗派を超えた国民の連帯を呼びかけ、法の支配と市民社会を尊重し、世俗政権と政治改革を目指すナショナリストにイメージを変えたのです。
昨年にはスンニ派のサウジに接近する動きを見せたことも注目されていました。
・「サウジアラビアの新時代(1)」(17/10/3)
サドル派が支持を集めたことは、今後のイラク政治を考察する上で重要な意味をもっています。
本日は、まず今回の選挙に至るまでのイラクの足取りについて解説します。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
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イラク議会選挙(1):「イスラム国」との戦い
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●フセイン政権の崩壊と「イスラム国」の猛威
●イランの介入とシーア派民兵
●イラク・ナショナリズム
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あとがき
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4 comments on “イラク議会選挙(1):「イスラム国」との戦い”
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ドイツ占領下でも・・
実務者のナチス党員追放・・
日本占領下公職追放・・
日本では混乱は起きなかったが・・ドイツではパットン将軍は平気でナチス党員を
使った。統治には欠かせなかったからだ。
バース党追放によるイラクの混乱は・・最初のイラク統治官の無知・無能の所為にされているが・・真相に関する書物はまだ読んでいない。
余りにも早く占領できたので・・占領下の政策が付いていかなかったとも考えられる。つまりノープランで・・実務者バース党を追放・イラクを混乱させ・米国に多大な戦費を乱費させ・人材を失わせた。
JDは専門家だから・・半行で片付けず・もっと掘り下げて欲しい・・・
( ^ω^)
ヨルダンは王制だが、アサドとフセインは王制を倒したバース党だ。結局毒ガスによる恐怖政治だった。フセインの残党はISに流れた。
イラクはたしかシーア派を大統領にして上手くいかず、ブッシュ大統領が靴を投げつけられたのでは(関白殿あんなに見事に避けられるか)。あのあたりからISの活動が活発になった気もする。日本占領の時は、綿密な調査と洗脳の専門家を活用したと思うが、なぜ日本だけはこんなに上手くいったのか。今だに。笑
「イスラム過激派」という言葉を表面的にしか理解してなかったなぁ、と実感・・。
毎回メルマガを読むと、自分の浅い理解に愕然としますが(汗)、とにかく、理解できてよかった。
なんで、イスラム国がそこまで勢力を拡大して、人や金を集められたか?
直接的な原因、間接的な原因、がとても分かりやすく、物事には必ず、「そうなる理由(ここでは、過激になる理由)」があるんだと、納得。その盛衰の様子が詳らかになって、とても興味深かったです。
今年2回目の、”現地レポート”も楽しみにしてます!!
メルマガに書いたとおり、そもそもの占領統治プランにおいて、国務省と国防総省、ネオコンとの間で対立があったのです・・私は当時ワシントンDCで直接担当者たちから山のように話を聞いていました・・メルマガに書くのはぺルドンさん以外の読者のご関心も考えるとバランス的に難しいですね・・
資料は色々あります・・とりあえずポール・ブレマーの回顧録が参考になるかと・・もちろん当事者なのでその点に注意は必要ですが。