2018/05/04 05:00 | 中東 | コメント(2)
エジプト現代史(1):栄光と革命
■ エジプト、シシ大統領選を再選 「信任」でも投票率は低下(4月2日付ロイター)
エジプトでは3月に大統領選挙があり、4月2日に投票結果が発表されました。
結果は、予想どおり、というよりも予定どおり現職のシシ大統領の圧勝でした。事実上対抗馬がいなかったので当たり前の結果、せいぜいシシ大統領の支持率調査くらいの意味しかありません。
エジプトは、人口9600万、GDP3460億ドルと巨大な経済規模を擁し、サウジ、イラン、トルコと並ぶ中東の大国です。かつては「アラブの盟主」さらには「非同盟主義を掲げる第三世界のリーダー」ともいえる存在でした。
アラブ民族主義を掲げて中東諸国をリードしたナセル、イスラエルと国交を樹立したサダトは、積極的な外交を展開し、中東地域を超えて世界の主要リーダーとして名を馳せ、エジプトの存在感を高めました。
しかし、サダトの後を継いだムバラクは、2011年の「アラブの春」によって権力の座から追いやられ、その後、選挙を経て成立したモルシー政権は軍のクーデターにより崩壊。
その後はシシ大統領率いる事実上の軍事政権がとりあえず安定した統治を実現し、今回の大統領選でも外形的には圧勝。
経済も回復に向かっています。それでも、治安は悪化を続け、強権的な体制の持続にも懸念があり、国際社会における存在感は大きく低下しています。
エジプトの凋落はいつから始まったのか。この苦境は続くのか。今のエジプトは中東においてどのような外交を展開しているのか。エジプトの現代史を概観した上で、最新の情勢と今後の展望について解説します。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
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エジプト現代史(1):栄光と革命
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●エジプトの栄光と凋落
●エジプト革命とアラブの春
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あとがき
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エジプトにはシャルム・エル・シェイクという紅海のリゾート地があり、ムバラク元大統領の別荘があることでも知られます。
ここは世界有数のダイビングスポットとしても非常に有名で、私も昔からぜひ潜ってみたい場所の一つでした。
そこで13年にダイビング旅行を計画して予約まで完了したのですが、出発の数か月前になんとシシによるクーデターが発生。シャルム・エル・シェイクなら大丈夫では・・という考えもあったのですが、さすがに同行者が嫌がり、残念ながらキャンセルしました。ちなみにムバラクは辞任した後、シャルム・エル・シェイクに逃亡していました。
何とか近いうちに行きたいものですが、その後もエジプトは不安定な状態が続いており、先延ばしにせざるを得ないようです。
しかし、シャルム・エル・シェイクはまだ大丈夫のはずですが、もう一つの行きたい場所であるシナイ山は「イスラム国」の傘下にあるテロリスト「シナイ州」が活動しており、外国人を誘拐しているので、旅行者が行くことは不可能な状況です。
・「シナイ半島とクウェートでのテロ」(15/7/30)
ここも90年代に私がバックパック旅行をしたときには人気の観光地でした。時代の変化、中東の諸行無常を感じます。
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2 comments on “エジプト現代史(1):栄光と革命”
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やはり・・
まだ君子危うきに・か・・
ヒルトンのバァーから・ナイルを見下ろしながら飲んだ・・
何を飲んだか・ビールと思うが・・齧ったニンジンの美味さは覚えている・・・
( ^ω^)
個人的には、「面白くて、引き込まれて、気づいたら理解していた」みたいな感じでした。
アラブ諸国の複雑な事情を、エジプトの栄枯盛衰を見ながら紐解く展開は、非常に新鮮な視点でした。
そして、今週の映画(というわけではないでしょうが・・(笑))、PLO、中東和平、カウンターテロリズム、、、いろいろと考えさせられます。MI6の工作員になる前のダニエル・クレイグがモサドで出演していますね。