2017/12/05 05:00 | 東南アジア | コメント(3)
ASEAN50年の光と影(1)
ASEAN(東南アジア諸国連合)は、今年8月8日に創設50周年を迎えました。
ASEANが誕生したのは冷戦とベトナム戦争の真っただ中にあった1967年。インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの5か国が結成し、その後、ブルネイ、ベトナム、ラオス、ミャンマー、カンボジアを加え、現在の10か国に拡大しました。
2015年末にはASEAN共同体が発足し、人口6億人を擁する巨大な経済圏が生まれました。欧州連合(EU)と並び、世界で最も成功した地域協力の枠組みといえるでしょう。
東南アジアは、経済規模、経済発展のレベルから政治体制、宗教や言語に至るまで千差万別の地域であり、ASEANが発足した当初、その前途には懐疑の目が向けられました。数年で瓦解するだろうと予想した人も少なくなかったといいます。
しかし、ASEANは、その多様性をむしろ強みにしながら、力強く発展を続け、世界経済の主要なプレイヤーに成長しました。さらに、保護主義的な風潮が高まる世界において、グローバル化を牽引する役割を担うに至っています。
また、ASEANは毎年11月頃に首脳会議を開いており、この機会に域外国の首脳を広く招待するため、年1回のアジアの首脳外交の大舞台となっています。先月はトランプ大統領がフィリピンを訪問しました。
ASEANは、域内で自由貿易協定を締結し(AFTA、ASEAN経済共同体)、域外国ともASEANが当事者としてFTAを締結。さらにRCEP(東アジア地域包括的経済連携)を立ち上げるなど、域外国を含めた経済連携を進める上でプラットフォームとしての役割を果たしています。
政治面でも、従来より、中国の南シナ海での強硬措置に対抗してきましたが(ただし、この点は中国寄りの国々の反対もあり、不一致が生じています。詳しくは次回述べます。)、近年は、ロヒンギャ問題に対して懸念を表明するメッセージを出すなど、さらに独自の存在感を高めるようになっています。米国も、中国への対抗という観点から、ASEANの国々をパートナーとして重視しています。
今回は、このASEAN50年の発展の意義について、私なりに整理したものをお伝えします。
※ここから先はメルマガで解説します。アウトラインは以下のとおりです。
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ASEAN50年の光と影(1)
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●「ASEAN Way」
●経済の多様性とサプライチェーン
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あとがき
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四方山話を書いていますが、メルマガのみ掲載します。
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3 comments on “ASEAN50年の光と影(1)”
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ご了承のうえ、ご利用ください。
おさらい・・
役に立つ・・
日本企業が健闘・・
安心する・・
それにしても・・醜いアメリカ人の次は醜い日本人となり・・
今は醜い中国人となっている・・
対岸の火事と見ていたEU諸国も・・北がICBMを水爆を開発したとなれば・・
一衣帯水どころか共に一つの空・・
天を仰いで嘆く仲・・
( ^ω^)・・・(笑
ASEANの歴史がこのように長く、多様性に富み、変化しているとは、認識不足でしたので、とても興味深く拝読しました。
やはり、これから日本企業、中でもメーカーや小売業の行く末を考えるうえでも、重要なテーマですね。
この地域も欧米列強が線引きした地域で、多民族多宗教ですね。ベトナム、クメール、タイあたりが有力民族で、昔からお互い栄枯盛衰を繰り返したのでは。インドシナと言われるわりに、代理抗争もあまりなかったのかもしれない。
中東はほぼアラブ人イスラムなのにあの惨状。ここはあまりに多様で、まだ欧米列強の手の入り方がまだ少なかったのか。アセアンなど普通はまとまるわけがなく背後にどこがいるのかと思ってしまう。なにか共通意識でもあるのだろうか。印僑より華僑が強く、彼らの力があるのかもしれない。彼らは一族という意識はあっても国民としての中国人という意識はあまりないだろうが、利害得失で中国の影響は受けるだろう。
旧宗主国の欧米資本だってまだ根付いているだろう。ロヒンギャは英国が、対日本の大東亜戦争のため、インド地域から連れてきたとか。
アセアンは戦後は中国と米国のバランスをじっと伺っていたが、米国が退き、中国の地域になりつつあるように思える。日米印連携は安倍首相の儚い望みに過ぎない気がする。