2017/06/29 00:00 | 米国 | コメント(3)
オバマケア廃止をめぐる闘争(代替法案の採決延期)
■ 米上院共和党、オバマケア代替法案の採決先送り(6月28日付ロイター)
「オバマケア廃止をめぐる闘争」を書いてから数時間後に代替法案の採決見送りの決定がされました。
上院の共和党は51人ですから、2人の造反者が出ると法案は通りません(タイならマイク・ペンス副大統領が決定できる)。共和党では9人の議員が反対を表明しているので、このうち7人を説得しなければダメということになります。ミッチ・マコーネル院内幹事はそれは無理と判断したのでしょう。
なお、反対議員のうちランド・ポール、テッド・クルーズ、マイク・リー、ロン・ジョンソン、ジェリー・モランの5人はティー・パーティーの支援を受けている超保守。前回の記事で述べた①価値観と②財政負担の面から反対しています。残る4人は穏健・中道で、こちらは③メディケイドのカットを懸念しています。
このように、共和党内でどっちつかずの対立が顕在化しています。延期したところで、法案を成立させるのはおそらく不可能でしょう。
また、前回の記事で述べたように、議会外でも、代替法案に対する評価は極めて悪く、法案を成立させることがかえってリスクになる可能性もあります。
ということで、オバマケア廃止をめぐる闘争は、オバマケア存続・・・つまり共和党の敗北という結果に終わる可能性が高まりつつあります。そうなると、トランプ政権、共和党としては、この結果を受け止めた上で、税制改革法案という次のアジェンダに全力を投入する、という方向に切り替えざるを得ないでしょう。ただ、それもそれで、困難な道が待っています。これは、おいおい述べます。
当社に無断で複製または転送することは、著作権の侵害にあたります。民法の損害賠償責任に問われ、著作権法第119条により罰せられますのでご注意ください。
3 comments on “オバマケア廃止をめぐる闘争(代替法案の採決延期)”
コメントを書く
いただいたコメントは、チェックしたのち公開されますので、すぐには表示されません。
ご了承のうえ、ご利用ください。
朝四暮三・・
にすれば・・
如何でしょうか・?・?
「CNN記者3人辞職 トランプ氏側近について記事撤回で」とニュースになっていますね。
他にも「Russia is “Nothing burger”」や「CNN Producer Says Russia Narrative “bullsh*t”」といったCNNの暴露動画が拡散されており、
いわゆるロシアゲート疑惑に関してCNNが強引な世論誘導をやっていたことが、漏れてしまっていますが・・・。
こうしたことはいわゆるAlt-Right層が喜ぶだけで終わってしまうのでしょうか、
それとももっと広く世論に影響を与えるのでしょうか。
しかしフェイクニュースで記者が辞職するだけまだマシですね。
朝日新聞やFCCJ外国人記者たちのフェイクニュース体質に比べれば。
複雑とはいえ、大義名分がきちんと伝わる制度は強いですね。
トランプさん、インド、韓国と外交は気持ちよくやってるみたいですが、読まれてきてるんでしょうね。