2017/05/18 00:00 | 韓国・北朝鮮 | コメント(3)
文在寅・韓国大統領の就任
韓国大統領選は予想どおり文在寅の勝利に終わり、翌日の5月10日にそのまま就任しました。
「韓国大統領選」で述べたとおり、日韓関係については決して展望は明るくありません。ただ、これもすでに述べたとおり、文在寅に対しては、韓国国内ではかなり高い期待が寄せられています。
現時点において少なくとも言えるのは、極めてまともな人物である、ということです。汚職と無縁、誠実な人柄で、人の話をよく聞き、合理的。政策に明るく、軍では特殊部隊にいました。有識者の信頼も厚く、チームには優秀な人材が集まっているといわれます。
「まとも」であることは、本来取り立ててすごいという話ではないはずですが、韓国の場合、過去の大統領と比べれば、非常に例外的といえます。朴槿恵と李明博がひどすぎたと書きましたが、これは韓国国内では一致した評価です。
その理由は、何よりも経済政策がお粗末だったこと。韓国経済を無用に混乱させたとみられています。しかも、お粗末だった理由は、彼らの身内のビジネスを潤すためだったという。非常にたちが悪かったといえます。
文在寅は、少なくともそういったゆがんだ背景はないし、経済を飛躍させることはできるかは分からないが、無用なダメージを与えるような人物ではないだろう・・・・ぐらいのとらえ方がされています。
日韓関係については、もちろん見通しは明るくないですが、文在寅は、就任後早速に安倍首相と電話会談を行いました。このときの印象を日本の政府関係者の友人から聞いたのですが、日本側には予想外に良い印象を与えているとのことです。
一つには、首脳は頻繁に会うべきだと明言したことがあります。極度の人見知りと無能力のために会談自体を拒み続けた朴槿恵とはまったく異なる態度です。
また、初会談でいきなり慰安婦合意の見直しの話を持ち出すことはせず、その意味で成熟した振る舞いも見せました。
慰安婦合意の見直しについては、そもそも大統領選で争点になっていません。どの候補者も異なる主張をしなかったためです。これは、逆に言えば、韓国としては、この問題を重視していない、やるべきことは他にたくさんある、という考えの裏返しといえます。
そもそも、韓国は、経済も日韓関係も、ボトムの状態からどこまで上がるか・・・という次元の話であって、期待値が低いことは事実です。
文在寅の依拠する「共に民主党」は、過半数の議席を獲れておらず、いばらの道が待ち受けています。まずは先入観を持たずに臨むのが肝要でしょう。
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3 comments on “文在寅・韓国大統領の就任”
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パートナーだった盧武鉉さんも間違いなくいい人でした。だけど、悲劇に終わりました。ともかく、特に政権初期に事件に巻き込まれないことを祈ります。韓国人って、ある意味、決して許さない人たちです。世界は、民族的にそういう人たち多い気がします。韓国において、どんな政治家でも感情的な嵐に巻き込まれたら、まともにやっていけないのは過去の政権が証明してます。
韓国の専門家である木村幹先生は「慰安婦問題での約束反故が許せない・・・からといって他の面での協力を拒否するのは得策ではない」というニュアンスのコメントをされておりましたが、このラインを日本政府が進もうとするなら(基本ラインですよね?)、かなり繊細な綱渡りといいましょうか言葉遣い一つにも限界まで気を使うような狭い道になるのではないでしょうか。
日本としては北朝鮮の危機を利用して「錯乱気味で自己憐憫ばかりがひどく交渉のできない国が韓国である」というイメージを決定づける方が国益である・・・という視点もありえなくはないわけで。
JDさんの解説読むと、本質的なものが見えてくるような気がします。
今回に関しては、朴槿恵さん。
私は個人的には、あの潔癖さが好きだったのですが、大統領としては残念ですが「無能力」。この一語に尽きるんだろうなと初めて思いました。