2016/11/24 11:49 | 東南アジア | コメント(1)
ドゥテルテが抱えるリスク
「ドゥテルテへの支持と反発」でドゥテルテには暗殺を含む懸念すべき要素があると述べました。本日は、そうしたドゥテルテが抱えるリスクについて述べます。
●暗殺
ドゥテルテの「麻薬戦争」に対しては、当然のことながら、国内の麻薬犯罪組織からの反撃が予想されます。9月にはドゥテルテのお膝元でるダバオで、ドゥテルテが滞在中に爆弾テロが発生。14人が死亡しました。
真相は不明ですが、イスラムテロ組織であるアブサヤフやマウテという説が有力であるものの、麻薬犯罪組織が黒幕であるという噂もあります。
また、最近、ドゥテルテが薬物犯罪者と名指しした警察署長や村長との間で銃撃戦が起こるという事態も起きています。
このように不穏な動きが表面化しつつあり、麻薬戦争が激化の一途をたどれば、本当の意味で反対勢力が攻撃を仕掛けてくる可能性は否定できません。
もっとも、ドゥテルテはダバオ市長時代からこうした過激な薬物犯罪対策を行っています。当時のドゥテルテには、さながら「暴れん坊将軍」のごとく単独で市内を巡回し、薬物犯罪者と直接対峙していたという伝説があります。本人は「いつ死んでもよい」という覚悟でやっていたそうです。
こういう無謀なことをやりながら、何とか生きています。大統領になってからは護衛もきちんとついています。現地の識者の意見も聞きましたが、暗殺については、おそらくそこまで切迫したリスクと見る必要はないでしょう。
●軍のクーデター
「ドゥテルテ外交③」で述べたとおり、フィリピン軍はフィリピンが米国から離れることを絶対に許しません。
かつてエストラーダやアロヨが親中・嫌米的な路線をとったとき、フィリピン軍との関係は悪化しました。これだけが原因ではありませんが、この二つの大統領の政権においては軍のクーデター未遂事件が起きました。
また、結局、エストラーダは弾劾、アロヨは大統領選中の不正が暴かれますが、この裏には米国の秘密工作があったとも噂されます。
●任期途中での引退
ドゥテルテは、自分の悲願は憲法改正により連邦制を導入することにあって、それが実現すればいつでも引退する、という趣旨の発言をしています。また、ドゥテルテは、その振る舞いもあって若く見えますが、実は71歳と高齢です。
さらに、フィリピンの大統領は、マルコス独裁の反省から、多選が禁止されていますが、その代わり任期は6年と長いです。こうした事情から、ドゥテルテは6年の任期を全うするつもりがない、あるいは年齢の問題から引退せざるを得ない、という憶測もあります。
しかし、政治家はいったん権力を握ればそれを維持したいと思うものです。いつでも引退するという発言は、フィリピン国民は誰も本気に受け取っていないようです。
また、ドゥテルテは、身体頑強で、基本的には健康面での不安はありません(最近、片頭痛から演説を途中でやめることがありましたが、異例の事態です)。したがって任期途中での引退は、実際のところ可能性が高いとはいえない、という見方が有力です。
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One comment on “ドゥテルテが抱えるリスク”
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五十台ではありませんか・?
JDなら二十台・・
今日・・腰を擦りながら・・PCで計ってみましたが・・2回とも最高値・・
三十台・・老けてるから・・二十台の女房・・貰えるな・・・(笑