2016/11/01 00:00 | 米国 | コメント(7)
米国大統領選:ヒラリーのメール問題の捜査再開
■「FBI、クリントン氏メール問題見直すと クリントン氏は自信」(10月29日付BBC)
大統領選の11日前にメール問題が再燃しました。このHPで何度も書いているとおり、メール問題はヒラリー・クリントンが抱える3大リスクの一つです。
これが大統領選にどのような影響を及ぼすかと言えば、ヒラリーにとって大きな打撃になることは間違いありません。しかし、今のヒラリー有利の状況を崩すほどのゲーム・チェンジャーにはなるかは何とも言えません。
第一に、この捜査の結果は11日間では明らかになりません。少なくとも大統領選の前にヒラリーが訴追される結果にはなりようがない。せいぜいグレーの状態が残るにとどまります。
第二に、ヒラリーとトランプの間の差が大きく開いています。これを逆転するほどの大きな波になるかは疑問が残ります。
ただし、このヒラリーが大勝できるか、接戦になるかどうかは、「第3回テレビ討論会」で述べたとおり、①トランプが異議申し立てをするか、②議会選がどうなるか、という二つのポイントにおいて重要な意味をもってきます。
特に、①トランプの異議申し立ては、決して馬鹿にはできない問題です。本当にこれが起これば、トランプ、共和党、民主党の間で複雑な対立が生じ、混乱が生じるでしょう。結果として、米国民主制に大きな傷を残すことになります。
また、②議会選については、もともと上院で民主党が過半数を奪還する可能性はかなり高いとみられていたところ、最近は、ヒラリーが大勝すれば、下院でも民主党が過半数を奪還するかもしれない、と言われるようになっていましたが、これまたシナリオが変わり、やはりヒラリー新政権はスタートからねじれ議会に直面する・・・ということになりそうです。
さらに、ヒラリー政権が成立したとしても、③共和党はこのメール問題をとことんまで追及してくるでしょう。夫のビル・クリントンと同様、大統領弾劾に及ぶ可能性も十分にあります。そうなれば、新政権は発足して早々に機能不全に陥るかもしれません。
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7 comments on “米国大統領選:ヒラリーのメール問題の捜査再開”
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どちらが大統領になったとしても大変だということですね。
イタリアの国民投票もあり、プーチンの来日あり今年の年末は盛り沢山。色々楽しみです。
安倍首相も手柄を立てることに前のめりになるのではなく、アメリカ窮地の折、冷静に考えるべきである。
つーか、プーチンに袖にされる可能性も出てきたようですが…。
どなたかがお書きになったように、副大統領が昇任する事態になることを望んでるのでは?
心ある人達は、アメリカの凋落に心痛でしょうね。
この程度の国だったのかと。
日本の有権者のけじめは、某政党には二度と投票しないということを行動で示しているということでしょうか。
しかし、ロシア大統領はあの方面でおっかないし…。
かの国の人たちは、どう思ってるんでしょうかね…。
アメリカ時間金曜日の朝、Newsweekの記事’Why Vladimir Putin’s Russia is Backing Donald Trump’がでました。私は、根っからのヒラリーびいきですが、さすがにこの記事を読んでびっくりしました。いつの間にかInternetに舞台を移して、冷戦が始まっていたのですね。BrexitにもRussian Hackerが絡んでいます。やたら意味なく攻撃の的となった、ヒラリーのPrivate Serverですが、なんとこのおかげで彼女はHackingを免れていたと言う笑えないはなしも。ちなみに投票日ぎりぎりのメール問題の蒸し返しですが、これ主にNew Yorkを中心とするFBIのアンチヒラリーのグループが中心になってきたことが明らかになってきました。あのどうしようもない、もとNY市長がFoxで調子にのって色々ばらしてしまい、いろいろでてきました。右翼のプロパガンダ本’Clinton Cash’を根拠に、このグループはClinton Foundationを起訴するつもりだったそうです。Newsweek以外にも、Washington Post,HuntigtonPost、Rolling Stonesなどが次々に関連記事を発表してますが。ちなみに、おとうさんBushはもとCIA,さすがにトランプのやばさがわかっていたのでしょうね。いつもは腰砕けのフロリダ上院議員のRubioが、HackingやWikileakはシリアスな問題であり、党戦略以上に重要といっていたのが、印象的でしたが、このひともインテルにあくせすしてます。Newsweekのソースも、実はヨーロッパのインテル系だそうです。よかったらGoodleして読んでください。私ほんとうにKGB,そしてPutinが怖い。
アメリカの選挙プロがどういう人達なのか全くわかりませんが、少なくとも共和党側スタッフのみなさんは、今回マジで脳梁を搾って、知力全開で打てる手はみんな打ってるんじゃないかなあ。
かんべえさん、ぐっちーさん、そしてJDさんの分析と、アメリカの世論調査の乖離をみてると、世論調査の方に相当のマジックが働いているような気がします。
トランプさんの急追、なんか作ってるような感じを受けます。目的はトランプさんを勝たせるためではなく、アメリカ議会選挙上下両院での共和党の崩壊を防ぐため。結果は出てないですけど、今のところ、雰囲気的には成功しつつあるような気がします。
トランプ氏が勝てば、誰が喜ぶのか?
ご本人だけじゃないのか?
共和党にしても、この人と折り合いをつけてやっていけないのでは?
そう考えると、議員選挙での議席確保のための民主党潰しのメール問題では?