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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2016/09/06 00:00  | 今週の動き |  コメント(6)

今週の動き(9/5~11)


先週の動きです。

8/29(月)
・「イスラム国」がアドナニ報道官の死亡を発表

8/30(火)
・キルギスの中国大使館で自爆テロ

8/31(水)
・サウジのムハンマド・ビン・サルマン副皇太子が訪日(~9/4)
・ドナルド・トランプがペニャニエト・メキシコ大統領と会談(メキシコシティ)
・ルセフ・ブラジル大統領が弾劾裁判により失職
・ミャンマーの少数民族武装組織との和平会議(21世紀パンロン会議)(ネピドー、~9/4)

9/2(金)
・オバマ大統領が中国とラオス訪問(~9日)
・日ロ首脳会談(ウラジオストク)
 →12月15日のプーチン訪日について合意
・東方経済フォーラム(ウラジオストク、~3日)
・ウズベキスタンのカリモフ大統領が死去
・フィリピン・ダバオで爆発テロ

9/3(土)
・米中首脳会談(杭州)

9/4(日)
・G20首脳会議(杭州、~5日)
・米・トルコ首脳会談(同)
・米英首脳会談(同)
・中ロ首脳会談(同)

●米大統領選

トランプのメキシコへの電撃訪問。

これは誰にも予想ができませんでした。ペニャニエト大統領も、よく会ったなあ・・・(笑)と思います。当然メキシコ国民からは大批判。何を考えているのか、よく分かりません・・・。

しかし、会談では、トランプは、予想を裏切って落ち着き払った振る舞いを見せ、これまでにおいてもっとも「大統領らしく見える」と評価されました。

ヒラリー・クリントン陣営もこれにはかなりの危機感をおぼえ、民主党の世論調査専門家は、トランプが一か月間まともに振る舞えば、逆転される可能性は十分にある・・・と述べたほどです。

ところが、トランプは、アリゾナ州フェニックスに戻ると、いつもの調子に戻ってしまいました。

そして、国境の「壁」の建設費用の負担については、話し合っていないと述べ、ペニャニエト大統領のメキシコは負担しないとはっきり述べたという説明と食い違う事態に。

結局のところ、トランプはやはりトランプだった・・・ということで終わりそうですが、これからもトランプは、絶対劣勢の状態をひっくり返すべく、こうしたミラクルを狙ってくると見られます。

●キルギスのテロ、ウズベキスタンのカリモフ死去

中央アジアの動きは、NATOとロシアの勢力争い、エネルギービジネスという観点から大きく注目されるところであり、いずれまとめて解説したいと思っているのですが、とりあえずは「中央アジアの新グレート・ゲーム」をご覧下さい。

講演会後の懇親会で、地政学について気づきを得られる本についての質問を受けましたが、この記事でとりあげた『ザ・グレート・ゲーム』も、現代の中央アジアのダイナミクスをユーラシア近代史とのつながりを意識しながら見る上で大いに参考になる好著と思います(ややマニアックですが)。

●プーチン訪日

いよいよ実現に。北方領土返還に向けて成果が得られれば、安倍政権の支持率急上昇が見込まれます。その後に解散総選挙、というのがおそらく官邸のシナリオでしょう。

●フィリピンでのテロ

ドゥテルテ政権にとって最初の大きなチャレンジとなります。「バングラデシュ人質事件」で述べていたとおり、東南アジアでのテロについては記事を書くつもりでいましたので、今回のテロを含めて解説します。

今週の動きです。

9/5(月)
・日中首脳会談(杭州)
・北朝鮮が日本海に向けてミサイルを3発発射

9/6(火)
・ASEAN首脳会議(ビエンチャン、~8日)
・米・フィリピン首脳会談(同)
・日・ラオス首脳会談(同)

9/7(水)
・日・メコン首脳会議(ビエンチャン)
・日・ASEAN首脳会議(同)
・ASEAN+3首脳会議(同)

9/8(木)
・東アジア首脳会議(EAS)(ビエンチャン)

●日中首脳会談

15年4月のバンドン会議以来、1年半ぶりの安倍・習近平会談。直前まで調整が続けられ、会談の実施が発表されたのは前日4日の夜でした。

これが意味するところは次回述べます。

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6 comments on “今週の動き(9/5~11)
  1. ペルドン より
    やはり・・

    タダで聴くのも・・
    喋るのも・・勿体ない・・
    ここは・・
    ブリキ缶でもいいから・・
    前に置いて・・始めるべきだな・・・(笑

  2. ペルドン より
    あぁ・・それから・・

    そこの空のバケツ・・
    ぼくのんだけど・・
    JDの缶詰カン側に置いてくれないか・?

    気にしなくてもいいよ・・
    講演者は・・通行人を客と信じ・・注意力をひたすら当てる・・
    足元は見ない・・・(笑

  3. TA より
    世界史の誕生

    岡田英弘「世界史の誕生」(ちくま文庫),早速購入しました。
    お忙しい中,ご丁寧に質問に回答していただき,ありがとうございます。
    今回の講演会,JDさんの世界情勢についてのブリーフィングを直接聴くことができ,価格以上の価値があるものでした。
    東京まで来て良かった!

  4. 空の財布 より
    次週、いよいよ佳境に…

    世界情勢ブリーフィング…

    ところで、ヒラリーの顔真似が似ている石井てる美さん、東大卒、英検1級、TOEIC990。お笑い芸人。

    ホンモノ体調不良につき、本番では替わってもらいましょうかね…(笑)

  5. sunny より
    中央アジア新グレートゲーム

    >キルギスのテロ、ウズベキスタンのカリモフ死去

    中国大使館でのテロは、イスラム国かウイグル独立派の仕業でしょうか。イスラム国には中央アジアから数百人が参加しているそうで、彼らは、ワッハービとかサラフィー主義の影響を受けてシリアなどでの聖戦に参加。実戦を重ねた後、舞い戻って、中央アジアの政府の目が行き届かない山間部で仲間を集め、戦闘訓練などをしているそうです。

    タジキスタン治安部隊司令官で、米国が長年にわたって訓練を授けた人物が、去年部下を引き連れてイスラム国に参加したというニュースがありましたが、彼は現在イラクのイスラム国の軍司令官になっているということで、アメリカは彼に3億円の懸賞金をかけました。アメリカは、あの悪名高いブラックウオーターでも彼を訓練したことがあるということですが、イラクの一般市民を虫けらのように殺戮した企業に彼のようなイスラム教徒を行かせたとは無神経ですね! 

    ということで、中央アジアはさまざまなイスラム過激派のグループ&各国情報部がいるのですが、アフガニスタンやパキスタンなどともつながって、この辺りは今後最大の危険地帯になる恐れがあります。

  6. リコパパ より
    ザ グレート ゲーム

    読みました。私が世界史に疎く、古い地名を現在のものと一致させられず、完全に理解できたわけではありませんが、中央アジアや中東で起こる様々な紛争、それへの対処を巡る欧米とロシアの対立…。その根本にあるものがわかったような気がします。
    正義や価値観は、風習・風土・宗教・歴史によって育まれてきたもので、日本人が考える正義と価値観、欧米人のそれ、ロシア人のそれ、中央アジアや中東の人たちのそれは違って当然です。国際紛争に関わる様々なニュースに触れるとき、「正しい」「間違っている」という視点で見るのではなく、当事者はともに正しいと思ってやっているという視点から見始めることで、より深い洞察ができるようになるのかもしれません。

    良著をおすすめいただいたことに感謝申し上げます。これからもよろしくお願いします。

    遅くなりましたが、御礼まで。

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