2015/10/09 07:27 | 英語 | コメント(4)
英語のスピーキング③:子音のポイント①
「英語のスピーキング②」の続きです。前回は、日本語には存在しない英語の音の特徴を理解することの重要性について説明しました。今回は、その具体的な話として、英語の子音を取り上げます。
「発声方法」でも触れましたが、英語は子音を中心とする言語です。このため、子音を理解することが極めて重要です。
今回は、まず基本編として、子音のそれぞれの音の特徴を述べます。とりあえず意識すべき点は、英語の子音の数は日本語の子音の数よりもずっと多い(24個ぐらいある)ということです。
その中には、日本語には存在しない子音が沢山含まれています。これらの子音をまずマスターする(発音は大ざっぱで構わないが、そのポイントを理解する)ことが何よりも重要になります。
ここでは、その中でも特に日本人にとって難しいと思われる子音を取り上げます。これらの音をしっかり体得するだけで、スピーキングはかなり印象が変わります。
●s、z、th
まず、日本人にとって最も難しいと思われるのは、「s」(無声音)、「z」(有声音)、「th」(無声音と有声音)です。「s」と「z」は日本語の「ス」と「ズ」に似ているので、あまり難しいと思わないかもしれませんが、この音をきちんと出せている人は意外と少ない印象です。
「発声方法」で述べましたが、これらは、強い筋肉の動き、強い息を要求される音です。日本人は普通に発音すると弱い音になりがちです。
腹の底から強い息を出し切って、しっかりした音が出せるよう、筋トレのように何度も練習する(練習法については別途述べますが、文章を読むときに意識的に強く発声するということです)ことをお勧めします。
「th」は、日本語に近い音がないので、難しいと感じる人は多いと思います。舌を噛むとか言いますが、舌と歯の間から空気を通して、舌に振動を与える感覚があれば足りると思います。あとは、「s」と「z」と同様、強い息をしっかり通すことです。音をずっと長く出し続ける練習も効果的です。
●r、l
「r」は舌を丸めると言いますが、これはやり過ぎると舌が気道を邪魔して、こもったような音になります。また、会話が速くなったときにスピーディーに動かせなくなります。
実際は、ネイティブはほとんど舌を丸めておらず、軽く上に上げているだけです。重要なのは、舌よりも唇の動きです。発音する前に少し「ゥ」を入れて、すぼめるようにするとうまくいくと思います。
「l」は舌を上の歯の後ろにつけるといいますが、これもやり過ぎるとこもったような音になり、スピーディーに動かせません。実は「l」は非常にソフトな音で、唇をリラックスさせて、普通に「ウ」に近い音を出すだけでいいのです。リラックスがポイントです。
●f、v
「f」と「v」も日本語にはない特殊な動きが必要で、唇を噛むとか言いますが、ポイントは歯をあてて下唇をふるわせる感じです。前述の「th」と同様、舌の位置を下げるのと強く長い息で発声する意識が重要です。
●m、n、ng
「m」、「n」、「ng」はnasal soundといって、鼻の息を使って出す音です。これも、英語に特徴的な音です。鼻にかかるような音で出すように心がけて下さい。個人的には、「ンー」としばらく鼻歌のように鼻声を伸ばしたあと、「ンガー」と続けるように発声すると何となく感覚がつかめると思います。
また、「n」は、文末にあるときが多いですが、そのときは最後までしっかり言い切る点に注意して下さい。一般的に、子音が文末にあるときには注意が必要ですが、その発声法については次回述べます。
今回はとりあえず準備として基本的なポイントのみ述べました。次回、本題に入ります。
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4 comments on “英語のスピーキング③:子音のポイント①”
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小学生の頃、アイルランド系米国人の英語の家庭教師がついたのですが、同じようなことを注意されたのを思い出しました。
余談ですが、しばらくエジプトのアレクサンドリアに行って、アレクサンドリア大学の工学部や医学部の学生たちと過ごしてきたのですが、英語の他にもフランス語まで達者?なのに驚きました。
これからのJDさんのご指導をもとに、勉強して来年のエジプト行きに備えます(笑)
ハウスオブカード、ホームランド(4はamazonのビデオで見ることができますね)、その他山のように米国ドラマを見ております。
個人的には(私の耳には、英会話不自由者)ハウスオブカードとSatisfactionが、なぜかとても聞き取りやすいです。
アレクサンドリアですか。古代の学術都市でアカデミックな経験をされて、すごいですね。うらやましいです。
ドラマの聞き取りは私も苦労しますが(苦笑)、ハウスオブカードは次回以降述べる音の省略をあまり使わないので、比較的聞き取りやすいのかなと思います。
かんべえさんのブログから回ってきました。
はっきり言って、子音の発音が難しいなんて想像したこともありませんでした。
かんべえさん、リンクを貼られていたのですね。
私の周りにも、特に意識することもなくネイティブ同様に話せる人がいます。こういう天賦の才能がある人は、自分以外の多くの人がどこで壁に当たっているのか分析することができません。どこが問題になっているのか認識すらできないからです。日本人が日本語の発音のどこに難しさがあるのか分からない、というのと同じようなものでしょう。スポーツと同じで、名プレイヤー必ずしも名コーチならず、ということです。