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2015/10/02 00:05  | 英語 |  コメント(0)

英語のスピーキング②:音の特徴


「英語のスピーキング①」の続きです。これから、英語の音の特徴について具体的な話に入ります。

まず一般的な話になりますが、英語の音は日本語の音と大きく異なります。英語もカタカナに置き換えてしゃべれば何とかなると思っている方がいるかもしれませんが、その発想は捨てて下さい。全ての音がまったく違うと考えて、文字を意識することなく、音楽を聴くように音から入る、というぐらいの気持ちでいる方が良いです。

と言われてもどうしたらいいのか、じゃあ漫然と聞けばいいのかと思うかと思います。重要なのは、一体英語のどこが日本語と違うのか、日本語にはない英語の音の特徴はどこにあるのか、それを理解して、常に意識しておくことです。

ここで一つ述べておくと、重要なのは、日本語には存在しない音、日本語にはない音の変化をきちんと区別し、聞き分けと話し分けができることであって、それに尽きます。区別さえできれば、ネイティブの発音と同じように発音することは、必ずしも重要ではありません。

実際、ネイティブが発する音ですら、まったく同じではありません。ネイティブの中にも、色々な訛りがあります。たとえばシュワルツェネッガーキッシンジャーのドイツ(オーストリア)移民の訛りは強烈で、しばしば物まねのジョークの種になります。

そこまでいかなくとも、ジョージ・W・ブッシュ大統領のテキサス訛りもよくネタにされました。まあ大統領と言ってもブッシュだから仕方ないだろうと思うかもしれませんが、ビル・クリントンのようなスマートな演説の名手でも、南部訛りが目立つと言われました(もっとも、政治家に関しては、訛りを強調することで選挙民にアピールする狙いもあるのかもしれません、渡辺美智雄の栃木弁のように)。

もっと微妙な訛りとして、NY訛り、西海岸訛りがあります。これも、ネイティブからすると非常に面白く感じられるらしく、しばしばネタにされます。

さらに言えば、「ネイティブ」というイメージとはちょっと違うかもしれませんが、インド人の英語も訛りが凄まじいです。これが英語といえるのか、こんなのをネイティブが聞いて分かるのかと思うでしょうが、ネイティブはこの英語に対して基本的にはストレスを感じることはなく、そのため「変」と感じて拒絶することはしません。

このように、「英語」といっても、ネイティブの中ですら色々なパターンがあります。少なくとも日常生活においては、「これが正解」「こう話さないと間違い」といえるような英語は決まっていないのです(まあニュースキャスターの英語が標準的ではあるのでしょうが)。

それでも、日本語の音を使って英語を話すと、ネイティブは聞き取ることにストレスを感じ、「変」と感じて拒絶する(相手に「合わせる」必要が生じる)おそれがあります。なぜインド人の凄まじい訛りは許されて、日本語の音に従った英語の発音はダメなのか。

それは、インド人の発する音が、それ自体は米国人の発する音と少し違っていても、英語においては絶対に区別しておかなければならないポイントの区別ができているからです。

ソシュールは、言語とはすべからく恣意的なものであると指摘しました。どういった単語、文法、音が用いられるのか、それ自体に理由や意味などない、と論じたのです。そして、重要なのは、分節(articulation)すなわち区別であるとしました。つまり、単語、文法、音がどうなっているかは、音や意味が区別された上で後からついてくる、何とでもなるということです。

アカデミックな話になりましたが、とにかく、まずは、英語を話す上で外してはいけない区別のポイントをちゃんとおさえることです。それを意識した上で話すことができれば、発音自体はある程度おおざっぱで構いません。

それに、発音は、どこを気をつけるべきなのかという意識を常日頃もつことができていれば、あとは英語に触れる中で自然に改善されていきます。逆に、この区別と注意ができていなければ、どれだけ沢山英語のシャワーを浴びても、漫然と音を聞き流してしまうだけで、改善されることはないでしょう。

繰り返しになりますが、まず基本として第一に考えるべきは、どこが日本語にはない英語の特徴なのか、日本語のウィークポイントはどこにあるのか、それをよく理解することです。

そういうわけで、次回から、子音、母音、音の消失・連結、アクセントといった各論に入ります。今日は、全てに通じる重要なポイントとして、英語の音の長さ・強さが一定でないことを指摘しておきます。

どういうことかと言えば、日本語の場合、アイウエオから始まる51の音を一つ一つゆっくりと発すれば(「こ~・ん~・に~・ち~・わ~」のように)、必ず相手には通じる、という考えがあると思います。しかし、この発想を英語にあてはめても、まったく機能しません。

なぜかというと、英語の場合、子音も母音も、音の長さ・強さが一定ではないからです。前回「発声方法」で述べたように、ネイティブは、腹の底の筋肉を使って、体(肺)全体から息を吐き出します。

これにより、子音にせよ母音にせよ、日本語の子音・母音よりもずっと長く強い発声が可能になります。そして、この長さと強さは、子音・母音、そしてアクセントが置かれているかによって異なってきます。

また、基本的に、英語はしゃべり終わったとき、日本語のように、音がいきなりブツっと終わるものではありません。日本語の音よりも長く、しかも余韻を残して終わるというか、次第に音が弱くなって、消えていくという形になります。

このように、日本語の「アイウエオ・・・」と違って、英語の音は一個一個の音が独立して、決まった長さ・強さをもっているわけではありません。その音の文の中における位置、アクセントの位置によって、長くなったり強くなったり、逆に弱化したりします。

具体的には、子音・母音・アクセントを検討する中で述べます。ここでは、たとえば「アイウエオ」の発音と同じ感覚で、「a」「i」「u」「e」「o」という音を個別に発するというものではない、それぞれの音にはそれぞれの長さ・強さの違いがあり、それは文脈(アクセントの位置)によっても変わる、という点だけ理解して下さい。

たとえば「o」ですが、これは「オーウ」と唇の動きが変化して、音が徐々に変わり、強さも、徐々に弱くなって消えます。日本語は、音の強さと長さに差がないので、「オ」と言って、ブツ切りのような音になりますが、英語はちょっと歌のような感じになります。これは後日、母音の話をするときに詳しく取り上げます。

特に子音が強く長く伸びる点と弱母音については、日本語には存在しない英語の音の特徴なので、確実におさえる必要があります。これも追って詳しく述べます。

とりあえず花金ですね。この一日がんばって乗り切って、英語の勉強含め楽しい金曜の夜と週末をお過ごし下さい。

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