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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2024/01/15 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(1/14~20)台湾総統選、米国のフーシ派攻撃、アイオワ州党員集会、映画『ゴジラ-1.0』


先週末はこの冬一番の寒さになりましたが、共通テストが行われていたのですね。私も、中学受験やセンター試験(当時)のときに雪が降っていたことを思い出します。これから受験シーズンですね。受験生とご家族の方々には、体に気を付けて、全力を尽くされることを願っています。

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先週の動き
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1/7(日)
・ブリンケン国務長官とヨルダンのアブドラ国王が会談(アンマン)
・ブリンケン国務長官とカタールのムハンマド首相兼外相が会談(ドーハ)
・米上院民主党のシューマー院内総務と下院のジョンソン議長が24会計年度(23年10月~24年9月)の予算案の大枠で合意したと発表
・中国が反外国制裁法に基づき台湾への武器売却を理由に米国の軍需企業5社への制裁を決定
・北朝鮮軍が韓国西部の延坪島の北方で90発以上の砲撃
・ミシェル欧州理事会議長が欧州議会選に出馬する意向を表明
・バングラデシュ総選挙(与党アワミ連盟が勝利)
・上川外相とウクライナのゼレンスキー大統領、クレバ外相が会談(キーウ)

1/8(月)
・バイデン大統領がサウスカロライナ州チャールストンのエマニュエルAME教会で演説
・ブリンケン国務長官とUAEのムハンマド・ビン・ザイド大統領が会談(アブダビ)
・ブリンケン国務長官とサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が会談(アルウラー)
・米中防衛政策協議(ペンタゴン、~9日)
・米国防総省がイラクに駐留する2,500人の部隊を撤収する計画はないと表明
・中国国家安全部がMI6のスパイ事件の摘発を発表
・ロシア軍がウクライナ各地をミサイルで攻撃
・フランスのボルヌ首相が辞任
・ヒズボラのラドワン部隊のタウィル司令官がレバノン南部でイスラエルの攻撃で死亡したとヒズボラが発表
・モルディブのムイズ大統領が訪中(~12日)

1/9(火)
・ブリンケン国務長官とイスラエルのネタニヤフ首相、ガラント国防相らが会談(テルアビブ)
・ワシントンDCの連邦控訴裁でトランプ前大統領の主張する大統領の免責特権の判断に関する裁判の口頭弁論(同前大統領が出廷)
・ハイテク見本市「CES」(ラスベガス、~12日)
・中国が発射した衛星が台湾本島南部の上空を通過したとして台湾国防部が防空警報
・ウクライナ軍がロシアのクルスク州とオリョール州を攻撃したと同州知事が発表
・フランスのマクロン大統領がガブリエル・アタル国民教育相を首相に任命
・ヒズボラがイスラエル北部の軍司令部をドローンで攻撃
・イエメンの武装勢力フーシ派がドローンとミサイルで紅海南部の国際航路を攻撃(米軍が撃墜)
・ブータン総選挙(野党・国民民主党が勝利)
・自民党の麻生副総裁とNSCのキャンベル・インド太平洋調整官が会談(ワシントンDC)

1/10(水)
・ブリンケン国務長官とパレスチナ自治政府のアッバス議長が会談(ラマラ)
・ジョンソン下院議長と台北駐米経済文化代表処の兪大ライ代表が会談(ワシントンDC)
・NATO・ウクライナ理事会(ブリュッセル)
・米共和党の大統領候補者の第5回討論会(アイオワ州デモイン)
・トランプ前大統領がFox主催のタウンホールに参加(同)
・米共和党のクリス・クリスティ前NJ州知事が大統領選からの撤退を表明
・中ロ外相電話会談
・ウクライナ・リトアニア首脳会談(ビリニュス)
・イスラエルのネタニヤフ首相がガザの永久占領や市民追放の意図はないと発言
・国連安保理がフーシ派による紅海周辺での商船攻撃を非難し即時の攻撃停止を求める決議を採択
・ドイツがサウジへの武器輸出を承認

1/11(木)
・米英軍がイエメンのフーシ派の関連施設を攻撃
・米中商務相電話会談
・米国防総省が国家防衛産業戦略を発表
・NY州の裁判所でトランプ・オーガニゼーションの金融詐欺に基づく損害賠償請求の裁判の最終弁論(トランプ前大統領が出廷)
・LAの連邦地裁でハンター・バイデンの脱税容疑に関する裁判の公判(ハンター・バイデンが出廷)
・中加外相電話会談
・イラン海軍がオマーン湾で「米国の原油タンカー」を拿捕したと発表
・国際司法裁判所(ICJ)でイスラエルのガザ侵攻に関する公聴会(ハーグ、~12日)
・ウクライナ・ラトビア首脳会談(リガ)
・韓国の野党「共に民主党」の李洛淵元代表が同党からの離党と新党を結成する意向を表明
・韓国大法院が日本製鉄の元徴用工訴訟で賠償を命じる二審判決に対する被告の上告を棄却(判決が確定)

1/12(金)
・米軍がイエメンのフーシ派の関連施設を攻撃
・ブリンケン国務長官と中国共産党中央対外連絡部の劉建超部長が会談(ワシントンDC)
・オレゴン州最高裁がトランプ前大統領の24年大統領選出馬資格について審理を行わないとして同資格の剥奪請求を却下
・日米外相会談(ワシントンDC)
・イエメン沖のアデン湾で船舶に向けたミサイル発射の報告があったと英国の海事機関UKMTOが発表
・英・ウクライナ首脳会談(キーウ)

1/13(土)
・台湾総統選(民進党の頼清徳副総統が勝利)

●台湾総統選

台湾総統選が実施され、民進党の頼清徳副総統が勝利しました。候補者の得票率は頼清徳が40.05%、国民党の侯友宜(新北市長)が33.49%、台湾民衆党の柯文哲(前台北市長)が26.46%でした。これにより、96年に総統選が直接選挙になって以来、初めて同じ政党(民進党)が3期連続で政権を担うことになりました。

一方、立法委員選挙(113議席)では、国民党が最多の52議席を獲得し、民進党は51議席で少数与党となりました(民衆党は8議席を獲得)。ただし国民党も過半数には届きませんでした。

選挙結果が判明した後、中国国務院台湾事務弁公室の報道官は、「台湾問題は中国の内政問題である。台湾情勢がどう変化しても、中国は世界に一つしかなく、台湾は中国の一部であるという基本的事実は変わらない」「中国政府は一つの中国原則を堅持し、『台湾独立』分離主義に反対している」 とコメントしました。また外交部は、米国の総統選への祝意に対し、「『台湾独立』勢力に誤ったシグナルを送った。断固反対する」と批判する声明を発表しました。

台湾総統選、立法委員選挙、現時点での中国の反応、すべて以下の記事で予想したとおりでした。選挙後の展望についても解説しましたが、今回の結果を受けて、あらためてポイントを解説します(※メルマガで解説)。

「2024年の展望(1)」(1/7)

●米国のフーシ派攻撃

米軍と英軍がイエメンの反政府武装勢力フーシ派の拠点に対し攻撃を行いました。米中央軍は、イエメンの首都サヌアやホデイダなど28か所で60の標的に対し、戦闘機、艦船、潜水艦から150発以上のミサイルを発射したと発表しています。

本メルマガもお伝えしてきたとおり、フーシ派は、紅海を航行する船舶に対し攻撃を繰り返してきました。今回の攻撃の前に米国は、フーシ派は26回にわたり攻撃を行っており、特に1月9日には、ドローン、巡航ミサイル、弾道ミサイルを組み合わせ、過去最大規模の攻撃を行ったと発表していました。

米国がフーシ派の拠点を攻撃するのはフーシ派による紅海の航路への攻撃が始まってから初めてのことでした。その直後にもフーシ派から攻撃があったとして、翌日にも米中央軍はフーシ派のレーダー拠点1か所を攻撃しました。

米英の攻撃には、豪州、カナダ、オランダ、バーレーンが情報とロジスティクスの面で支援を行い、ドイツ、デンマーク、NZ、韓国が支持を表明する共同声明に署名しました。一方、サウジは自制とエスカレーションの回避を呼びかけました。

米国の攻撃を受けてフーシ派、それにイランなど関連するアクターがどう対応するかは、紅海の海運状況、マーケットや物価の動向に大きな影響を及ぼす可能性があります。今回の攻撃のポイントと今後の展望について解説します(※メルマガで解説)。

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今週の動き
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(※アイオワ州党員集会など。メルマガで解説。)

※オースティン国防長官の入院とフランスのアタル新首相についても書くつもりだったのですが、次回以降、タイミングを見て取り上げます。

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あとがき
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映画『ゴジラ-1.0』公式サイト(東宝)

映画『ゴジラ-1.0』を見ました。『シン・ゴジラ』とは大きく趣きが異なる(『シン・ゴジラ』の感想については以下の記事を参照ください)、直球のエンターテイメントで、オープンな気持ちで楽しめました(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。

「映画『シン・ゴジラ』」(16/8/31)

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