2023/06/26 00:00 | 今週の動き | コメント(0)
今週の動き(6/25~7/1)プリゴジンの反乱、ブリンケン訪中、ハンター・バイデンの司法取引、モディ訪米
対面での打ち合わせも完全に自由になり、講演や出張の仕事が一気に増えてきました。嬉しいことですが、なかなか落ち着かず、ステイホームの落ち着いたときが懐かしくなってきます(苦笑)。同じように感じられている方もいらっしゃるでしょうか。
対面で会うことで得られるものはやはり大きいです。しかし一方、コロナの時期を経て、オンラインでの打ち合わせがすっかり定着したのもありがたいことです。国内外問わず、これまで会ったことのない人、対面でないと失礼にあたるかもと思っていた人にも打診して、思いの外すぐに話せたりします。インプットもアウトプットも、ハイブリッドのメリットを最大限に活かしていきたいと思います。
さて、世界情勢ブリーフィングのオンラインセミナーはいよいよ今週火曜19時です。私としても、日々の慌ただしい動きのみならず、中長期的な課題をじっくり考えて、皆さんとお話する貴重な機会と思っています(といいつつ、プリゴジンの反乱についても詳しく話す予定ですが・・)。申し込みは直前までできますので、ご関心があればぜひご確認下さい。
※問い合わせや申し込みはこちら(inquire@guccipost.co.jp)にお願いします。
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先週の動き
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6/18(日)
・米中外相会談(北京)
・クウェートでアハマド首相率いる新内閣が発足
6/19(月)
・ジューンティーンス(米奴隷解放記念日)
・ブリンケン国務長官と中国の王毅政治局委員、習近平国家主席が会談(北京)
・中国の李強首相とドイツのショルツ首相、シュタインマイヤー大統領が会談(ベルリン)
・ウクライナのマリャル国防次官がロシア軍が支配していたザポリージャ州の1集落を奪還したと発表
6/20(火)
・バイデン大統領がAI専門家との会議に出席(サンフランシスコ)
・バイデン大統領が中国の習近平国家主席を「独裁者」と呼ぶ発言(同)
・ハンター・バイデンが税務処理と銃所持に関連した違法行為をめぐる司法取引に同意したと米検察当局が発表
・中独政府間協議(ベルリン)
・中国人民銀行がLPR(1年、5年)を0.1%引き下げ(3.55%、4.2%)
・EUが経済安保戦略を発表
・フィンランドで国民連合のペッテリ・オルポ首相率いる連立政権が発足
6/21(水)
・ウクライナのゼレンスキー大統領が反転攻勢は「期待より進展が遅い」との認識を表明
・ウクライナ復興会議(ロンドン、~22日)
・G7外相会合(同)
6/22(木)
・ウクライナのクリミア半島とヘルソン州を結ぶチョンガル橋が攻撃を受けたと「クリミア共和国」のアクショーノフ首長が発表
・ウクライナのゼレンスキー大統領がザポリージャ原子力発電所でロシアがテロを計画していると発言
・米印首脳会談(ワシントンDC)
・米共和党のウィル・ハード元下院議員が24年大統領選への出馬を表明
・中国の李強首相とフランスのマクロン大統領が会談(パリ)
6/23(金)
・EUの欧州委員会がロシアへの追加制裁パッケージ案を公表
・ロシアのワグネルを率いるプリゴジンがロシア国防省は戦況を偽っている、ロシアの「特別軍事作戦」はロシアの主張とは全く違う理由で開始された、ロシア軍がワグネルの拠点を攻撃し膨大な数の隊員が死亡した、報復を行う、ロシア軍指導部を打倒するためにあらゆる措置を講じると発言
・ロシア連邦保安局(FSB)がプリゴジンは「内戦」を扇動していると非難し、刑事捜査を開始、ワグネルにプリゴジンを拘束するよう求めると発表
・仏・ブラジル首脳会談(パリ)
・韓越首脳会談(ハノイ)
6/24(土)
・プリゴジンがワグネルがロシア軍指導部を打倒するためにロストフ州に入った、ロシア軍のヘリコプター1機を撃墜した、ロシアのロストフドヌーにあるすべての軍事施設をワグネルが制圧した、ショイグ国防相とゲラシモフ軍参謀総長とここで会いたい、来なければモスクワに向かうと発表
・ワグネルがロシアのヴォロネジを制圧したとの報道
・プーチン大統領がテレビ演説(我々の団結を分裂させる行動は裏切りである、我々は裏切りに直面している、ロストフドヌーの状況を安定させるために徹底的な行動を起こすと発言)
・ベラルーシのルカシェンコ大統領がプリゴジンと電話で協議し、ワグネルの武装蜂起の停止で合意した、協議の結果をプーチン大統領に伝えたと発表
・プリゴジンが我々はモスクワへの正義の行進に出たが、ロシア人の血が流れることへの責任を自覚し、部隊を拠点に戻すことにしたと発言
・ロシアのペスコフ大統領府報道官がプリゴジンの刑事捜査は取り下げられ、プリゴジンはベラルーシに行くと発表
・ロシア・トルコ首脳電話会談
・米英、米仏、米独首脳電話会談
・G7外相電話会談
・ウクライナ情勢に関する会議(コペンハーゲン、~25日)
●ワグネル・プリゴジンの反乱
ワグネルの創設者プリゴジンの過激な言動はこれまでもお伝えしてきましたが、先週、事態は想像を超える展開を見せました。
まずプリゴジンは、ロシア国防省は戦況を偽って社会や大統領を騙そうとしている、ロシア軍はウクライナ軍の反攻を受けて後退している、ロシアの「特別軍事作戦」はロシアの主張とは全く違う理由で開始されたと述べる動画を投稿。さらに、ロシア軍がワグネルの拠点を攻撃し膨大な数の隊員が死亡した、報復を行う、ロシア軍指導部を打倒するためにあらゆる措置を講じると発言しました。
これを受け、ロシア連邦保安局(FSB)は、プリゴジンは「内戦」を扇動していると非難し、刑事捜査を開始し、ワグネルにプリゴジンを拘束するよう求めると発表。ついにロシア当局とプリゴジンの全面対立の様相を呈してきました。
その後間もなく、プリゴジンは、ワグネルがロシア軍指導部を打倒するためにロストフ州に入った、ロシア軍のヘリコプター1機を撃墜した、ロシアのロストフドヌーにあるすべての軍事施設をワグネルが制圧した、ショイグ国防相とゲラシモフ参謀総長をここに迎えたい、来なければモスクワに向かうと発表。ワグネルの部隊がロストフドヌーに展開し、プリゴジンが南部軍管区司令官と話し合う動画がネット上に拡散されました。
事態の急変を受け、プーチン大統領は緊急のテレビ演説を実施。我々の団結を分裂させる行動は裏切りである、我々は裏切りに直面している、いかなる内乱も国家に対する致命的な脅威である、ロストフドヌーの状況を安定させるために徹底的な行動を起こすと述べ、国内で反乱が起こっていることを正面から認めました。
ワグネルはさらに北上し、モスクワの南方のヴォロネジ州の軍事施設も制圧されたと報じられました。ところが、プリゴジンは突然、我々はモスクワへの正義の行進に出たが、ロシア人の血が流れることへの責任を自覚し、部隊を拠点に戻すことにしたと述べる動画を投稿。ワグネルの進軍はモスクワから190キロの地点で停止し、ロストフ州などからも撤退する動画が流れました。
プリゴジンの発言の直前にベラルーシのルカシェンコ大統領は、プリゴジンと電話で協議し、ワグネルの武装蜂起の停止で合意した、協議の結果をプーチンに伝えたと発表していました。さらに、ロシアのペスコフ大統領府報道官がプリゴジンの刑事捜査は取り下げられ、プリゴジンはベラルーシに行くと表明しました。
わずか数日間で事態は目まぐるしく動きました。実際何が起こったのかは不明の点が多く、これから先も何が起こるかは分からず、予断を許さない状況が続きます。そうした不透明な状況にありますが、現時点で言える限りの考察を述べます(※メルマガで解説)。
●ブリンケンの訪中
ブリンケン国務長官が中国を訪問し、習近平国家主席、王毅政治局委員、秦剛外相と会談しました。バイデン政権では初めての閣僚の訪中、国務長官の訪中は18年のポンペオ長官の訪問以来となります。
米中の発表に大きな違いはなく、双方はニ国間関係と世界的・地域的な問題、国境を越える課題について率直で建設的な議論を行ったとされています。ブリンケンは、22年11月の首脳会談で議論されたニ国間関係を規律する原則を構築するため、今後も協議を続けることで合意したと強調しました。
そして対話の継続のために秦剛が米国を訪問するよう呼びかけ、双方はしかるべき時期に相互訪問を行うことで合意したと述べました。また、麻薬対策(フェンタニル規制)についてはタスクフォースを設置することで合意しました。
しかし、軍同士の対話再開については中国側の合意を得られなかったと述べました。また、中国による米市民の拘束、不公正な経済慣行、人権侵害、台湾海峡の平和と安定、キューバでの中国の諜報活動については懸念を表明したとしています。
このような会談の結果は、前回の記事(以下のリンク参照)で述べたとおりの展開でした。
・「ブリンケンの訪中」(6/19)
ブリンケンの訪中後、バイデン大統領は、カリフォルニア州での支持者集会で、2月に米軍が米国に飛来した中国の気球を撃墜した際、習近平が非常に腹を立てたのは、気球がそこにあったことを知らなかったからだ、「独裁者らにとって、何が起きたかわからないというのは大きな恥だ」と発言しました。中国は激しく反発しましたが、バイデンは、モディ首相との共同記者会見の場で、自分の発言が米中関係に影響を与えるとは思わない、近い将来、習近平と会談することを期待していると述べました。
今回のブリンケンの訪中の評価と今後の展望について述べます(※メルマガで解説)。
●ハンター・バイデンの司法取引
ハンター・バイデンが17年と18年に必要な額の税金を納めなかった罪と18年に違法薬物の使用を隠して銃を所持した罪を認め、司法取引に応じたと司法省が発表しました。
バイデン大統領は、サンフランシスコでのAI専門家との会議に出席した際、記者団に問われると、「息子を誇りに思う」とだけコメントしました。
ハンター・バイデンをめぐる疑惑は20年大統領選のときから注目を集め、本メルマガも何度も取り上げてきました。最近も下記記事で下院共和党の動きを紹介していましたが、まさにその指摘に沿った展開になっています。今回の司法取引の意義と今後の展望について解説します(※メルマガで解説)。
・「トランプ2度目の起訴」(6/12)
●モディの訪米
インドのモディ首相が国賓として米国を訪問し、バイデン大統領と会談しました。上下両院合同会議でも、16年以来2度目となる演説を行いました。
両首脳は防衛協力で合意し、バイデンは会談後の記者会見で、米印のパートナーシップは世界で最も重要だと述べました。モディも、上下両院合同会議で演説した際、米国はいまや最も重要な防衛のパートナーの一つとなったと述べました。
今回の会談やその後の両首脳の発言は、前回の記事(以下のリンク参照)で予想したとおりの内容でした。あらためてポイントをお伝えします(※メルマガで解説)。
・「モディの訪米」(6/19)
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今週の動き
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(※メルマガで解説。)
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あとがき
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■ サンクチュアリ -聖域-(Netflix)
海外でも人気を博したという話題のNetflixドラマ、一気見しました。面白かったです(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。
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