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2023/06/19 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(6/18~24)ウクライナの反転攻勢、中国・パレスチナ、ドイツ国家安全保障戦略、ブリンケン訪中、モディ訪米


梅雨入りして、すっきりしない天気の日もありましたが、週末には快晴に。夏本番のような暑さでした。また雨になるようですが、夏の足音が聞こえてきたようで、個人的には気分がアガりました。

この夏から、私もいよいよ海外での現地調査を本格的に再開する予定です。すでにいくつか出張の計画を組んでおり、メルマガでも以前のように現地からライブで情報をお届けしたいと思っています。ご期待下さい。

世界情勢ブリーフィングのオンラインセミナーは、もう来週水曜に迫ってきました。私からは、ロシア・ウクライナ戦争、米国政治、グローバルサウス、AIについてお話する予定です。峯村さんと参加者の方々との自由な意見交換もとことんまでやるつもりです。申し込み(inquire@guccipost.co.jp)は直前までできますので、ぜひご検討下さい!

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先週の動き
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6/11(日)
・ウクライナのマリャル国防次官がロシア軍がヘルソン州からザポリージャ州とドネツク州に強力な部隊を移動させていると発表
・ホンジュラスが北京で大使館を開設
・スコットランドのスタージョン前行政府首相がスコットランド民族党(SNP)の資金流用疑惑の捜査で一時拘束
・モンテネグロ総選挙(新党「ヨーロッパ・ナウ」が第1党)

6/12(月)
・ウクライナのゼレンスキー大統領がロシア軍との戦闘は厳しいがウクライナ軍は前進していると表明
・ウクライナのマリャル国防次官がロシア軍が支配していたドネツク州の4集落とザポリージャ州の3集落を奪還したと発表
・独仏ポーランド(ワイマール三角連合)首脳会談(パリ)
・ロシアの日(プーチン大統領が演説)
・バイデン大統領が歯の治療のため公務を延期
・ブリンケン国務長官が中国はキューバに置く情報収集拠点を19年に増強したと表明(キューバは否定)
・米商務省が43企業・団体(中国航空工業集団(AVIC)の関連会社等の中国の31企業・団体を含む)を中国軍への協力を理由に輸出管理規則に基づく「エンティティ・リスト」に追加
・中国・ホンジュラス首脳会談(北京)
・韓国検察がサムスン電子の元常務らを同社の半導体工場の図面資料を不正に入手し中国に流出させたとして産業技術保護法違反等の罪で起訴
・イラン外務省が制裁解除に向けてオマーンを仲介に米国に接触していると表明
・イタリアのベルルスコーニ元首相が死去

6/13(火)
・ロシアのプーチン大統領がウクライナ軍の反攻は6月4日に始まったが、どの方面でも目的を達成できておらず、ロシア軍は米欧がウクライナに供与した兵器に「深刻な損失」(25〜30%の損失)を与えたと発言
・IAEAのグロッシ事務局長がキーウを訪問(ゼレンスキー大統領と会談)
・バイデン大統領とNATOのストルテンベルグ事務総長が会談(ワシントンDC)
・米国防総省がウクライナへの3億2,500万ドルの追加軍事支援(歩兵戦闘車「ブラッドレー」15両等の追加供与)を発表
・米上院がCEAのジャレッド・バーンスタイン委員の委員長昇格を承認
・トランプ前大統領がマイアミの裁判所に出廷(ニュージャージー州で演説)
・FOMC(~14日)
・パレスチナ自治政府のアッバス議長が訪中(~16日)

6/14(水)
・サンクトペテルブルク国際経済フォーラム(サンクトペテルブルク、~17日)
・米中外相電話会談
・FOMC最終日(FF金利の誘導目標を据え置き(5~5.25%))
・中国の習近平国家主席とパレスチナ自治政府のアッバス議長が会談(北京)
・ドイツが初の国家安全保障戦略を策定
・カナダがAIIBからの脱退を示唆

6/15(木)
・ウクライナ軍がドネツク州とザポリージャ州での攻勢で100平方キロメートルを奪還したと発表
・ロシアが「併合」したウクライナのドネツク、ルガンスク、ザポロジエ、ヘルソンの4州で9月10日に地方選挙を実施するとロシア中央選挙管理委員会が発表
・NATO国防相理事会(ブリュッセル、~16日)
・米国務省が人身取引報告書(23年版)を発表
・北朝鮮が平壌の順安付近から日本海に向けて短距離弾道ミサイル2発を発射したと韓国軍合同参謀本部が発表
・欧州委員会が次世代通信規格「5G」のインフラからのファーウェイとZTEの排除を加盟国に要請
・ECB定例理事会(主要政策金利を0.25%引き上げ(3.5%))(フランクフルト)
・イラン・キューバ首脳会談(ハバナ)

6/16(金)
・ロシアのプーチン大統領がサンクトペテルブルク国際経済フォーラムで基調演説(サンクトペテルブルク)
・アフリカ諸国の首脳がキーウとブチャを訪問(ゼレンスキー大統領と会談)
・米財務省が半期為替報告書を公表
・中国の習近平国家主席とビル・ゲイツが会談(北京)
・フランスのマクロン大統領とサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子が会談(パリ)

6/17(土)
・アフリカ諸国の首脳がサンクトペテルブルクを訪問(プーチン大統領と会談)
・バイデン大統領が労働組合員の集会で演説(フィラデルフィア)
・中国共産党の王滬寧政治局常務委員と台湾の国民党の夏立言副主席が会談(厦門)
・イラン・サウジ外相会談(テヘラン)
・英国のチャールズ国王の誕生日祝賀パレード(ロンドン)
・天皇、皇后両陛下がインドネシア訪問(~23日)

●ウクライナの反転攻勢

ウクライナの本格的な反転攻勢が続いています。ウクライナ軍は主に3つの方面(ドネツク州の2か所とザポリージャ州の1か所)で攻撃をかけているとみられています。ウクライナ政府はドネツク州の4集落とザポリージャ州の3集落、100平方キロメートルの領土を奪還したと発表しました。

一方、ロシアは、プーチン大統領がウクライナ軍の反攻は6月4日に始まったが、どの方面でも目的を達成できておらず、ロシア軍は米欧がウクライナに供与した兵器に「深刻な損失」(25〜30%の損失)を与えたと発言。ロシア国防省はウクライナ側の死者は7,500人に上ったと主張しました。これに対し、ウクライナは、ロシアの発表は捏造であるとして、ロシア側の死者はバフムト方面でウクライナ側の9倍、ザポリージャ州で5倍に上っていると主張しました。

ここまで動きは、おおむねこれまでの記事(以下のリンク参照)で述べたとおりの展開です。ウクライナの反転攻勢はまだ初期的段階にありますが、今後の展望についてもすでに述べたとおりです。

「カホウカ・ダムの決壊とウクライナの反転攻勢」(6/12)
 
また、ロシアのプロパガンダに少し異変が見られることを上記記事で指摘しましたが、先週のロシアの日やサンクトペテルブルク国際経済フォーラムでのプーチンの演説にも、これまでとややトーンが異なる部分がありました。これらの点については、戦況とあわせて、次回以降の記事で解説します。オンラインセミナーでも詳しく解説する予定です。

●中国・パレスチナ首脳会談

パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長が中国を訪問し、習近平国家主席と会談しました。アッバスの訪中は17年以来、5回目となります。

両首脳は戦略的パートナーシップ協定に署名し、習近平は、2国家解決への支持、パレスチナへの経済支援の拡大、国際和平会議の開催の3点を表明しました。

中国の中東和平へのコミットは、習近平構想の一つである「グローバル安全保障イニシアティブ」でも謳われていました。サウジ・イランの仲介に続き(以下の記事参照)、中東で調停者としての積極的に役割を果たそうとする外交姿勢が示されているように見えます。

「イラン・サウジの『北京合意』」(4/10)
 
このような中国の取り組みはどのような意味をもつのか。中国とイスラエル・パレスチナとの関係を紐解きつつ、その意義と展望について解説します(※メルマガで解説)。

●ドイツの国家安全保障戦略

ドイツのショルツ政権が同国初の国家安全保障戦略(NSS)を発表しました。もともとは21年12月の連立合意で出すことが約束されていたものですが、ロシアのウクライナ侵攻を受け、ショルツ首相が唱えた「時代の転換点(Zeitenwende)」に対応する、新たなドイツの防衛政策を具現化するものになりました。

NSSには、これまでのドイツの政治環境では考えられなかったような野心的な言葉が並べられています。中国についても言及があり、注目に値します。その意味するところについて解説します(※メルマガで解説)。

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今週の動き
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(※ブリンケンの訪中、モディの訪米など。メルマガで解説。)

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あとがき
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ブログのコメント欄で、LGBT法案に対するエマニュエル駐日大使の意見表明について、外交的にどのように評価されるものなのかとのご質問をいただきました。

このテーマについては、私はこれまで注意深くフォローしていなかったのですが、多くの方が関心を寄せていることは承知していました。私からは、外交の観点から一般的にどのように考えられるかについてお答えします(※ここから先はメルマガをご覧下さい)。

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