2010/05/20 00:47 | マーケット | コメント(7)
無意味な規制の行く末
マーケットは空売りする奴もいれば買う奴もいる、すなわち売り買いがさまざまな思惑で出てきて、交錯するからこそ流動性があるのであり、こうやって片道に規制をかけることによる、
流動性の喪失
=国債保有リスクの増大、
=国債市場の値崩れ
という面を完全に見失っている対策だ、としかいえません。
日本で日本国債がこれだけ保有される理由もクレジット以前にこの流動性にあるのです。
そもそも空売り規制で売り(所謂ネーキッドショート)が止まる、あるいはこれが相場下落の原因だ、というのは幻想もいいところ。
本当に空売りしたい奴は先物をショートするに決まってます。
考えればわかることですが、わざわざセトルメントリスクがあって、セトルメントの為の貸し債コストを必要とする現物をショートするというのは余程のときで、通常は先物に比べて現物が割高なとき、それも各年限や銘柄によるイールドカーブ形状の不連続があったときにそれをならす役割があるのであって、現物をショートできないとなればそういったカーブ上のディストーションは放置されるざるを得ない。
すなわち極度に国債の流動性が落ちるのは当たり前の話ですね。アービトラージ機会が減るので先物の流動性まで落ちてしまい、まさに泣きっ面にはち。
なぜ、市場参加者がなぜわざわざ現物なんかをショートしているのか、ニーズをまったく把握していないことによる規制と言っていいでしょうね。
彼らは一回くらい先物をディーリングしてみた方がいいですな。
頼みの綱のドイツがこの程度です。
ユーロはますますやばいですぜ。
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7 comments on “無意味な規制の行く末”
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それは
分かっているが・・
ドイツとしてはやらざるをえない・・
何しろ
ローランの角笛が鳴り響いている・・のだから・・
各国が
同じ規制で続くなら・・
史の一ページに・・
なんて書き込まれるのか・??・・
心臓の鼓動が鳴り響く・・・
当局もぐっちーさんのご指摘をわかっていて、まさかわざとということは考えられないでしょうか。100年近く前の恐慌のときもわざとマネーサプライを絞ったという説があったような。誰か得をする人がいるのかもしれません。
それは陰謀というものでしょう。
損する奴もいれば儲ける奴もいる。
ドイツが取った対策でもそういう図式が成立しているのではないか?
実に摩訶不思議で面白い。
早速相場が荒れてきたようですね・・。1ドル1ユーロももうすぐなのでしょうか??
ユーロ安の流れが止まらないのが怖すぎる。
おしっこちびりそう、、、
もともと空売りに対する素人の考えはネガティブなものです。
株は上がるものとしか思ってない者は市場では良いカモなのですよ。
確かに空売りを全面禁止にすれば流動性が失われ市場は活気を失う。
よって当面旨味をなくしたヘッジフアンドが逃げ出しのはしょうがない事である。
※その事が株価低下に結びつくかは定かではない
他方、空売りがあるからこわくて買えないという意識もあり、緊急時には一時的な処置として効果もあるだろう。
さて本題だが一部メディアも含めそも「空売り」に対する理解度が低いので一律禁止と報道されており、また意識的にそう報道していり側面もあろう。
正確には「現物を持たない空売りの禁止」であり「裸売り」「ネイキッド」とも称される行為の禁止である。
意味詳細は省くが貴君がこの言葉を知らない訳ではないでしょう。
ちなみに日本においても株取引において金融庁指導によりこの行為は禁止されている。
しかし実際に指導された事実や、この行為によるペナルテイなどが明らかにされた事はない。
これからの行く末は、どうなるんでしょうか?不安が募るばかりです。
賢明なるぐっちーさん教えて下さい。お願いいたしまする。