2025/11/17 06:30 | メルマガ | コメント(0)
第331号 米政府閉鎖はいきなり解除へ
43日間という長期間にわたる政府閉鎖が終了した米国。これから、延期されていた経済統計の発表が順次行われる予定ですが、本来のペースに戻るのにはまだ1~2カ月程度は掛かる見通しです。
ここまで「霧の中」にいるような状況だったマーケット関係者も、実際に出てくる数字を見ることで、今後の見通しを修正する必要があり、これはFRB関係者も同様です。ここからは、冷静で多角的な視点も必要になりそうです。
というわけで、政府閉鎖の最終週を見ていきましょう。
●先週のマーケット
●プロローグ
・政府閉鎖解消
●今週の米国経済統計(予想)
●先週の米国経済統計(結果)
●経済統計分析
1. ADP雇用統計(週次)
2. 今後の米経済指標は?
3. 日銀10月会合の主な意見
●あとがき
それでは、さっそくまいりましょう。
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あとがき
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先週の米国マーケットでは、週初に米政府閉鎖が解消に向かったことで、概ねすべてのアセットに資金の流入が目立ち資産価格を押し上げました。ただ、週後半に向けAI関連を中心としたハイテク企業の割高な株価への懸念から、それらのセクターを売って、他のセクターを買うといった、アセットアロケーションの動きが目立ちました。
背景にはAI関連企業における巨額の設備投資に対する懸念があります。AI関連企業はAIインフラやデータセンター建設、半導体製造設備などに対し巨額の設備投資を発表しており、そのための資金調達が続いています。
これまでマイクロソフトやグーグルなどは内部資金で対応してきましたが、いよいよキャッシュフローを使い果たし、社債発行による資金調達に頼り始めています。問題はそういった巨額のAI関連の設備投資が、今後のリターンにつながるのか?将来得られるリターンを超えた設備投資を行っているのではないか?という点にあり、こういった懸念がAI関連企業の割高な株価を押し下げています。この懸念は簡単に払拭できない可能性があるでしょう。
そういったことを確認する意味でも、今週予定されているエヌビディアの決算発表には注目が集まります。市場の注目はかなり高まっていますが、決算を迎えるムードとしては、投資家の目線は厳しくなっており、良い材料をスルーし、悪い決算に過剰に反応しやすくなっています。良い決算が出たとしたとしても、AI関連企業によるさらなる設備投資の加速を想起させますし、悪い決算に対しては、AIへの期待を強める投資家の失望を買い、過剰に売られるといったことも想定されます。ここのところ、決算が良くても株が売られる流れが続いており、ちょっと注意が必要な週になるかもしれません。
また、もう一つ注目なのがトランプ関税に対する訴訟の最高裁の判断です。可能性はそこまで高くはないものの、判決は最速で本日月曜(11月17日)に出る可能性があります。もっとも年内一杯までずれ込む可能性の方が高いので今週どうこうという話ではないかもしれませんが少し注意が必要です。最高裁による口頭弁論は、政権側にはかなり不利な展開だったことは前回のメルマガでお伝えした通りで、最終的にどうなるかはまだ分かりません。
しかし、近年の米国の最高裁は極めて政治的であるが故に、判断を逃げる可能性もある(最近は法学者としての信念を貫くより、政治的にうまく立ち回る人が増えてきた)ため、完全に違法とはせず、中間的な落としどころを探る判決が出る可能性はあると考えています。つまり、別の法的枠組みのもとで関税を再設定できる余地を政権に残すのではないかということになるわけです。いずれにせよ、結論が出るまでは考えても仕方がないものの、関税が違法と見なされた場合、関税撤廃による税収減が財政悪化につながるためリスク要因として認識しておく必要はあるでしょう。
さて今週は、編集部より重要なお知らせがあるかもしれません。読者の皆様にもきっとお役に立てるお知らせになると思いますので、楽しみにお待ちください。
風邪やインフルエンザが流行っており拗らせてしまっている人も見かけます。みなさま、くれぐれもご注意ください!今週も良い1週間になりますように!
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