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2025/10/27 06:30  | メルマガ |  コメント(0)

第328号 米国のアキレス腱を握る中国


今週はいよいよ10月最終週ですが、ある意味とても”しんどい”1週間になりそうです。政府閉鎖とFOMC前のブラックアウト期間で材料が殆どなかった先週から一転、各国の金融政策決定会合、日米の企業決算、日米首脳会談・財務会談など金融・政治的イベントが盛りだくさんです。

●先週のマーケット
●プロローグ
・米政府閉鎖はワースト2へ
●今週の米国経済統計(予想)
●先週の米国経済統計(結果)
●経済統計分析
1. CPI 9月
2. トランプの対中輸出規制
3. 高市政権下で初の日銀会合
●あとがき

それでは、さっそくまいりましょう。

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あとがき
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今週もお付き合いいただきましてありがとうございます。

先週の株式市場は日米ともに好調を維持。幾分楽観的に傾いていると思われる株式市場を、今週は重要イベントが待ち構えています。

日米欧の中銀イベントに加え、米国の企業決算がピークを迎えます。S&P500の企業のうち34%が決算発表を予定しており、特に米国市場を牽引するマグニフィセント・セブンと呼ばれる主要テクノロジー企業のうち5社(AAPL、MSFT、GOOG、AMZN、META)が決算発表を予定しています。さらに、米中首脳会談では期待したような緊張緩和が見られるかどうか。ハードな1週間になりそうですが、今週を無事に乗り切れば良好な季節性のもと年末ラリーが視界に入ってくるかもしれません。

国内に目を向けると、トランプ大統領が27日から3日間の日程で来日することになっており、都内では交通規制や警備・検問が最高レベルで行われる予定です。また、28日には高市首相との会談、安倍昭恵夫人との面会の予定も入っており、イベント目白押しです。今回はどこでご飯を食べるのでしょうか?お見かけしてみたいものです。

さて、その高市政権では岸田政権から続いてきた成長と分配の好循環の実現を目指す「新しい資本主義」の看板を下ろす方針を固め、岸田元総理大臣に伝えたことが報じられました。また、自民党が参院選で掲げた1人2万~4万円の給付金は、国民の理解を得られなかったとして、実施を取下げ、その一方で、ガソリン暫定税率の廃止法案を臨時国会で成立させるなど、他の物価高対策を優先させる方針を示しており、これまでの高市財政拡大路線のイメージを修正してきているようにも見えます。

また、財務大臣に就任した片山さつき氏は会見で、ガソリン税の旧暫定税率廃止の代替財源の候補として浮上するであろう、金融所得課税の強化について言及しました。一般投資家の環境を損なわないことを前提に検討するとしており、いずれのスタンスも政策実行の落としどころを早急に見つけながら前に進んでいる様子です。今回の金融所得課税強化への言及は観測気球だと思われますが、これらの動きを見るかぎり無秩序な奔放財政をするというスタンスではないことはうかがえますね。

あと、先週は名古屋に出張に行きました。目的はメカトロテックジャパン(Mechatrotech Japan)という、日本最大級の工作機械見本市のひとつが開催されており、私がアドバイザーをやっている輸入商社も出展していることから訪問してきました。前回2023年に伺った時よりも、出展企業数が増えており過去最高だったこともあり、3つの大きい会場は大変にぎわっており、肌感でも来場者の多さを実感しました。

製造業関連の最新技術・機器・ソリューションが一堂に集まる展示会であることから、多くの製造現場の注目を集めており、名古屋という地域柄もあり自動車会社および自動車関連会社の来場者が特に多かった印象です。実際、製造業の設備投資は足元堅調で、工作機械メーカーが受注した設備投資用の工作機械の受注額を集計した工作機械受注統計(日本工作機械工業会)は、8月から9月にかけて増加傾向を維持しています。

国内企業は人手不足が足かせとなり工場新設や立替などは進まず、そういった設備投資の進捗が遅々としているものの、工作機械の入れ替えやソフトウェアの更新は進んでおり国内企業の設備投資意欲はそれなりに強いことは明らかです。今回の展示会はまさにそれを肌で感じられる機会で、現在の日本株高は一定の裏付けを伴っているかもしれないと感じる時間でした。興味深い展示も多く予定より長居してしまい、その日の夜、東京で予定されていた会食には見事に遅刻してしまいました。

そんな名古屋に向かう新幹線の車窓から臨んだ富士山山頂は雪で覆われていました。これは23日のことだったのですが、Xのポストをご覧いただいた読者の方からこの日が初冠雪だったと聞いて感動しました。

さて先週、お伝えした「小糸在来(R)の枝豆」。今年の酷暑を乗り切った裏には、ソルゴー(Sorghum)という緑肥の活躍なしには語れないそうです(宮本さん談)。これは、イネ科の植物で、古くから穀物として栽培されていて、土壌改善に大変役立つのだそうです。無機質肥料中の窒素肥料の節約、土壌の流出や養分の溶脱を防ぎ、水分の蒸発にも作用するとのことで一人何役もの活躍、特に熱帯や雨の多い地方で有効とされているとか。

宮本さんの取り組みを聞きつつ、ソルゴーの特徴を知ると、日本がいかに熱帯化しているのかを実感します。

もとい、こうした宮本さんの取り組みのおかげで、今年は特に豆の甘さが際立つ感じで、とても美味しい。ぜひ、試してみてください。

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しかし、秋はどこに行ってしまったのでしょうか?急に寒くなりすぎです。体調を崩しておられる方もチラホラいるようですが、皆様もくれぐれも気を付けてお過ごしください。今週も良い1週間を!

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