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2025/04/21 06:30  | メルマガ |  コメント(0)

第299号 トランプ vs FED


先週も、日米ともにトランプ関税の行方に為替を含むマーケットが振り回された1週間でした。本メルマガでは、足元の値動きにとらわれすぎることなく、大局的に大きな資金の流れなどにも意識を向けていきたいと思っています。

また、先週はパウエルFRB議長に向けたトランプの発言にも注目が集まりましたので、合わせてお伝えしていきます。お付き合いください。

●先週のマーケット
・日米関税交渉の始まり
●今週の米国経済統計(予想)
●先週の米国経済統計(結果)
●経済統計分析
1. 米小売売上3月
2. 新規失業保険申請件数
3. パウエル議長解任?!
4. FEDの政策対応の条件
5. 投資資金の動きは米国外し
●あとがき

それでは、さっそくまいりましょう。

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あとがき
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ここのところトランプ関税関連のヘッドラインに振り回され、マーケットも大荒れ、資産運用の成果も大きく振られて疲弊している方も多いかもしれませんが、世界の市場は先週末からイースター休暇入り、週明け21日も日本と米国以外の多くの国が休場となっており一息ついています。まだまだトランプ劇場は終わっていませんのでそんなことも言ってられませんが・・・。

そんな資産運用について、金融庁は、高齢者向けのNISA(少額投資非課税制度)を創設する方向で検討に入ったとのこと。その名も、シルバーNISAではなくプラチナNISAで、2026年度の税制改正要望に盛り込む方針と。また、現在は18歳以上に限定する「つみたて投資枠」の年齢制限の引き下げも検討。さらにさらに、高齢者に限り、運用益を分配金として毎月払う投資信託などを組み込めるようにする方針??とのことで、自民党の資産運用立国議員連盟(岸田文雄会長)が近く政府に提出する見通しと報じられています。

個人の資産運用の環境整備はいいことだと思うのですが、「毎月分配型の投信を65歳以上などに限定してNISAの対象として認める」という部分はどうも引っ掛かります。金融庁は、年金に頼る高齢者の「毎月の生活費に充てたい」というニーズを考慮し、高齢者に限定した毎月分配型の解禁を検討しているとのことですが、これまでも毎月分配金を受け取るニーズはそれなりにあったにもかかわらず、散々、毎月分配型はタコ足配当で誠実ではない!だとか、そんな毎月分配型はNISAではダメだ!と言ってきた金融庁が高齢者限定で毎月分配OK!って、無茶苦茶です。

そもそも、高齢者向けとか枠なんか作らずに、毎月分配型もNISA解禁して、それを選択したい人は自由に選べる使いやすい選択肢を用意すればいいだけで、結局、制度を複雑にしただけの金融庁は何を考えているのでしょうか?資産運用立国を掲げ、「貯蓄から投資へ」の流れに力を入れているのはわかりますが、誰のための何のための制度かをもう少し考えた方がいいと思います。

そんな金融庁がやっている制度といえば、金融経済教育推進機構なるものを立ち上げ、特定の金融機関や金融商品に偏らない中立的な立場から、金融経済に関するアドバイスを提供する人材として、認定アドバイザーを配置するというものがありました。しかし、中身を見るとFP(ファイナンシャルプランナー)の食い扶持を確保するための仕組みとしか思えないような内容で、はたして本当に資産形成のための知識や情報が得られるのかは微妙。資産運用立国というなら、金融庁は本当に利用者のためになる制度設計を目指してほしいところ。

って思いっきり愚痴っぽくなってしまった私こそ、トランプ相場で疲弊している張本人でした。

さて今週もお付き合いいただきましてありがとうございます。25度を超える日も出てきましたが、これは夏日では?!年々、夏が早くなっています。よい1週間をお過ごしください!

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