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2024/11/11 06:30  | メルマガ |  コメント(1)

第274号 トランプ大統領再登板で修正を余儀なくされるインフレ目線


先週は、大統領選挙があり、FOMCも他の経済統計も霞むくらいでした。とはいっても、FOMCも今年はあと1回、パウエル発言からも今後のFEDのスタンスが垣間見えますので、引き続き冷静にデータや発言と向き合いつつ、トランプ後の米国経済についても考えていきましょう。

●先週のマーケット
・毎月勤労統計
●今週の米国経済統計(予想)
●先週の米国経済統計(結果)
●経済統計分析
1. ISMサービス業 10月
2. 新規失業保険申請件数
3. 11月FOMC
 ・中立貫いたパウエル議長
4. トランプ大統領再び
5. 欧州にも政情不安
●あとがき

それでは、さっそくまいりましょう。

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あとがき
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石破総理のもとで政権運営はやっていけるのか。野党とは、部分部分で連携協力をしていく「パーシャル連合」も模索しているとかいないとか、前述のドイツではないですが、国内政局は引き続き不透明でしょう。おまけにトランプ大統領誕生が決まって、「石破首相が上手くやっていけるのか?」とか「安倍首相と比較して~」とか報道されていますが、やってもらわなければ困ります、首相に選ばれたのですから。とはいえ、どうもトランプ大統領と仲良くなるイメージがわかないというのが正直なところ。ぜひ頑張っていただきたい。

そんな石破政権が秋波を送ったとか送らないとか話題になっている、先の衆院選挙で大躍進を遂げた国民民主党の公約が注目されています。その中で特に注目されているのが「所得税の控除(基礎控除48万円+給与所得控除55万円)を103万円から178万円に引き上げる」というもの。

基礎控除をこのように75万円引き上げることで、年収200万円の人は減税効果が8.6万円(4.3%)、1000万円なら22.8万円(2.2%)、さらに2300万円なら38万円(1.6%)の減税効果になると試算されています。ということは、減税効果分が可処分所得となって消費に回り、経済成長につながり、結果的に税収もUPするというもので、なかなか興味深い。

だいたい、この基礎控除103万円は1995年から変わっていないにも関わらず、パート・アルバイトの時給は年々上昇しています。そのため、控除が外れないように「働き控え」をしている主婦(夫)の方も年々増えてくるとなれば、ただでさえ不足している労働力がさらにタイトになる要因にもなる。この働き損とかいわれてしまう、どうしようもない仕組みは改善しないと日本の経済成長にはよくないというのは間違いないでしょう。そういう面において国民民主党の政策は正しい。

ただし、減税効果が可処分所得を押し上げ、消費に回り経済成長につながる、といって楽観視するのは違うと思います。

減税の先に経済の好循環を想定しているのだろうと思いますが、そこについては不確実な部分も多い。減税したら税収は減るわけで、もし国債発行を伴うのであれば物価が上がる可能性すらあるため本質的な解決にならないかもしれません。短期的には耳障りはいいけど、長期的には不確実性のあるシナリオで進んだ結果、放漫財政と円安インフレだけが進みました、では目も当てられない。

財政赤字も同時に大きな問題なのですから、少なくとも国民が財政の持続可能性に安心感を持つために政治としてやることをやってからではないでしょうか?その上で、働きたい人はより働ける仕組みを作り、稼いだ分が消費に回るようになるのは素晴らしいと思いますが、皆様はいかがお考えでしょうか?

そんな中、先週、自民党が、野党に衆院予算委員長のポストを譲る方針(30年ぶり!)を示したことが報じられました。衆院選挙の結果を受けて、駆け引きがあったようですが、一番の目玉である予算院長のポストを立憲民主党に譲り渡し、17ある常任委員長のポストのうち8ポストを野党に渡すことになりました。衆議院選挙の前の国会までは、立憲が決算行政監視委員と懲罰委員の2つ、残りは自民公明が占めていたことを考えると、予算審議・採決を進めにくくなることが想定されますが、果たして・・・?

本日11日に特別国会召集、会期は14日までの4日間です。11日に首相指名選挙が行われ、石破茂首相が選出される見通しです。

さて、先々週くらいまで、オフィスでもエアコンを入れたりしていたのに、突然この週末から寒くなりました。秋らしい日々は1週間くらいしかなかったことになります。実際、世の中は、先週からクリスマスのイルミネーションイベントが次々開催されています(早くない?)。と言うわけで、冬もいよい近づいてきましたので、皆様もくれぐれも体調にはお気をつけてお過ごしください。

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One comment on “第274号 トランプ大統領再登板で修正を余儀なくされるインフレ目線
  1. ロッチ より
    壁と財政問題とマスク

    税収が過去最高とか言っているわけですし、壁を取っ払い、控除額を上げるのは、景気への起爆材にもなりそうですし、やって欲しい。しかし、その一方で、ご指摘の歳出の見直しも進める必要がありますね、社会保障など増える一方ですから、、、。

    そして、米国マーケット、トランプがおとなしく見えるくらい、マスクの「財政危機を煽る」発言が気になります。金利が上昇してるのは、そのせいなのかな、と思っていますが。

    個人的には、マスクが変動要因とか、影響力ありすぎて、ちょっと面倒くさい感じですが(笑)

    引き続きよろしくお願いします!

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