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2020/03/04 10:00  | マーケット |  コメント(0)

FRBの緊急利下げ


米、0.5%緊急利下げ 新型コロナの影響警戒―追加金融緩和も視野(3月4日付時事)

昨晩、FRBが0.50%の臨時利下げを行い、政策金利を1.25%としたことで、米国株式市場は大幅な下落で反応しました。

NYダウ-2.94%、S&P500-2.81%、NASDAQ-2.99%といった状況です。(3日NY市場終値ベース)

今回の利下げは、その0.5%という幅もさることながら、FOMCを待たずに行った、という点においてサプライズでした。

マーケットの反応を見るかぎり、FRBの金融政策に対し、疑心暗鬼となっており、市場参加者はこのFRBの利下げに納得していないと見ることができます。

今週のメルマガの中では、「長期の好景気の終盤における利下げは、エスカレーションしていくと景気に対する不安が台頭し、むしろリセッションが意識され株が売られるということが起こりえます。」としていましたが、これはこういった反応を想定したものです。

そして、今後はという点で言えば、もう少しこういった神経質でボラタイルな状況が続くと思われ、株価で言えば直近でつけた安値(2月28日)を明確に割っていくかがポイントです。

FRBは声明文の中で「米国経済のファンダメンタルズは依然強いが、新型コロナウイルスの影響で経済活動に悪影響が出るかもしれない」としています。

ただし、パウエル議長は記者との質疑応答で「新型コロナウイルスの経済に対する影響はアーリーステージであるため、いまだ、経済統計には反映されていない」という内容の発言をしています。

よって、今後の経済統計の変化には、より注意を払う必要があることを示唆しており、各経済統計の元データにふれていくことが重要といえるでしょう。

Federal Reserve issues FOMC statement(3月3日付FED)
FRB声明文(意訳)

The fundamentals of the U.S. economy remain strong.
米国経済のファンダメンタルズは引き続き底堅い。
However, the coronavirus poses evolving risks to economic activity.
しかしながら、コロナウイルスは経済活動にリスクをもたらす。
In light of these risks and in support of achieving its maximum employment and price stability goals, the Federal Open Market Committee decided today to lower the target range for the federal funds rate by 1/2 percentage point, to 1 to 1‑1/4 percent.
これらのリスクを考慮し、雇用の最大化と物価安定の目標を達成するために、FOMCは本日、FF金利を0.5%引き下げ、1-1.25%とすることを(全会一致で)決定した。
The Committee is closely monitoring developments and their implications for the economic outlook and will use its tools and act as appropriate to support the economy.
我々は引き続き、経済の拡大と、今回の決定が景気に与える影響を綿密にウォッチしており、経済を支援するためにFEDが取り得る選択肢を使って適切に行動していく。


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