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The Gucci Post [世界情勢・政治・経済金融 × プロフェッショナル]

2022/05/09 00:00  | 今週の動き |  コメント(0)

今週の動き(5/8~14)ロシアのウクライナ侵攻、NOPEC法案、ロー対ウェイド判決、オハイオ州上院選の共和党予備選


大型連休はいかがお過ごしだったでしょうか。私は基本的に仕事をしていましたが、それでも周りは休暇モードだったので、バタバタせず、長期的な課題にも取り組むことができました。

国内移動はすっかり正常化した感もあり、旅行された方も多かったのではないかと思います。私も、海外出張はまだ難しいですが、近いうちに沖縄などに行って、ノマドワーク気分で仕事をしたいなあと思っています。

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先週の動き
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5/1(日)
・ロシアのベルゴロド州で爆発が発生
・ウクライナのゼレンスキー大統領がマリウポリのアゾフスタリ製鉄所から民間人100人が退避したと発表
・ペローシ下院議長が4月30日にキーウを電撃訪問したと発表
・ロシアのラブロフ外相がヒトラーにユダヤ人の血が流れていたとテレビインタビューで発言
・日越首脳会談(ハノイ)

5/2(月)
・ロシアのゲラシモフ参謀総長がドンバスに滞在していたが、ウクライナ軍の攻撃で負傷したとの報道については確認する立場にないと米国防総省高官が発言
・EU臨時エネルギー相会合(ブリュッセル)
・バイデン大統領がFRBの金融監督担当副議長にミシガン大学のマイケル・バー教授を指名
・米連邦最高裁がロー対ウェイド判決を変更することに過半数の判事が同意しているとPoliticoが報道
・独印首脳会談(ベルリン)
・日・タイ首脳会談(バンコク)

5/3(火)
・ロシアがウクライナのリヴィウの発電所をミサイルで攻撃
・仏ロ首脳電話会談
・プーチン大統領が「非友好国」の制裁対象になっている企業や個人への物品や資源の輸出を禁止する大統領令に署名
・英国のジョンソン首相がウクライナ議会でオンライン演説
・バイデン大統領が連邦最高裁によるロー対ウェイド判決の変更への反対を表明
・バーンズCIA長官が4月にサウジを訪問していたとWSJが報道
・オハイオ州上院選の共和党予備選(J.D. ヴァンスが勝利)
・FOMC(~4日)
・秋葉NSS局長とブリンケン国務長官が会談(ワシントンDC)

5/4(水)
・ロシアがウクライナ各地の鉄道網、ウクライナ軍の燃料施設や弾薬庫をミサイルで攻撃
・ロシアのペスコフ大統領報道官が5月9日の戦勝記念日にプーチン大統領がウクライナへの「戦争」を宣言するとの観測を否定
・EUがロシア追加制裁案を発表(ロシア産原油の輸入停止、ズベルバンクのSWIFT排除等)
・ブリンケン国務長官の新型コロナウイルス感染が発表
・FOMC最終日(FF金利の誘導目標を0.5%引き上げ(0.75~1%))
・仏印首脳会談(パリ)
・北朝鮮が平壌近郊の順安から日本海に向けて弾道ミサイル1発を発射したと韓国軍合同参謀本部が発表
・日・イタリア首脳会談(ローマ)
・日米防衛相会談(ワシントンDC)
・萩生田経産相がレモンド商務長官、グランホルム・エネルギー長官、タイUSTR代表と会談(同)
・ロシア外務省が岸田首相ら63人の無期限の入国禁止を発表

5/5(木)
・ロシア・イスラエル首脳電話会談
・ウクライナのゼレンスキー大統領とドイツのシュタインマイヤー大統領が電話会談
・米国防総省がウクライナにロシアの将官の所在に関する情報を提供していたというNYタイムズの報道内容を否定
・仏・トルコ首脳電話会談
・ウクライナ支援に関する国際会議(ワルシャワ)
・ジル・バイデン大統領夫人がルーマニアとスロバキアを訪問(~9日)
・USTRが通商法301条に基づく対中追加関税の見直し手続きの開始を発表
・米上院がキャロライン・ケネディ元駐日大使の駐豪大使就任を承認
・米上院司法委員会が石油生産輸出カルテル禁止(NOPEC)法案を可決
・OPECプラス閣僚級会合(オンライン)
・中国共産党の政治局常務委員会(北京)
・英統一地方選挙(与党・保守党が改選議席の4分の1を失う敗北、北アイルランド議会選挙ではシン・フェイン党が第1党)
・ADB総会(オンライン)
・日英首脳会談(ロンドン)
・岸田首相がロシア追加制裁を発表(同)
・台湾の蔡英文総統と自民党青年局の議員団が会談(台北)

5/6(金)
・バイデン大統領がウクライナへの1億5,000万ドルの軍事支援を実施すると発表
・ウクライナのゼレンスキー大統領がチャタムハウスのオンラインイベントに出席
・ロシアの黒海艦隊のフリゲート艦「アドミラル・マカロフ」にウクライナ軍の対艦ミサイル「ネプチューン」が命中したとオデーサのメディアが報道(ウクライナ政府は確認できずと発表)
・ドイツがウクライナに自走式榴弾砲7門の供与を発表
・ロシア外務省のザイツェフ情報局次長がウクライナでの軍事作戦でロシアが核兵器を使用することはないと表明
・国連安保理がウクライナの状況に言及する議長声明を採択
・台湾国防部が中国軍の戦闘機など18機の防空識別圏(ADIZ)への侵入を発表
・スリランカのラジャパクサ大統領が非常事態を宣言

5/7(土)
・ウクライナとロシアがマリウポリのアゾフスタリ製鉄所からの民間人の退避が完了したと発表
・北朝鮮が新浦の海上からSLBMと推定される短距離弾道ミサイル1発を発射したと韓国軍合同参謀本部が発表
・フランスのマクロン大統領の2期目の就任式(パリ)

●ロシアのウクライナ侵攻

ロシア軍によるウクライナ侵攻は、本日(5月9日)で75日目を迎えました。

ロシア軍のドンバスでの攻撃は、イジュームからの南下を中心として続いていますが、ウクライナ軍の防衛により、相変わらず大きな進展はみられません。一方、ハルキウではウクライナ軍の反攻が成功しており、領土を大幅に奪回、ロシアとの国境に迫りつつあります(地図はこちらのリンク参照)。

マリウポリでは、ロシア軍がアゾフスタリ製鉄所に対する数日間の攻撃停止を行い、市民の退避が実現しました。もっともウクライナの防衛隊はとどまり、抗戦を続ける姿勢を見せています。

米欧のウクライナ支援は続いており、米国からはペローシ下院議長がキーウを電撃訪問。バイデン大統領は1億5,000万ドルの軍事支援を行うと発表しました。榴弾砲の弾薬や対砲兵レーダー、電波妨害装置の供与が含まれています。

ゼレンスキー大統領はドイツのシュタインマイヤー大統領と電話会談。シュタインマイヤーは「わだかまりは解けた」と発表し、ゼレンスキーはショルツ首相をキーウに招待したと発表しました(その後、5月9日の戦勝記念日のタイミングでの訪問を期待と表明)。ドイツはベーアボック外相の訪問を発表し、また自走式榴弾砲7門の供与も発表されました。

EUはロシア制裁の第6弾を発表しました。ロシア産原油の輸入停止、ズベルバンクのSWIFT排除などが含まれています。本メルマガが3月初めの時点で予想したとおりの展開です(以下の記事参照)。

「ロシアのウクライナ侵攻」(3/7)

またゼレンスキーは、英国際問題研究所(チャタムハウス)のオンラインイベントに出席。ロシアとの交渉は開かれているが、ロシアの侵攻前である「2月23日の状況への回復」が停戦の最低条件と発言しました。

こうした最新の動きを踏まえ、現状と展望について解説します(※メルマガで解説)。

●NOPEC法案の上院委員会での可決

米上院司法委員会が石油生産輸出カルテル禁止(NOPEC)法案を可決しました。米国の反トラスト法を改正し、OPECの加盟国に対する訴訟を可能にするものです。

もし成立すれば、原油市場と国際関係に大きな影響を与える可能性があります。読者の方からのリクエストもあったので、今後の展望についてコメントします(※メルマガで解説)。

●ロー対ウェイド最高裁判決の変更のリーク

米連邦最高裁が1973年の「ロー対ウェイド」判決(中絶を規制する州の権限を制限するもの)を覆すことに過半数の判事が同意しているとPoliticoが報道しました。判決文の草案がリークされるという前例のない事態でもあり、米国内では大きな衝撃を与えています。

バイデン大統領は、ロー対ウェイド判決を法律として成文化することに取り組むとの声明を発表しました。本件の意義と展望について解説します(※メルマガで解説)。

●オハイオ州上院選の共和党予備選

オハイオ州上院選の共和党予備選が行われ、『ヒルビリー・エレジー』の著者J. D. ヴァンスが勝利しました(『ヒルビリー・エレジー』については以下の記事参照)。

「映画『ヒルビリー・エレジー』」(21/2/4)

ヴァンスは、元々はネヴァー・トランパーでしたが、今回の選挙ではトランプ前大統領の支持をとりつけることに成功しました。なお、ヴァンスはピーター・ティールのベンチャー・キャピタルで働いており、ティールからは資金支援やトランプの支持について協力を受けていました。

共和党の予備選は、トランプの影響力を含め、今後の共和党の動向を見る上で示唆に富みます。本件についてコメントします(※メルマガで解説)。

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今週の動き
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(※ロシアの対独戦勝記念日、フィリピン大統領選など。メルマガで解説。)

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あとがき
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「ヒトラーにユダヤ人の血」、ロシア外相発言にイスラエルが猛反発(5月3日付BBC)

世界を仰天させたラブロフ外相の「ヒトラーはユダヤ系」発言。イスラエルも激怒し、どうなるのかと思ったら、プーチン大統領とベネット首相が電話会談を行い、プーチンが謝罪したとのこと(ロシア側の発表に言及がなかったのが気になりましたが、否定されていないようなので、受け入れられている事実なのでしょう)。

ロシアの粗雑なパブリック・ディプロマシーは見慣れているので、相変わらずしょうもないなという程度の印象ではありますが、今回の発言で多くの人の脳裏に浮かんだのは、手塚治虫『アドルフに告ぐ』でしょう。私も中学生のときに読みましたが、今なお鮮明に思い出せる強烈な作品でした。この漫画を読んでから、手塚治虫の後期の長編作品にハマったものです(『MW(ムウ)』とかすごかったですね)。

しかしラブロフもこの漫画に影響を受けた・・というわけではもちろんなく、「ヒトラーはユダヤ系」という都市伝説には元ネタがありました。最も有名なのはヒトラーの個人弁護士だったハンス・フランクの回想録です。WPが記事にしていましたが、Wikiの説明がまとまっているので、ご関心ある方はご覧下さい。

Wikiといえば、プーチンは、国営ズナニー(「知識」という意味)財団のCEOと会い、Wikiの記述は信用できないので、自国版を作ることを相談していました。Wikiは、ロシアでは12年から監視サイトのリストに入れられているのですが、今でもアクセスできる状態が続いているそうです。

たしかにロシアでWikiを読まれるのは、プーチンにとっては不都合なことでしょうが、それにしてもWikiの特徴は情報のオープンな編集にあるので、情報統制を行う国が代替版を作ることは不可能でしょう。ロシア国内では、アクセスのブロックを見越して、データをダウンロードする例が増えているそうです。こういうところからも生活環境は変わっていくのですね・・。

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